24/6/26 📚『覚悟の論理』安芸高田市長 石丸伸二氏


本書の概要

本書は、2020年8月、広島県安芸高田市長に就任し、居眠りをする政治家に対し「恥を知れ、恥を」など、忖度なしで理路整然とした発言をすることで話題を呼んできた若手政治家、石丸伸二氏の本である。本書には、どうすれば石丸氏のように、正しい道に向かい、覚悟をもって進むことができるか、という内容が書かれている。

印象に残ったこと①覚悟には戦略が必要

本書を読む前、「覚悟」というと、私は無理を承知で思い切って飛び込む、というイメージであった。怖いけれど、とにかく一歩踏み出してみること、それが「覚悟」の意味であると考えていた。

しかし本書には、「戦略のない覚悟は無謀」と書かれている。自分ならできる、という道筋を描けないのであれば、それは思い込みだという。
何かに挑戦して成し遂げるためには、「こうなりたい」というビジョンと、「こうすればできる」という戦略の、両方が必要である。
勝ち目がなければ勝負しない、という考えは、孫子の兵法にもでてきたものである。

印象に残ったこと②人を動かす方法

人を動かす方法として、2つが取り上げられている。

1つは、「生き様」とのつながりをつくること。ほとんどの人は、自分という人格、仕事、人生にプライドをもっている。石丸氏は市長として市の職員に語り掛ける際、これから行うことが、一人一人の人間として、プロフェッショナルとしてのプライドに関わるものであることを、伝えたという。すると、職員たちは大変な道のりと分かりながらも、ついてきてくれた。

もう1つは、現状を腹落ちするまで理解してもらうことである。呑気に見える人でも、危ない現状を正しく認識すれば、行動を起こさなければならないと考える。石丸氏は市民に理解を得るために、数字を効果的に使い、現状や、それによって引き起こされる未来、今の行動によってどう変わるのか、といった点を根気強く説明した。

印象に残ったこと③罪を憎んで人を憎まず

感情的になるとつい、人を憎みたくなってしまうが、敵にしなくてもいい相手を敵にしてしまったり、議論が進まず、判断を誤ることにつながってしまう。
どんなときでも、踏み外さないよう意識することが大切である。


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