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西洋医学の問題点

西洋医学のメリット

最近、伊藤義晃さんという方が書いた書籍で「身体構造力〜日本人のからだと思考の関係論〜」というものを読みました。

現代の医学の問題点や、東洋医学の問題点だけでなく、社会に対する捉え方などを「からだ」を軸にして書かれており非常に勉強になりました。
まだまだ今の私では理解できない部分もあるので、また読み返したいと思える内容でした。

参考文献も非常に多く、その中から気になるものを何冊か購入したので、さらに深く理解できるようにしようと思っています。

今回はその中の内容から一部をアウトプット。

現代医学(西洋医学)の問題点について書きたいと思います。

ただ、西洋医学を否定しているわけではありません。
これまでの歴史を遡れば、西洋医学が多くの成果をだしてきている部分があるのは間違いありません。
その中でも、最も素晴らしいのは外科的治療です。

ちんみに東洋医学などの伝統医療では「気」の流れなど、全身から局所への影響をみる視点に優れていますが、外傷や血栓など局所に問題が起こったときの対処に弱かった。

だから戦時中など、兵士が一命を取り留めるのに西洋医学的観点での外科的治療はものすごく効果的でした。

その他にも脳や心臓、または癌など手術方法などの発展によって多くの方の命を救うことができています。

しかしその一方で、まだまだ解決の難しい病なども多く存在します。
結果、対症療法的に薬を処方されているだけのものなど。。。
高血圧、アレルギー疾患、糖尿病などの生活習慣病、パーキンソン病などの難病疾患、、、

これらは、症状を抑える薬は開発されていても、治す薬というのはまだ存在しません。
このあたりは伝統医療などとのハイブリッド的な視点があると、解決できそうな問題もあるんです、、、

だからこそ、西洋医学のメリットは最大限に活かしつつも、まだまだ解決できない問題点にも目を向けていく必要があります。

そうすることで、より多くの人が病気や不調で苦しまずにすむ世の中になっていってほしいと願っています。


医学は宗教ではない

医学という学問は、他の学問に比べて生命を預かるという要素が強いです。
横からの意見を聞き入れないという独特な傲慢さがあったことが過去の歴史からもわかります。
このような状況から医学はどこか、「宗教的」などと揶揄される方もいます。

有名な事例で「脚気」という病気があります。

オリザニン(ビタミンB1)を世界で初めて結晶化し、脚気から世界を救った鈴木梅太郎博士という方がいます。

鈴木博士の研究に、当初の東京帝国大学医学部は全く理解を示そうとしなかったそうです。
その理由は、彼が医師ではなく農学部出身の農芸学者だったからだそうです。

オリザニン発売後、医学会がそれを認めて使用するまでに8年もの期間がかかったそうです。


また当時、脚気の原因が細菌であると唱えていた東京帝国大学医学部教授の緒方正規氏の研究に対して、細菌学者の北里柴三郎博士がドイツの研究所で「原因は細菌ではない」という結論をだしたところ、、、

東京帝国大学医学部と対立関係になり、帰国後に行き場を無くしたそうです。
その話を知った福沢諭吉氏がのちに北里博士を援助し、研究者としての活動の場を得たとか、、、

このような話が書籍には書かれていて、近年でも「〇〇細胞はあります」など発言した方が居場所を失ったり、自殺する方がいたりという事件もあったことを思い出しました。
真相はわかりませんが、まだまだ医学会には排他的なところがあるように感じます、、、


さらに「構造医学」というもの提唱している物理学の研究者である吉田勧持博士(物理学士、理学博士、医学博士)もこの様な問題について触れています。

関節の治療や軟部組織の損傷における処置だけでなく、脳の疾患、神経疾患などの治療方法の選択について、工学的観点からみれば少しおかしいのではないかと発言すると、「人間は機械じゃない」「生体に対する理解が浅い」などと罵られ、無視されることもあるそうです。

確かに生体は機械ではありませんが、一つ一つの構造に対しては物理の法則に忠実な部分もあります。

すべてを脳や神経の問題として考えてしまったり、一部の関節の痛みをその部分の炎症や気質変化の問題だけで終わることこそ認識が浅いのではと吉田氏は言っています。

実際に、湿布や消炎鎮痛剤が処方されるだけで、何ら有効な処置をしてもらえないよいう不満は現在でも良く耳にします。

EBM(evidence Based Medicine:根拠に基づく医療)に対する全能感も関係して、構造の歪みが原因として考えられる疾患に対しても薬剤の処置ばかりが行われ終了してしまうということもざらにあります。

医学は宗教ではありません。
ぜひ、他の分野からも活かせるものは柔軟に取り入れて、多くの方を救える世の中に発展していってほしいと切に願います。


薬だけでなく、身体の構造にも目を向けて、、、

前述した吉田勧持氏の構造医学は、私がこれまで西洋医学、東洋医学について学んで、疑問に感じていた部分が腑に落ちる感覚があります。
(※東洋医学の問題点は次回更新予定)

まだまだ構造医学についての書籍は読み進めている途中で、近いうちにアウトプットしようとは思っています。
今回は詳しくは触れませんが、シンプルに表現すると、骨格構造は私たちの性格形成や脳や神経の働きにも大きく影響しています。

そして、本来ヒトが持っている自然治癒力は私たちの構造、そして「重力」が重要になっているのです。

進化の過程で私たち人間の骨格はどう変化してきたのか?

脊柱の湾曲、胸郭の形状、骨盤、内臓の位置など
魚類→四足獣→サル→ヒトとなっていく過程で私たちは二足歩行をするのに適した骨格をしています。

これは環境に適応した結果、進化として捉えられていますが、逆に私たちの生活習慣が原因で、退化しているかのように環境に適応し骨格構造が変わったりもします。

例えば、水泳選手は水中で過ごす時間が長く、魚類の様に脊柱の棘突起が大きくなって、体を反るような動きの制限が強くなったりします。
また、座りっぱなしの姿勢など腰椎の前腕が少ない状態の生活を続けていると脊柱のアライメントが代わり、サルのような姿勢で歩く(高齢者に多い歩容)ようになってしまいます。

さらに、骨格によって内臓の位置関係が変わるので、重心の位置がずれてしまってバランスが取りにくくなり、それを力で修正しようとするので関節への負担が増大したり、内臓の機能が低下してさまざまな疾患の原因になったりします。

“機能は構造に由来する”

私の尊敬するスポーツトレーナーの方が言われていた意味がようやく理解できてきています。

今回は構造医学の部分はまだまだ理解が浅いので誤解を招くような表現があったら申し訳ありません。
構造医学はさらに深く勉強していきますので、もう少しわかりやすく、適切な表現ができるようにしていきますね。


なぜこの構造医学的な視点が今の西洋医学において採用されていないのでしょうか?

この構造と治療に関してEBMは、その人の性格、仕事、年齢、人種、生活習慣、文化など個人個人で違いすぎて定量化できません。
つまり、エビデンスレベルの低い論文になってしまうのです。

その反面、薬剤はエビデンスレベルの高い論文を作成しやすいので、薬剤の処置が中心になっていると考えられます。

EBMによって多くの方を救えている事実、恩恵はありますが、EBMがないからと排他的な考え方も医学会ではあります。

加えて、骨格構造を整えるというと多くの人が「整体」をイメージすると思います。
この「整体」業界も、本当に素晴らしいゴッドハンドのような人もいれば、怪しい技術や誇大広告をしている人もいるので、そのような人たちのせいでさらに根拠がないとか言われてしまう部分もあるのだと思います、、、

構造の歪みなどがEBMでは難しいという事実がありながらも、今の西洋医学で治せないような人たちを救うための大きな可能性もあります。

他を排他的に捉えるのではなく、いろいろな分野の良い部分を統合して、多くの方が「元気に、自分らしく人生をまっとうできる」ような世の中になっていけたらいいな。

まずは、自分自身が「怪しい側」の人間にならないように、さらなる成長をしていきます。

お読みいただきありがとうございました。


謙虚・感謝・敬意
知行合一・凡事徹底
岩瀬 勝覚


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