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ママンに送る詩(うた)

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天国に旅立った母に送る詩。 このシリーズでは、「贈る」ではなく「送る」という漢字を使いました。あちらの世界に行ってしまった母に詩や想いを届けたいという気持ちを込めています。 …
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記事一覧

ママンに送る詩㉟『天国の母さんへ』

母さん 元気ですか? あれから丸2年が経ちました 今日はあの日のことを 色々と思い出してい…

Y-0+S-1
1年前
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ママンに送る詩㉞『Where Has Our Flower Gone? ~母はどこへいった~』

旅のみやげを買ってきても おいしくない 好きじゃない ただ置き去りのまま もしもあなたがい…

Y-0+S-1
1年前
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ママンに送る詩㉝『25mの蜃気楼』

イチ、二、パッ 塩素のにおい イチ、二、パッ 90年代のJ-POP イチ、二、パッ 色褪せた壁の色…

Y-0+S-1
1年前
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ママンに送る詩㉜『仏間でチェリー』

おじいちゃん おばあちゃん おじさん かあさん 亡くなった家族の写真を見上げながら ひと…

Y-0+S-1
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ママンに送る詩㉛『桃色のお盆飾り』

朝に百日紅が花開く あなたの帰りを待ち侘びて 昼に裏庭蝉しぐれ しばしの滞在歓迎し 夕に…

Y-0+S-1
1年前
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ママンに送る詩㉚『骨とゆく旅』

妻と母との三人旅 それがぼくの夢だった 結婚後まもなく 母が亡くなり 一度たりとも叶うこ…

Y-0+S-1
2年前
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ママンに送る詩㉙『オモニカアサンニ』

夕暮れ時に外にでたら 近所のおばあちゃんが通りかかった 「あなた、本当にお母さんそっくりね」 久々にそう言われたよ 昔は母さん似としか言われなかったのに 最近は親父似としか言われない あなたがいつもそばにいてくれているみたいで なんだか嬉しい気分になりました 僕はこれからも 主に母さん似ということでいいですか? 親父似だけは勘弁してほしいからさ… 【あとがきのようななにか】 ここに出てくる近所のおばあちゃんは、御年88歳(たしか)。今でも元気に駅まで歩いて買い物

ママンに送る詩㉘『母のち仏』

去年は死んでしまったことが信じられなかった 今は生きていたことが信じられない あなたのよう…

Y-0+S-1
2年前
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ママンに送る詩㉗『命の日』

母さん 今日はあなたが死んだ日 家族であなたを看取った日 人生で一番悲しかった日 あなたが…

Y-0+S-1
2年前
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ママンに送る詩㉕『春の夜風が運ぶもの』

春の夜風が運ぶもの どこかに咲いた沈丁花の香り 春の夜風が運ぶもの あなたを亡くした日の記…

Y-0+S-1
2年前
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ママンに送る詩㉖『大きな桜の木の下であなたと私』

桜が咲きはじめていた 近所の小学校の校門には 国旗が掲げられている どうやら卒業式のよう…

Y-0+S-1
2年前
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ママンに送る詩㉔『梅と嘘』

「病院に連れて行ってほしい」 あの日も庭の梅がキレイに咲いていた 去年の今ごろ あなたは…

Y-0+S-1
2年前
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ママンに送る詩㉓『換気扇は止まらない』

紐がちぎれて 換気扇が止まらない ごおごおごおと その音だけが鳴り響く タバコを消して 紐…

Y-0+S-1
2年前
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ママンに送る詩㉒『ブッサイクなブッカ』

仏壇に供えた橙色の百合の花 ほかのつぼみは元気に咲いたというのに ひとつだけ咲かずにしなだれてしまった 元気な花はやがて散り しなだれたつぼみがひとつだけ残った 枯れた葉っぱを取り除き 花がらを積んでもなお つぼみはやっぱりしなだれたまま このまま咲くことはないのかと あきらめかけていたら けさ しなだれたまま 力強く咲いていた 「ブッサイクに生きたっていいじゃない」 そんな風に うつむきながらも明るく 僕の背中を押してくれた気がした… 【あわせて読みたいかも】