[読書感想文]松浦弥太郎の新しいお金術
うちの夫は「貧乏でないと人間ダメになる」と言います。
そう言われると、正直、めっちゃ不安です。
とにかくうちにはお金がないので、私なりにお金系の本を読んだりして勉強していると、夫に「またそんなしょうもないの読んで」と呆れ顔されます。
結構ショックです。
『老後2000万問題』などで社会は「お金貯めてないと将来不安ですよ〜」って感じで煽ってくるし、ネットは財テクとかのギラギラした情報で溢れかえっていてちょっとヒくし、一方で30代にもなると友達はそれなりに稼いでいて、「実家のローンは完済した」とか「IDeCoはじめてる」とか言っているし、それらの情報をまともにくらってしまうと、余裕資金のない我が家は自尊感情がズタズタになりがちです。
そんな私を安心させてくれ、希望すら見出すことができた本を今週はご紹介しようと思います。
お金系の本によくあるテクニック重視の内容にあきあきしている人、派手に稼ぎたいわけではないけど、お金ときちんと向き合いたい人に是非読んでいただきたい一冊です。
以下、本に書かれていることを引用しながら、感じたことをまとめていきます。
1、「お金は血液」
お金は血液と同じように、きちんと流れてこそ健康を維持できると書かれています。無駄遣いではなく、血の通った使い方ができているか、一度自分に問い直してみましょう。
支出は「消費・浪費・投資」のいずれかに分類できるそうです。
以前「次乗るのはどんな車がいいかなあ」と夫と雑談していたときのこと。単なる夢物語として、輸入車なんかの名前を出していた私に夫がバッサリ。
「どんな車に乗っているか、案外人に見られているよ。」
さすが、貧乏好き(!?)の夫です。
その時は、人の目気にしてなにヒヨッてんの?とか柄の悪いこと思ったものでしたが、今となっては理解が違います。
「人からよく見られたい」「素敵な車に乗っていて良いなと人に思われたい」という意識で車を購入するのは、自分のことしか考えていない、まさしく浪費に当たります。
しかし夫は「周りの人と良い関係性でありたい」という視点だったのでしょう。
このように同じ買い物でも意識や考え方によって、お金の使い方や活かし方が全く異なってくるのです。
お金の使い方だけでなく、生活のすべてにおいて「一つ一つの行為を意識してみる」ことがとても重要なのだと教えられました。
2、「年代にふさわしいお金プランを」
本書にはそれぞれの年代に望ましいお金との付き合い方が具体的に記されています。
簡単にまとめてみるので、是非自分の年代と照らし合わせてみて下さい。
20代:自分に投資
種まきの時期 お金は使うので貯まらない
30代:蒔きながら育てる
まだ使うことの方が多い
40代:はじめての収穫
収入や貯金を増やすことを考える お金との付き合い方について一度点検・分析する時期
50代:コンスタントな収穫
お金を稼ぐサイクルが完成
60代:還元する
お金を私物化しないよう循環させていくことに注意を払う
いかがでしょうか。
私が安心したのは特にこの章を読んだときです。
「30代でまだお金がなくても大丈夫なんだ」と思えました。
蒔きながら育てる、というのは私の生活にもぴったり当てはまります。
20代後半で子供を産み、働けない時期があったこと。同時期に自営業を開業したこと。
今までお金が無いという所ばかりに目が向いていたけれど、少しずつ確実に育っているものがあることに気づきました。なんならちょっと嬉しいくらいです。
だからといって漫然と日々過ごして良いのではなく、来たるべき次の年代への備えをするべく、日々精進していく必要があります。そしてそれは、ちょっと楽しい気がしています。
3、資産はお金だけでない
本書にはたとえお金を失ってしまっても、「友達と知恵さえあれば大丈夫」
と書かれています。
これは、本来大切なものは目に見えるものではなく、目に見えないものを大切にした結果ついてくるのが目に見えるもの(お金 / 財産)という意味なのではないでしょうか。(意味不明)
私達は目に見える形でのお金に気が向きがちです。そして、その方が楽なのです。
しかし、私のもっている資産はお金や家や車だけではありませんでした。
今まで得てきた知識、経験、周囲の人との関係性・・・
その全てが私の資産です。決して数字に換算することはできないけれど、それらがお金を連れてくることもあるし、逆にお金のせいで失ってしまうことだってあるのです。
これがわかると、単にお金のあるなしや見た目や地位や名誉で人と自分を比べるのが馬鹿らしくなってきます。
小手先だけの財テクでお金をいじって満足するような人間にはなりたくないので、今はお金が無いけれど、必要以上に卑下する必要は無いな。と思い、とてもスッキリとした心持ちです。
4、最後に
わかったような、わからないようなまとめでしたが、いかがでしたでしょうか。
「お金持ちになりたい」という夢はみつつ、実直に生きていくしかなさそうです。
また月曜から清々しく仕事しようではありませんか!
ここまで読んでくださった方がいらっしゃれば勇者です。
ありがとうございました。
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