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カナダ:-40℃の極北の町へ①

2011年秋。

アフリカはガーナ共和国。

NGOでの実地調査のため立ち寄った辺境の村の宿泊所。

21歳になったばかりの彼はベットの上でのたうち回っていた。

壁にかかった絵の中からこちらを見下ろす黒人の少年と目があう。

天井のファンは故障しているはずなのに回っていて、高熱でめまいを起こしていることに気づく。

この数日、30分おきに高熱で気を失い、吐き気で目を覚ます、というのを繰り返している。

マラリアに罹ったのだろう。

外は40℃を超える灼熱の季節なのに、震えと冷や汗が交互に襲ってくる。

「これは、死んだかもしれない」

ふとそんなことを考える。



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