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事業づくりで怖いのは、間違っている完璧なアクションを取ること、あるいは気合と根性の話

こんにちは、LayerX CTOの松本です。趣味は異世界転生です。ソードアート・オンラインの新作映画が公開されてテンションが上がっています。すでに一回見に行きましたが、何度か見に行きたい。

さて、普段非常に重めな、真面目なコンテンツを書くことが多く、ともするとLayerXって気難しい会社なのかなぁなどとお感じになる方もいらっしゃるのでは、と危機感を抱いており、本日はがむしゃらにやることの話を書きたいと思います。

※ちなみに本記事は【LayerX Advent Calendar 2021】の40日目の記事になります。

量は質に転化する

事業を営むにあたり、常に未来を見通し、完璧なロジックの元で全てを推進できれば最高なのですが世の中そうもいきません。LayerXでも、未知に向き合い新たな事業を作ろうとする中で、どこに向かうべきか全くわからないことも多々あります。

知識が不足すれば、いかに考えても答えが出ないことがあります。また、実際に相対するパートナーの声を聞かねば分からないことも沢山あるでしょう。事業の成長につながる正しい方向を見つけるには、手元の材料が全く足りないということも多々あります。

考えて考えて考え抜いて、それでも答えが出ない、そういう時は、考えることをやめる、がむしゃらに振る舞うことも大事です。量は質に転化する、という言葉もありますが、考え抜いても方向性を絞り込めないならば、まずは沢山の行動から様々な知識を得て活路を開かねばなりません。

LayerXでも日々そういった事態に出くわしては、とにかく数をこなしてみる、というアクションで改善を図ることが多々あります。共同代表の福島や自分も結構がむしゃらに動いてみる、というのは大切にしています。

なんだかんだ、ここは気合なんですね。Fact Baseに行動するために、気合で沢山の情報を足で稼ぐ、これで切り開ける局面は思った以上に多いように思います。もちろん、考え抜いた先にやるアクションですが。

100社と面談してニーズを探る

例えば、LayerXインボイスのリリース前、福島は何を作るべきかという点でずっと悩んでいました。Blockchainから新たな方向へ舵を切り、SaaSとして、ストックされる事業として確立していかねばならないが、その方向性がぼんやりとしている、という状況だったのです。

そのタイミングで福島やチームメンバーが取ったのは「とにかく100社、紙芝居でもいいから仮説を持ってヒアリングしていこう」という、とりあえず量を取る方向性でした。といっても、100社ヒアリングするには調整など含めれば相応の時間がかかるアクションです。1社1時間お話をするだけでも、どんなに予定を詰め込んでも1ヶ月はかかります。

ですが、この時は熟慮よりもとりあえず行動、気合で聞いて回って事実を獲得することに振り切りました。これはアクションとして正解だったと思います。

事業づくりで怖いのは、ニーズのない完璧な製品を作ることです。特に、燃え上がるようなニーズ、バーニングニーズを確認するには顧客と会っていくしかありません。100社と会話する中でだんだんとその仮説を尖らせ、最後に残ったのが請求書処理SaaS、LayerXインボイスだったというわけです。

福島は、ともすると冷静沈着でロジカルなリーダーと見られることも多いのですが、中身は案外と熱い、仲間想いの熱い人間です。このときも100社のヒアリングを先頭に立ってひたすら進めていました。根性が必要なときは徹底した根性を見せるのがいいところだなと長く一緒に仕事をする中で思っています。

こうした気合と根性の100社ヒアリングが今のLayerXインボイスの事業仮説につながった、というのは、やはり時に行動量がものを言うときがあるのだなと感じる次第です。

50人と面談して複数のアクションを生み出す

また、別な話として採用についての話があります。8月ごろ採用に悩んでいた我々はとにかく打開策を見つけていかねばという状況でした。(今もとても悩んでいますが。)

弊社の人事担当の石黒は、ちょいちょい新しい人事サービスがあると試しては活用していくタイプの人間なのですが、この時、その中で触っていたmeetyが活路を開くきっかけとなりました。meetyは最近だいぶ知名度が上がったように思いますが、カジュアル面談調整ツールです。簡単に気になる人がオープンしているカジュアル面談に申し込みテーマに沿っての話ができるサービスです。

このサービスを採用定例で取り上げ、今の我々に足りないのはアクションだということになり徹底して人に会おうと決めました。とにかく施策だけは色々並んでいたものの、課題認識が漠然としているというか手触り感が曖昧というかそんな状況だったのです。ですので、とにかく生の声に触れようということになりました。

そこからは全社挙げて徹底してmeetyを活用しています。様々なメンバーにカジュアル面談のページをオープンしていただき、窓口を揃えました。

また、そのときは自分が率先して人と会っていこうと決め、数週間でおよそ50人とマッチして面談しています。一回30分の面談ですが、とにかくこれを予定が許す限り詰め込み、人と話してきました。

様々な人にお会いし、今のLayerXに足りないこと、持っているイメージなど伺う中で、段々とLayerXとしての発信の方向性、やるべきアクション、どのような点を魅力と感じて頂けるのか、率直なフィードバックをいただくことが出来ています。

このカジュアル面談ラッシュがきっかけとなり、例えば情報発信の整理の一環として最近EntranceBookの刷新が行われました。LayerXという会社は発信が多いが、ボリュームが多すぎてどこから見ればいいかわからない、古い記事も新しい記事もたくさんあるため、Blockchainコンサル時代の記事に当たることもしばしばだった、そうした声を受けてのアクションです。整理された、「ここを読めばLayerXについてわかります」を実現するべく実験的でもいいからやってみよう、がこのEntranceBookでした。

また、ジョブディスクリプションの細分化などもそうして生まれたアクションの一つです。「自分が働ける会社」というイメージが持ちづらいということで、どういったポジションがあるのか、どういった働き方なのかなど明確になるよう丁寧にジョブディスクリプションを細分化し公開させていただきました。(ちなみにその数40を超えています!)

この他にも面談の仕方やリファラルやイベントに関するアクションなど様々なものがmeety経由で得られたインサイトから生まれたように思います。

採用についてはまだまだ思ったように改善できていませんが、少しずつ改善されてきたように思います。とにかくたくさんの人と会う、情報を集めるという気合と根性のアクションから得られた情報を整理し、結果としてこうした施策につながってきてます。

LayerXは天才集団じゃなく、努力好き集団

これら2つのエピソードだけでなく、とにかくLayerXのメンバーは努力好き、最後は気合と根性となったらとにかくそれを頑張る、というメンバーが多いように感じています。

研究開発の天才集団、というように言われることもありますが、どちらかというととにかくその時必要なことを、努力して実行して正解にしていく、そういう活動に楽しみを覚えられる仲間がいることで、この顧客志向な文化や爆速開発、未知の分野でも事業を作っていく力が生まれていると言っても過言ではありません。

ぜひ、一緒に学び、より良いプロダクトを届けていきたいという方にLayerXという会社を知っていただきたいです。少しでも興味のある方、こちらからカジュアル面談やジョブ・ディスクリプションを見ていただければと思います!



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