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#困ったときの気絶フェードアウト
流町へようこそ!! 5
ここまでは、私が知るはずのない物語だ。
*
「で、」とアイちゃんは言う。夕焼け色に沈んだ流町の真ん中、赤い点滅信号の下で。
「名前は、何ていうんだ?」
息を飲む。町が大きな両手を伸ばして、左右の親指と人差し指で、私の頭を摘まんでいる。びりびりとやぶって、真っ二つにしてしまうために。それは私が望んだことだ。今も私の一つの面である、モモイが。
モモイ、と名乗る声が聞こえた。やぶれて半分に
ここまでは、私が知るはずのない物語だ。
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「で、」とアイちゃんは言う。夕焼け色に沈んだ流町の真ん中、赤い点滅信号の下で。
「名前は、何ていうんだ?」
息を飲む。町が大きな両手を伸ばして、左右の親指と人差し指で、私の頭を摘まんでいる。びりびりとやぶって、真っ二つにしてしまうために。それは私が望んだことだ。今も私の一つの面である、モモイが。
モモイ、と名乗る声が聞こえた。やぶれて半分に