マガジンのカバー画像

〔短編集〕細胞膜を超えて

8
宇宙構造をテーマにしたSF短編集
運営しているクリエイター

2020年8月の記事一覧

細胞膜を超えて

細胞膜を超えて

河川敷に腰掛ける中学生2人
A「あんた塾は」
B「さぼり」
A「殺されんじゃん」
B「それな」

B「宇宙ってどこまであると思う」
A「どこまでも」
B「考えろよ」
A「考えたよ、ないんじゃない?境なんて」
B「あるだろ」
A「なんでわかんだよ」
B「ないとも言い切れないだろ」
A「…うん…?何急に」
B「いや、そういう本読んだんだよ」
A「宇宙の本?」
B「そんなかんじ、宇宙の真理、てきな」
A

もっとみる

非出産主義者の大罪性について

宇宙は生き物の細胞である。
という説がある。
人間の体を成り立たせる細胞の1つ1つが宇宙であり、また私たちの存在するこの宇宙も何者かの体細胞である。という説。
物理的入れ子の構造をもつこの説に時間的な入れ子構造を付け足す。すると。
私の細胞が死ぬ。と。私も死ぬ。と。私のいる宇宙が死ぬ。と。その宇宙を細胞としてもつ生き物もしぬ。
逆に赤子が生まれれば数多の宇宙も同時に誕生する。

では細胞。ではなく

もっとみる