2022年まとめ ~印象に残った音楽・ライブ~

2022年は変化の年だったように思います。
コロナによる行動制限が大きく緩和され、3年ぶりに開催されたロックフェスが本当に多かった!
そんな状況と、各バンドのアニバーサリーイヤー等々が重なったこともあり、ここにきて自分はなんと、ライブ・フェスの参加数が年間で計53本と、過去最高記録に到達しました。
時期的な偏りはあれど、平均すると週1でライブに行っている計算になります…(笑)

そんな変化の1年をやはり振り返らないわけにはいかないと、今年も超個人かつ自己満にですが、2022年の音楽を15作品(形態問わず)・15ライブ(ワンマン/対バン/フェス問わず)ずつ振り返っていきたいと思います。

作品の形態を問わずとしているのも例年通りの独自のまとめ方ですが、今年は特に、2023年6月29日に解散することが決まったBiSHが12ヶ月連続でシングルをリリースしていたり(間違いなく上記のライブ53本にも一番大きく寄与しています!)、アルバムをリリースしていないアーティストがいたりという状況にも対応できるため、この形をとっています。

それでは今回もそれぞれ特に順位はつけずに時系列で紹介していきます!

●2022年印象に残った音楽作品15選

①BiSH「FiNAL SHiTS」(1.12)
BiSH12ヶ月連続リリースの第1弾は、いきなりクライマックスかのように、"いつか終わりは来ちゃうから 後悔しないように"というメッセージから始まる曲『FiNAL SHiTS』。でもこの曲から2022年がスタートしたからこそ、心構えをして1年を始められた気がする。カップリングの『NOT FOREVER』もまた歌詞とメロ、メンバーの歌唱が総動員で泣かせてくる名曲。


②Aimer「残響散歌/朝が来る」(1.12)
アニメ「鬼滅の刃 遊郭編」を彩ったOP&EDテーマが両A面となったシングル。特に『残響散歌』はAimerのしっとりしたイメージを塗り替えるような力強く派手なナンバーで、歌詞の言葉選びも物語とリンクしていて流石。


③緑黄色社会「Actor」(1.26)
"誰だってneed youだ"というフレーズが印象的な『キャラクター』、この曲に元気をもらった人も多いのではないでしょうか。いろいろな物が多様化していく今、特に心が折れそうだったここ2~3年を経て、全ての人を尊重し肯定するようなメッセージが本当に嬉しかった。久しぶりに各地で開催されたフェスでたくさん聴けたのも象徴的。他にも『merry-go-round』『S.T.U.D』などなど、改めてリョクシャカはロックバンドだ!と言わしめるような、ライブ映えする曲もたくさん。


④SUPER BEAVER「東京」(2.23)
表題曲『東京』はTHE FIRST TAKEにて先行して、ちょうど前述の緑黄色社会・長屋さんとコラボで歌われたのも印象的だったけど、バンドとしても満を持して出されたかのような、"東京"を冠した曲。だけど、SUPER BEAVERにとってはそれがたまたま東京であって、それぞれの街を当てはめてもらえたらとのこと。他にも「東京リベンジャーズ」の映画主題歌としてビーバーの名を知らしめた『名前を呼ぶよ』といった曲はもちろん、個人的にはラストに収録されている『最前線』が"行け 行け 行け"と、物凄く力強く優しく背中を押してくれて大好きな曲。


⑤サカナクション「アダプト」(3.30)
昨年から先行して始まっていたプロジェクト「アダプト」の集大成となるアルバム。通常のサイクルを逆転させ、配信ライブ→リアルライブ→アルバムという順番で進んできたことで、ライブで育ってきた曲たちが並ぶ。そしてまたそれらを聴くと、ライブに行って踊りたくなる!という無限ループ。特に『ショック!』はクセになる。2022年半ばから活動はストップしてしまったけど、今年こそは…という期待も込めて。


⑥UNISON SQUARE GARDEN「kaleido proud fiesta」(4.13)
アニメ「TIGER&BUNNY」の主題歌を表題曲とするシングルで、過去にも何度もタイアップを飾ってきたこともあり、それらの曲のフレーズも散りばめられているのが印象的。だけど何より、"かくしてまたストーリーは始まる"というフレーズが、止まることなく快進撃を続けていくUNISON SQUARE GARDENというバンド自身を歌っているように聞こえてグッとくる。カップリングの『ナノサイズスカイウォーク』もまた面白い。


⑦BiSH「ごめんね」(4.20)
BiSH12ヶ月連続リリースの第4弾。表題曲『ごめんね』はNHKの「みんなのうた」に起用され、子どもから大人まで、改めてこの4文字を大切にして欲しいというBiSHからの切なる願いが、解散を控えているからこそ今のうちに…という状況とも相まって、めちゃめちゃ刺さる。たとえグループは終わってしまっても、生きている限り人と人との関係は続いていくのだから。


⑧TRICERATOPS「Unite/Divide」(4.20)
前作「SONGS FOR THE STARLIGHT」から、なんと8年ぶりにリリースされたTRICERATOPS待望のフルアルバム。コロナ禍という未曾有の事態を受けて、人との繋がりだけではなく、時には『いっそ分裂』するのもいいのでは?という核心にも迫っていて、それがアルバムタイトルにも現れている。そして相変わらず、3ピースなのにこんなに幅広い音を鳴らせるのか…と驚かされる。流石は25周年を、一度もメンバーチェンジなく続けて迎えたバンド。


⑨Mr.Children「Mr.Children 2015-2021 & NOW」(5.10)
Mr.Childrenのデビュー30周年を記念してリリースされた2枚組のベストアルバムのうちの1つ。こちらの方を挙げさせてもらったのは、タイトルに"&NOW"と付けられているように、今、最新のミスチルが贈る渾身の新曲2曲『永遠』『生きろ』が収録されているから。特に『生きろ』は映画「キングダム2」の主題歌ながら、これからさらに半世紀(=50周年)へ向けてバンドと自身と、全てのファンに向けられた心強すぎる希望が込められていて、個人的にも今年一番聴いた曲。


⑩[Alexandros]「But wait, Cats?」(7.13)
新メンバーとしてリアド偉武(Dr)が加入して以降、最初のアルバム。最近のライブでも登場SEを『Burger Queen』からこのアルバム1曲目の『Aleatric』に変えているところからも、明確に新章[Alexandros]の始まりを高らかに告げるような作品になっている気がするだけに、昨年に先行してリリースされた『閃光』をはじめ、『Rock The World』『Baby's Alright』『無心拍数』といった、スタートダッシュを駆けていくような曲が多い。かと思えば『we are still kids & stray cats』のような新たな一面を見せるダンスナンバーも。個人的には昨年家入レオに提供した『空と青』のセルフカバーも好き。


⑪Chilli Beans.「Chilli Beans.」(7.13)
2019年に始動したばかりのめちゃめちゃフレッシュなガールズバンドの1stアルバム。だけど演奏力や楽曲のクオリティはとんでもなく、風格すら漂っていて、自分もフェスでライブを観て一発で惚れてしまった…。Motoのクールな魅力溢れるボーカルを両脇で支えるMaikaとLilyの演奏、そこから放たれるキャッチーな曲たちには自然と身体も乗ってしまうけれど、その曲たちの多くをVaundyも一緒に手掛けていると知り、なるほど~!となった。これからがとても楽しみ!


⑫BiSH「サヨナラサラバ」(8.31)
BiSH12ヶ月連続リリースの第8弾は、なんとWANIMA・KENTAが作詞を務め、ONE OK ROCK・TakaがMEGMETALと共に作曲するという豪華布陣で作られた曲が表題曲。正直自分としては、2022年に新曲として聴いた中で一番ワクワクと興奮が止まらなかった!元々ワンオクが昔から大好きだったということを抜きにしても、迫力みなぎるサウンドがたまらなくカッコいいし、そこに乗るKENTAの詞も、解散を控える今のBiSHの等身大な想いを見事に代弁してくれていて、全てのピースがバシッとはまったような気持ち良さがある。何より6人の歌とパフォーマンスが、その豪華布陣に一切引けをとっていないことが一番すごい!カップリングの『A long way to go』もTakaが作曲を務めており、これまたワンオクのエッセンスとBiSHが見事に融合したロックナンバー。


⑬Creepy Nuts「アンサンブル・プレイ」(9.7)
アニメ「よふかしのうた」主題歌『堕天』や、YOASOBIの2人をゲストに迎えた『ばかまじめ』、『のびしろ』のTHE FIRST TAKEバージョンなどバラエティに富んだ曲たちが並ぶが、前作までセルフボースト(=自分のことを歌う)を基本としていた中、初めて明確にフィクションのような曲たちで構成したという挑戦作。中でも『2way nice guy』は、ライブで飛び跳ねたくなるキャッチーさと励まされる歌詞、まさに2wayな良さがあり大好きな曲。ちなみに彼らのアルバムでは定番となっているラジオ盤(曲と曲の間にR-指定とDJ松永のトークが挟まれている)だが、今回もめちゃめちゃ笑わせてもらった。「Madman選手権」はマジで下らない(笑)


⑭ONE OK ROCK「Luxury Disease」(9.9)
ワンオク3年ぶりのアルバムだが、タイトルを日本語に訳すと"贅沢病"と、明らかに15年前の1stアルバム「ゼイタクビョウ」を意識したものになっていて、実際に聴いてみるとなるほど確かに原点回帰というか、昔のロックど真ん中なONE OK ROCKが戻ってきた感がある。前2作「Eye of the Storm」「Ambitions」はロックバンドの枠を大きく飛び越えた感があったが、今作は1曲目の『Save Yourself』からしてバンドの音が力強く走り抜けている。これは先述のBiSH『サヨナラサラバ』のサウンドでも感じたので、これがやはり今のワンオクのモードなのだなと感じるが、それでいて『So Far Gone』『Your Tears Are Mine』『Broken Heart of Gold』のような聴かせる曲や切ない曲も『エトセトラ』や『Wherever you are』のような懐かしさを感じるし、また様々なタームを経て身に付けてきた壮大さもしっかりと『Renegades』のような曲で見せている。『Gravity』でOfficial髭男dismの藤原聡という、今日本で最もホットなボーカリストの1人とコラボをしているというのも、やはり原点である日本に根付いた音や歌で再び闘いに来ている感じが嬉しく、誇らしい。


⑮Base Ball Bear「海になりたい part.3」(10.12)
20周年を迎えたベボベが放ったのは、なんとここにきて『海になりたい』シリーズの第3弾!
これまで"part.2"まで作られた曲はあるけれど、"part.3"はこの曲が初めて。『BAND GIRL'S SPIRAL DAYS』の少年版とのことで、バンドやりたい!音を鳴らしたい!という衝動を詰め込んだようなサウンドがイントロから炸裂しており、20周年を迎えても未だにこんな曲を出してくれるのかという喜びや感動、それでいて爽やかさや切なさも同居しているので、やっぱりベボベは唯一無二だなと思い知らされる…。


●2022年印象に残ったライブ15選

①Base Ball Bear Tour「LIVE IN LIVE ~I HUB YOU (take)2~」
(2.24 Zepp Haneda)
本来は2020年に開催されるはずだったのが2年越しに叶ったBase Ball Bear主催の対バンツアーの、UNISON SQUARE GARDENを迎えた公演。何を隠そう、自分はこの2組ともをFCに入って長く追いかけているだけに、本当に待ちに待った夢の共演だった!同じ3ピースバンドどうし。先発ユニゾンはMCが無い至って通常運転のライブをしながらも、セトリに勝手にベボベへ向けたメッセージを感じてしまい、ベボベは真逆と言っていいほどMCをしまくりながら(時に袖のユニゾンをイジりながら…笑)、ベボベ流の3ピースを確立していて、しかもユニゾンの『ライドオンタイム』をカバーするという展開に、嬉しすぎてたまらない夜だった。

②BiSH COLONiZED TOUR
(4.3 YCC 県民文化ホール)
BiSHが2023年の解散に向けたプロミスの1つとして掲げた、ワンマンライブ未開催地を巡るホールツアー。初日公演ながら、めちゃめちゃ完成度の高い歌やパフォーマンスに、やっぱり今、彼女たちのこの輝きが消えないうちに目に焼き付けておかねば…と思わされたライブだった。1曲目の『FiNAL SHiTS』でも、幕に畳み掛けるような歌詞の輪郭がバーっと敷き詰められており、メンバーが歌うのに合わせてその歌詞が浮かび上がるという演出でより一層、"いつか終わりは来ちゃうから 後悔しないように"という言葉が響いてきて、BiSHとたくさん向き合うきっかけをもらった気がする。

③Mr.Children FATHER&MOTHER Special Prelive エントランスのエントランス
(4.9 東京ガーデンシアター)
ファンクラブ「FATHER&MOTHER」会員限定の、30周年ツアーに先駆けて行われたプレライブ。Mr.Children的には言わば"公開リハ"的な意味合いも強かったようだが、それでもかれこれ彼らとは、2019年のツアー「Against All GRAVITY」以来3年ぶりの再会となったので、ただただ嬉しかった。1曲目『youthful days』で、「覚えてますか?この感じー!」の問いかけに対して、忘れるわけがないじゃないか…!!と噛み締めたあの感動は今でも鮮明。

④Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス
(5.3 バンテリンドームナゴヤ)
そしてそのプレライブを経ていよいよ始まったドーム&スタジアムツアー。個人的にも今年再会を果たすまで、3年前にMr.Childrenを最後に観たのが先述の「Against All GRAVITY」のナゴヤドーム公演だったので、またこの場所でツアー本番の彼らと対峙できるのは感慨深かった。そしてそのとき感じて以来の、心と魂を振るわされるようなミスチルの力を改めて実感して、やっぱり自分にとってこのバンドは揺るぎない原点だと確信。『くるみ』で爆泣きし、『エソラ』で大はしゃぎ。

⑤Base Ball Bear「日比谷ノンフィクションⅨ」
(5.15 日比谷野外大音楽堂)
実に3年ぶりとなったBase Ball Bear恒例の野音シリーズだけど、まさか思っていた以上にメモリアルで特別なものになるとは…。序盤は洗練された3ピースの音で、『文化祭の夜』や『(LIKE A)TRANSFER GIRL』といった、最近なかなかライブで聴けていなかった曲を連発。そしてなんと約10年越しに花澤香菜さんと『恋する感覚』をコラボしたのを皮切りに、valkneeさん、Ryohuさん、そして橋本絵里子さんを次々とゲストボーカルに迎えるという凄まじさ。さらには10年ぶり3度目の武道館発表…。なんて日だ。でもそんな中でも芯としてブレずに一番強かったのは、「3ピースのベボベ最高ー!」という気持ちだった。

⑥Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス
(6.11 日産スタジアム)
名古屋でのワンマンから1ヶ月後、舞台はスタジアムへ。さらにスケールアップしたようなライブは、1曲目から『終わりなき旅』という、セトリごと変えて衝撃と感動をぶつけてくるものだった…。曲数も単純に増えているにも関わらず、まったく衰えない桜井さんをはじめとするメンバーたちのエネルギーは、終演直前まで予報に反して雨曇をも跳ね返してしまっていたほど。実質的に前から7列目程の場所でそれを真正面から浴びたというのもとんでもない経験だった。ドーム公演と併せてレポを書いたらかなり長くなってしまった。

⑦BUMP OF CHICKEN LIVE 2022 Silver Jubilee 振替公演
(7.3 幕張メッセ)
BUMP OF CHICKENともまた、待ちに待った3年ぶりの再会。"銀婚式"と名付けられたタイトル通り、当初は2月の記念日に25周年をお祝いする予定だったが、コロナ禍により7月に延期されたことにより、奇しくも自分は参加できることになった。そして改めてライブを観て、本当にBUMPはいい意味で変わらないなと思い知らされた。歌に対する向き合い方や届け方、4人の関係性、あらゆる面で。『Hello,World!』のラストを「ハロー 今 君と ここ」と変えたり、『メーデー』の「再び呼吸をする時は 君と一緒に」を強調して歌ってくれたり…思えばBUMPが配信ライブというものをほとんどしてこなかったのは、"ライブの再開は君達と一緒に"と、ずっと想い続けてくれてたからなのかなと。そして、皆で合唱する部分を空けて届けてくれた『ガラスのブルース』はマジで泣いた。

⑧MONSTER baSH 2022
(8.21 国営讃岐まんのう公園)
ずっと前から行ってみたかったフェスで、今回BiSHの出演が背中を押してくれてようやく初参加が叶ったのだけど、実際行ってみたらもう一発で虜になってしまった…。まんのう公園の自然はもちろんのこと、そこに携わる人たちの愛が溢れてるのがわかって、初めて来た場所なのにどこか安心感がある空気。他のミュージシャンたちも口々に思い入れを語っていたけれど、みんながモンバスを好きな理由がわかった気がする。そして何より、2022年の夏はBiSHのメンバーが立て続けにコロナの猛威にやられてしまい、TIF、RIJFと出演キャンセルが相次いでいた中での久々のライブ再開でもあったので、6人がステージに出てきたときは感無量だった。おまけに後のスカパラのゲストとしても登場してくれてさらにテンションは上がり、Creepy NutsではR-指定がガチの遅刻をして笑い、齢70オーバーの小田和正さんのパワーに圧倒され、大トリSUPER BEAVERのライブでまた感極まる…。本当にいろんな感情に包まれた1日だった。

⑨SWEET LOVE SHOWER 2022
(8.27 山中湖交流プラザ きらら)
こちらもまたモンバスに続き初参加。前年も行く予定だったけれど、2022年も夏フェスラストになるであろうBiSHの出演に後押しされ、チケットを購入。こちらもまずは何と言ってもロケーションの素晴らしさ!富士山と山中湖を両方拝むことができる絶景のもと、ひたすら最高の音楽を浴びまくった。初見のChilli Beans.に心を掴まれたのもこの日。そして超満員のMt.Fuji STAGEのBiSH、フェスの名前にちなんでか、ラストに『ALL YOU NEED IS LOVE』をやってくれて、円形の会場がさらにまるっと愛で包まれたのもまた絶景だった。スカパラでは何と、川上洋平と幾田りらという強力すぎるゲストボーカルに湧き、何より大トリ[Alexandros]のアクト、これは今年観てきた夏フェスの全てのライブの中で個人的にはNo.1だったかもしれない…。磯部氏(Ba)がコロナにより療養を余儀なくされた中、3人で出演することを決め、何と白井氏(Gt)が昔弾いた経験があることから、ギターとベースの二刀流を務めることに。だからといってセトリも一切妥協することなく、今、最新のアレキを余すことなく出し切ってくれた。そのあまりのカッコ良さと勇ましさ、皆で光を照らした『空と青』、『閃光』『ワタリドリ』と最後まで駆け抜け見た花火。一生忘れることはないだろう。

⑩TOKYO ISLAND
(9.24 海の森公園(森づくりエリア))
VIVA LA ROCKに続きMUSICAの鹿野さんが中心となって作った新しい野外フェス。場所はその名の通り東京・お台場と新木場の間にある島のようなところで、よく見つけてきたな…という感じだったけれど、自然溢れる意外にも広大な敷地とスカイツリーやビル群とのコントラストが面白く、また音楽のみならず、サウナやキャンプ、謎解きなど、様々なレジャーも同時に楽しめるというのが斬新。しかしこの日はあいにくの雨…。足元は全てぬかるみでグチャグチャで、合間に止み間はあれど、コンディションとしては最悪。でもそれらを全て覆してくれたのは、「マスク着用なら全面的に声出しOK」のガイドライン。自分は特にコロナ前からライブ中にそんなに歌ったり声を出したりする方ではないが、周りから聞こえてくる合唱や声援に自分もパワーをもらっている気持ちになり、約2年半ぶりに浴びたそれはかなり感動的だった。特にBiSHは、アクト前にまた雨雲が厚くなり雷の危険も伴う状況、皆で避雷針の近くに避難したり、開始がかなり推してしまった中でのライブだっただけに、ピンチを乗り切った一体感も相まって、物凄いライブだった…。『BiSH -星が瞬く夜に-』や『オーケストラ』、『beautifulさ』での合いの手、『GiANT KiLLERS』での轟音のような皆の雄叫び、アイナが「まだ行けんとちゃいますかー!?」と叫ぶように煽った『MONSTERS』のワッセッソ…そのどれもが楽しくて愛しかったし、今思い出してもと泣けてくる。解散前にまた、清掃員みんなの声を届けられて良かった。

⑪UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2022「kaleido proud fiesta」
(9.27 東京ガーデンシアター)
シングル「kaleido proud fiesta」を引っ提げたツアーのファイナル。というだけに、『kaleido proud fiesta』とカップリングの『ナノサイズスカイウォーク』以外はかなり自由度が高いセットリストで、『ラディアルナイトチェイサー』や『5分後のスターダスト』といった他のB面曲が聴けたりもした中、終盤、"ココデオワルハズナナイノニ"→"かくしてまたストーリーは始まる"という流れから、『to the CIDER ROAD』へ…とひたすら続いていく、こんなに楽しいのに、まだ続くの!?という流れがあまりにも最高。しかも、それをMC無しでひたすら畳み掛けていく。この日一部、演奏がズレてしまうというハプニングもあったけれど、それでも止まらずすぐに修正して駆け抜けていくUNISON SQUARE GARDENに、もはや死角無し!(バンド名に四角はあるけれど←)

⑫Base Ball Bear 20th Anniversary「(This Is The) Base Ball Bear part.3」
(11.10 日本武道館)
Base Ball Bear 20周年イヤーのラストを飾るのは、キャリア3度目にして10年ぶりとなる武道館ワンマン。なんとドラマチックな流れか…と思うが、そこで観たのは至って通常運転で3ピースロックバンドをやるベボベで、そこには過去2回の武道館公演にあったような緊張や気負いはいい意味で感じられない。いつもと違うのはステージに建てられた電波塔のセットが時折キラキラ光り、3人を後押ししてくれていたぐらいだ。『DIARY KEY』『海になりたいpart.3』といった最新モードから、『LOVE LETTER FROM HEART BEAT』『ホワイトワイライト』のような4人時代の懐かしい曲まで幅広く披露されたが、どれも地続きな感じがして、改めてベボベはずっと変わらずに変わり続けているバンドなんだなと思い知らされる。それを示すためか、このライブでは敢えて5月の野音のように豪華なゲストを呼びまくるということは一切せず、"自力の三点倒立"を貫いたところが本当にカッコ良かった。しかし会場を出ると、たくさんの仲間や先輩たちから祝い花が寄せられていて、そして武道館をかつてと変わらぬキャパで埋めた我々ファン、間違いなくみんなで歩んできた20年間だったんだなと思えてグッときた。

⑬ACIDMAN presents SAITAMA ROCK FESTIVAL "SAI" 2022
(11.27 さいたまスーパーアリーナ)
ACIDMAN結成25周年を記念して5年ぶりに開催された主催ロックフェス「SAI」。自分は今回初めてかつ2日目のみの参加となったが、2日間にわたり盟友バンドといえるストレイテナーやASIAN KUNG-FU GENERATION、THE BACK HORNに加え、この5年の間でついに再び動き出しELLEGARDEN、そして何と言っても一番のサプライズともいえるMr.Childrenを迎えた、とてつもないラインナップだった。2日目の10組のライブを全て観たが、何が凄いって、フェスでトリをやれるバンドばかりなのにこの日ばかりはみんな脇役に徹して主役を立て、それでいてACIDMANもまた10組の中の1ロックバンドとしてのステージを全うしていて、皆で1つのフェスを作り出していたこと。そんな中でも初めてライブを観ることができたELLEGARDENは感無量だったし、『HANABI』でついに声を出してミスチルの30周年イヤーを共に締め括れたのも最高だった。そしてACIDMAN。何十回ライブを観ても初めて観たときと変わらないのは、「3ピースとは思えない迫力」という感想。『廻る、巡る、その核へ』は圧倒的すぎたし、『ある証明』『Your Song』ではこの日で一番拳を振った。次はワンマンへ、その堂々たるサウンドと大木さんの宇宙の話を聴きに行きたい。

⑭SUPER BEAVER「都会のラクダSP ~東京ラクダストーリービヨンド~」
(12.11 有明アリーナ)
SUPER BEAVERがアルバム「東京」を引っ提げて回ったアリーナツアーの有明公演。先立って行われていたホールツアーのチケットが取れなかった自分としては本当に待ちに待ったライブだった。それまでにも先述のモンバス等々フェスで幾度となくビーバーのライブを観てきたけれど、やはりじっくりと気持ちの往来をしながら一緒にライブを作れるワンマンは格別!初めて訪れた有明アリーナは、スタンド席でも場所によってはステージが近く感じるくらいの規模感で、それも相まって、確かに1対1でその瞬間瞬間をビーバーと向き合えている実感があった。特に終盤の『東京』『最前線』あたりでは、メンバーたちの気持ちが乗っかった演奏がダイレクトに響いて、心が震えまくった。ここにきてまた人生をこれからずっと共にしていけるバンドと出会えた気がしていて、なんて贅沢な人生だ。

⑮BiSH「世界で一番綺麗なBiSH」
(12.22 国立代々木競技場第一体育館)
この2日前にも「BiSH FES」と銘打ったイベントが同じ場所で開催されていたが、代々木第一体育館でのワンマンは、2020年12月の「REBOOT BiSH」以来2年ぶり。当時はコロナ禍でライブ活動を11ヶ月ほどストップしていた中での再会だっただけに、その感動は今でも鮮明に覚えているが、この日もまた忘れられないものとなった。いつもと違う荘厳な雰囲気からライブがスタートしたと思ったら、なんとBiSHのバックにはお馴染みの"FANTASTiC NAO BAND"に加え、フルオーケストラがついている。いつものロックなサウンドをさらに分厚くしたような1曲目『BiSH -星が瞬く夜に-』からして、もうめっちゃゴージャス。途中からメンバー6人が着席しての歌唱となった『FOR HiM』では、以前も同じように終始着席スタイルで歌を届けてくれた「MTV Unplugged」を思い出したし、『My landscape』も「REBOOT BiSH」を彷彿とさせるアレンジだったのがまた引き込まれた。途中、オーケストラに扮してエアーで弦楽器(とリコーダー)を演奏しながら喋り無しで繰り広げる"サイレントコント"を挟み、本編ラストの『サラバかな』では、2年前この会場で泣きながら歌っていたチッチが、今回はとびきりの笑顔で楽しそうに歌っていた表情が何度もアップで映って、対比を感じたのが印象的だった。そして運命のアンコール。覚悟はしてたいたが、ついに明らかになった2023年6月、東京ドームでの解散ライブ。だけどそこで感じた寂しさを一気に吹き飛ばしてくれたのがラストの『beautifulさ』だった。BiSHもバンドもオーケストラも、ステージにいる全員が飛び跳ねる壮観。ただただ幸せなこの瞬間。今はそれでいいじゃないかと思えた。


以上、15作品・15公演。
特にライブに関しては今回は全てリアルライブから選出しました!

そして2023年に突入し、既に昨年を上回るペースでライブに行っている1月現在。
いよいよ5ヶ月後にはBiSH解散が迫っておりますが、6月まで、本当に今までにないくらい密度の濃い日々になりそう。
後悔しないように行かなくちゃ…ということで、改めて今年もよろしくお願いいたします!