烏口突起に付着する組織
今回は解剖学の整理。
私自身の結滞動作制限が強いので、改善していくために肩関節周囲の筋肉だけでなく靭帯も再確認しようと思いました。
そこで、今回は肩甲骨の烏口突起に付着する筋肉や靭帯についてまとめます。
烏口突起に付着する筋肉
烏口突起に付着する筋肉は3つです。
上腕二頭筋(短頭)
筋よりも腱で圧痛所見が見られやすい。
特に烏口腕筋との共同腱部である烏口突起付着部は重要。
小胸筋
腕神経叢と鎖骨下動・静脈が通過しています。
デスクワークなど背中を丸める姿勢が多いと小胸筋が短縮しやすいです。
烏口腕筋
烏口腕筋の筋腹中央部で筋皮神経が貫通している。
筋皮神経の知覚枝である外側前腕皮神経により前腕外側部は支配されている。
烏口腕筋が伸張される、肩関節伸展や外転で前腕外側部に痛みを訴える例では、烏口腕筋へのアプローチが有効な可能性がある。
烏口突起に付着する靭帯
烏口突起に付着する靭帯は3つ(4つ)あります。
烏口肩峰靭帯(CAL:coraco acoromial ligament)
肩甲骨同士を繋ぐ靭帯なので、他の靭帯と違い直接的な関節運動の制御はしていない。
第2肩関節で重要な烏口肩峰アーチを構成する。
烏口肩峰アーチの直下には肩峰下滑液包が存在する。
棘上筋腱を上から抑えることで腱板の支点形成力を高めています。
また骨頭の上方偏位を制御しています。
烏口鎖骨靭帯(CCL:coraco clavicular ligament)
円錐靭帯、菱形靭帯を合わせて烏口鎖骨靭帯と呼ぶ。
C–Cメカニズム:
肩鎖関節と胸鎖関節の関節運動を調節する機能のこと。
①鎖骨の挙上防止
②肩甲骨の懸垂作用
③棘鎖角の制御
コンタクトスポーツなどで起こる肩鎖関節脱臼では、重症度によっては肩鎖靭帯だけでなく、烏口鎖骨靭帯も損傷しています。
烏口上腕靭帯(CHL:coraco humeral ligament)
肩関節拘縮の病態は、CHLを中心とした腱板疎部の瘢痕化と癒着を起こしやすい。
腱板疎部:棘上筋の前部線維、肩甲下筋の上部線維、CHL、上関節上腕靭帯(SGHL)によって構成されたスペース。
内旋で拡大し、外旋で縮小する。
腱板疎部周辺は滑膜に富み、周辺の炎症に波及しやすい。
腱板は5層構造で構成。CHLが棘上筋、棘下筋を覆っている(1層、4層)。
CHLの短縮は、外旋可動域の制限や上腕骨頭の後方または下方への移動を制限して、肩峰下インピンジメントを誘発する。
終わりに
烏口突起に付着する筋肉、靭帯を整理すると肩関節の機能に重要な組織ばかりですね。
個人的には筋だけでなく、靭帯の理解が乏しかったなと感じています。
自分自身の関節の動きが悪い方向や部位の解剖学的理解がまだまだなのでこうやってまとめることでアップデートしていこうと思います。
お読みいただきありがとうございました。
謙虚・感謝・敬意
知行合一・凡事徹底
岩瀬勝覚
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