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高校生の宿題:親の仕事を調査せよ!

PC 内のドキュメントを整理していたら、2 年前に当時高校 2 年生だった娘の宿題で「親の仕事を調査せよ!」というものがあり、これに対応した際の回答が見つかりました。この回答内容が自己反省をするうえで役立ったので、せっかくなのでこちらでも紹介させていただこうと思います。
2 年前は、Microsoft Corporation の Azure 開発部門でデータセンターのプランニングを担当しており、今回紹介する内容はその際の仕事に基づくものですが、テクノロジーで世の中を良くしていくのであるというパッションが仕事上のモチベーションであるという原点を思いださせてくれる内容で、将来の自分への手紙だったのかもしれませんね (笑)。

あなたの職業 仕事内容

マイクロソフトで企業向けクラウド サービスの製品開発を行っています。顧客企業は当社のクラウド サービスを利用することで、迅速かつ安価に AI (人工知能) などを活用したアプリケーションや IT システムの開発を行うことが可能になります。
製品開発部門では、データセンターという大量のコンピュータ リソースを保有し、様々のサービスをネットワーク経由で提供するための設備 (建物) の設計・計画を担当しております。顧客に快適にクラウド サービスを利用するために、どのような設備が必要になるのかを予測してその設計と計画に活かしています。
製品開発部門へ異動する前は、製品のマーケティング部門に所属しておりました。ビジネス上の目標 (売上数字など) を達成するためのビジネス戦略の立案から実行までを担当しておりました。

現在の仕事を選んだ理由

様々な企業が多くの投資をすることなく、最先端の AI や IT サービスを活用することを可能にすることで、より多くのことを成し遂げることができるようにする (昨日まで実現できなかった事を、今日実現できる) という世界・社会を構築したいと思ったためです。

仕事のやりがいは何ですか。

会社の中の複数の組織が連携し、大きな目標に向かって努力し、それを成し遂げたときにやりがいを感じます。会社の中では一人の力は限りがありますが、複数の人が連携することで、大きな力 = インパクトを出すことができます。このチームのインパクトによって、最終的に顧客の満足度が向上することができた場合は、一番のやりがいを感じることができます。

仕事の中で難しいと思うことは何ですか。

マイクロソフトはグローバル企業ですので、国内だけではなく海外の組織とも連携して働く必要があります。言語はもちろん、文化も違う様々な人とのコミュニケーションと意思疎通を図ることはしばしばチャレンジを伴うことがあります。
口語だけでなく、文書や PowerPoint のプレゼンテーションを交えて定性的に物事を伝える努力、および数字 (データ) を使って定量的に物事を伝える努力が必要です。数字 (データ)は万国共通ですので、コミュニケーション上とても力を持つことがあります。コンフリクト (意見が衝突) するような状況では、数字を使って説得するような策を講じることが有効に作用することが多いです。

今まで一番苦労したことは何ですか。

製品マーケティング部門に従事していた際に、設定された目標を達成するために、多くの組織と連携したり、多くのマーケティング施策を実施する必要がありました。達成するべき目標は高く設定されるので、常に新しい施策を次々に立案し、迅速に実行する必要がありました。また、複数の組織と連携する必要があるので、コンセンサス (方針の合意) を取る必要があり、稀に意見の衝突もありつつ、それを説得するための様々な準備が大変な作業になることがありました。
前述の通り、コンセンサスが必要な場合は、数字 (データ) を活用して意見衝突を回避する策を講じることが多いです。パッションだけでなく、時にはロジカルに目的指向をもって、人とコミュニケーションをすることが大事になることを学びました。

仕事への理念・哲学(仕事観)

パッション+ロジカル。
自分の担当している製品やサービスを顧客に使っていただくことで、その顧客がより多くのことを成し遂げることが可能になってほしいという強いパッションを持つことが大事だと思っています。
しかし、パッションだけでは、時に人を動かすことが難しい事があります。この場合は、目的指向をもったロジカルな思考が大事になります。組織の中には、目的と手段を入れ替えて考えてしまいがちな人が多く存在するのは事実です。しかし、顧客に満足していただく、という大きな目的を達成するために、様々な手段があるということを理解し、ロジカルに組織内で行動することが大事だと思っています。

高校生へのメッセージ・アドバイス

グローバル化が進んだ今日の社会では、より高いコミュニケーション能力と、目的指向のロジカル シンキング能力がとても重要になります。
コミュニケーションの武器としての英語という言語をきっちりと習得することが大事になることはもちろん、様々な文化の違いを受容できることはもっと重要になります。海外留学の機会があるのであれば積極的にテイクしてください。これは、言語能力をあげるという目的だけではなく、異文化に触れて自分の中の受容能力をあげるという目的につながると思うからです。
また、ロジカル シンキング能力をあげることに、何か特定の近道があるわけではないですが、常に今行っている行動に対してそもそもの目的な何か、本質的な視点から考えられるように意識できると良いと思います。常に、自分自身を俯瞰してみている自分自身がいるイメージをもつとわかりやすいと思います。その俯瞰してみている自分が、今どこ (= 目的) に向かおうとしているのか文字通り客観視するイメージを持てると良いと思います。

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