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個人がビジョンやミッションを持つと変わること

スタートアップに入ってから、会社やプロダクトにビジョンがあることがどれだけ大事かを知った。大企業時代はあまり関心がなく、正直どうでもよく思っていたものが、ここまで人のモチベーションをつくるのかと驚く毎日を過ごしている。

そして、とあるきっかけで、これは個人においてもどういう世界を作りたいか・そのためのミッションはなんなのかを持っていることが、人生にとってすごく大事なのだと気づいた。

そのきっかけとは、医療関係でもなんでもない知り合いが「死ぬ人を減らしたいんです」と言ったこと。スケールでか!と思いつつ、なんでその会社にいるのかと聞いてみると意外と筋が通っていた。

起業家のソレは、イコール会社理念になっていることが大半であるし、それがあるなら起業すればいいかもしれない。でも別に起業してなくたってサラリーマンだって自分で筋が通ってさえいれば、そこまでデカイこと思って生きていいのだと勇気をもらった。

それから自分はどうだろうと考えたところ、社会人になってからモヤモヤしていた部分が晴れるように見えてきた。僕の場合は、こうである。

(細かい部分は本旨ではないので飛ばしてもらって大丈夫です。)

ビジョン:よりよいデザインに溢れ、それを選べる世の中をつくる
ミッション:デザインで、人を救う

よりよいデザインとは表面的な部分だけでなく、構造も含めよいもの。それがたくさん生まれていること。選べるとは、それを所有できる余裕があることと、よりよいものを選べる目をもっていること。それができるひとがたくさんいる世の中になったらいいなと思っている。

そのために自分が貢献できることは、デザインの力で人を救うこと。仕事仲間でも、お客さんでも、誰でもいいデザインに触れた時は笑顔になる。ワクワクが込み上げてくる。その時、潜在的にデザインの価値を感じている。それを増やすことで、デザインの力に目覚めてくれる。僕がそうだった。

という感じ。これが定まってから、だいぶ日々が変わった。

自分の考えが練り上げられる

仕事をマシーンのように片付けることが大事なものと、考えることがキモになるものの2種類に無理やり分けたとしたときに、後者の質が変わるように思う。

人は自分が生んだものに対してそう簡単には客観的になれない。だから同僚からのチェックやフィードバックは、欠けている視点を補う大事な工程だ。僕はそれがきちんと同じ方向から重ねられるのであれば、たくさん行われた方がクオリティが上がると思っている。そこで自分のビジョンやミッションがあれば、1回目のフィードバックを一人で実施できる。

簡単に言うと、妥協が減る。
「よし、できた。意見もらお。」という思いを踏みとどめて、「本当にこの仕組み、アイデア、デザインでいいのか」と自問するようになる。え、それって普通じゃないかと思われる方もいるかもしれないが、けっこうできてない人もいる。できていても、自分の仕事に自信と意味を加える行為でもあり、意味があると感じている。

世の中の出来事がどんどん自分ゴト化する

今まで自分とはさほど関係ないなと思っていたところが急に身近に感じられて、どんどん知りたくなってくる。

例えば、デザインで人を救う、と考えたときに自分もその人である。お金を稼がないと生きていけない。単にいいデザインを仲間と一緒に提供しても、それが雀の涙のお金にしかならないとやっていけない。じゃデザインを事業としてどう価値提供するか、会社としてどう世の中に向き合っていくか、会社にはどんなメンバーがいたらいいか。波紋状にどんどん知りたいこと学ぶことが増えていく。

そうなると生きているだけで、視座が変わり、視点が広がる。

こだわりが生まれる

これは仕事と関係ないが、僕の場合、見るもの、食べるもの、触れるものにより関心が生まれてきた。現実を見据えながら、いいところも悪いところも見えてくる。今まで捨てることがなかなかできないタイプだったけれども、いい具合に物理的にも精神的にも断捨離ができてきた。比較的スッキリして生きている。

最後に

以上がビジョンとミッションを持つことで、僕に訪れた変化である。もちろんそれでも仕事でうまくいかないことはあるし、問題もたくさんある。たまにビジョンを忘れかけることもある。でも感覚でしかないけれど、それがあった上で行動することで、後悔がとても減っているように思う。それに何より楽しい。

気づきを与えてくれた知り合いのように、僕のビジョンもめちゃくちゃ大それたことを言っている。でもそれでいいのだと思う。それにミッションやビジョンは、いきなりガッチリ固定させるのではなく、育てていくくらいの感覚でもいいなとも感じる。とりあえず持ってみる。それが大事で、そこから色々と変わっていくはずなのだ。


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