目標を達成し続ける人になる(前編)
2023年3月、139日の挑戦でフルマラソンを完走しました。
2022年には、国家資格である中小企業診断士に合格して活動を始めていますし、自分で目標を決め、着実に達成していく習慣が身についてきたと感じる最近。
周りからも「どうやったらそんな風に目標を決めて、次々と達成し続けられるの?」と聞かれることが増えてきました。
そこで今回は、私が目標を達成できる人に変わった大きなきっかけと、その教訓をご紹介します。
合言葉は「あなたは、船に乗っているか?」です。
「船に乗る」との出会い
私が仕事で大きな失敗をしたのは26歳のときでした。ヨガのイベントやセミナーを主催する会社に入社して半年ほど経った頃、「そろそろ自分で企画してやってみな」と上司Mさんに言われて、初めての企画をすることになったのです。
Mさんの指示は以下のとおり。
会場は自社のスタジオを使用
使える時間は9:00〜17:00まで(18:00〜は夜のレッスンが開催されている)
ヨガレッスンを企画し提供
ターゲット選定から考える
レッスン担当のヨガインストラクターは同い年のRちゃん(私と仲良し)
企画から集客まで、私とRちゃんの2人で一緒に考える
私とRちゃんは「一緒に考えて、一緒に集客して頑張ろう!」と気持ちを一つにしてあたりました。
考えた企画のターゲットは、幼稚園の子どもを持つ近隣に住むママ層。子どもを幼稚園に預けている時間帯に、リフレッシュしてもらえるヨガレッスンをおこなう企画にしました。
平日の夜にはレギュラーレッスンを開催していましたが、昼間のレッスンをしていなかったため、毎週火曜日の11:00〜12:00のレギュラーレッスンとして定着したらいいなと思ったのです。値段も安めの1レッスン1000円で都度払い可能です。
近隣にほかのヨガスタジオはなく、「ヨガレッスンの存在を知ってもらえれば来てもらえる」と安易に考えていました。webサイトで告知し、スタジオの前にフライヤー(チラシ)を設置しました。
が……蓋をあけてみると大失敗。全然人が集まらなかったのです……。
初回レッスンで人が集まらなかった時、私とRちゃんは「もっと知ってもらう方法を考えなきゃいけないのかな?」と話し合いをして、ターゲットである「ママ」がいそうな場所を探し、フライヤーを近所の幼稚園で撒いてみました。その結果、数回、生徒さんが来てくれましたが、なかなか継続にはつながらず、0人の日が続きました……
ヨガレッスンの集客は、企画内容(値段設定、フライヤーなどの販促物作成や告知期間)と、レッスンを担当するヨガインストラクターの魅力・知名度のかけあわせで成果が決まります。
企画失敗が濃厚になってくると、企画者である私は、ヨガインストラクターRちゃんの知名度不足が主な原因であると考え、Rちゃんは企画者である私の力不足を主な原因ととらえるようになっていました。「自分だけの責任ではない(どちらかといえば、相手のせい!)」とお互いにとらえていたのです。
そして生徒数が0の日が3回ほど続いた頃には、もう2人共、打つ手がなく、見て見ぬふりをする感じで「あー、今日も0だったね……」で終わるようになっていました。その時の私とRちゃんの中には「もう終わらせたいよね……でもMさんには言えないし、怒られるだろうなぁ……」といった逃げ腰な気持ちがありました。
それを察したのか、私たち2人はMさんから呼ばれました。
怒られるかなーと思っていたら、上司から言われた言葉がコレでした。
「かやとRさんは、船に乗っていたか?」
船員が100人集まっても船は迷子になるだけ
「船に乗っていたか?」
という突然の言葉に、私の頭の中は「船って言った?この人今、船って言った?船には乗ってないでしょ? ここは陸だし!」…と思っていたかどうかは覚えていませんが…、頭のなかにハテナが浮かんでいることを、上司は察しました。
そして、
「これからは『船に乗っていたか』を合言葉にしよう」
と言い、絵を書きました。
「船を動かそうと思った時に100の力がいるとする。多くの人は、10人集めて、1人が10の力を出して、合わせて100の力で船を漕ごうとする。でもそれでは船は動かない。誰も船には乗り込んでないんよ。」
「10人のなかでたった1人でいいから、船に乗り込んで100の力で船を動かそうとする人が必要なんだよ。それ以外の9人は1でも0でもいい。誰か1人が船長になって船を動かさないと船は動かないから、覚えておいて」
この言葉を言われて考えてみました。
私は、この船(Rちゃんとの企画)で、目的地(固定客がついてレギュラーレッスン化まで)自分の力で何がなんでも動かそうと思っていただろうか?
そう自分に問うと「YES」とはとても言えませんでした。
上司から「そろそろ自分で企画を考えてみたら?」と言われて
ヨガインストラクターは上司からの指示で決まっていた
スタジオの使える時間も限られていた
なかなかお客さんも集まらない
その結果、「忙しい中でなんでこんなことしなきゃいけないんだろう……」という気持ちが段々と大きくなってしまったのです。
そして、結果的にお客さんが集まらないことから目を背け、責任に蓋をしようとしていた自分に改めて気づきました。
10人が集まって10の力を出し合って100にしても、船長がいない船は、どちらに進めばよいのかを決められません。全員が好きな時に好きなだけ関わっている状態なので責任をとる人もいません。船が動き始めても海路を失って迷子になるだけなのです。
1人でいいので船長がいて、全力で目的地に向かって動かそうとすると、少しずつでも必ず船は目的地に向かって進む。Mさんが教えたかったのは、そのことでした。
それ以降、何かを始める時や選択を迫られた時には、「私は、本当にこの船に船長として乗りたいだろうか? 乗る覚悟はあるだろうか?」と考えるようになりました。
以下で、その問いを自分にもっとも深く投げかけた、最近の経験を紹介します。そして、「船に乗る」のとらえかたを、より深く解説していきます。
ここから先は
¥ 300
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?