Y.田中 崖

目を離したすきに小説を書き本を読むことがあります http://rainydesert.jugem.jp/

死体と操縦 4

4.再会  不意にからだが何かに捕まった。追っ手かと思いきやそうではない。右手でできた尾鰭を、死んだ彼の右手が握り締めていた。掌が温かい、と感じる、それは本当に...

玉手箱

「乙姫はどうして浦島太郎に玉手箱を渡したのかしら」  少女が言う。肩にかかるくらいの髪、滑らかな曲線を描く体、細く伸びた手指、先の丸い靴。それらすべてが白く、皮...

死体と操縦 3

3.破壊  彼の部屋は、私の住む部屋よりさらに家賃の安い、半壊集合住宅の一室だった。なかは驚くほど物がなかった。身辺整理したからね、と彼はおどけて言った。 「こ...

死体と操縦 2

2.依頼/変身 「ここだけの話だけど」と彼は切り出した。「指、拡張したんだ」  その言葉は種となって私の土に埋めこまれた。 「拡張?」  彼が頷き、蒸留油を舐める...

死体と操縦(連載版)

1.逃走  同僚が解体されていた。  流れていく部品を認識した瞬間、全身を過電流が走った。それでも《指先》は再利用可能な素材を自動的に選っていく。洗浄された神経...

死体と操縦

同僚が解体されていた。  流れていく部品を認識した瞬間、全身を過電流が走った。それでも《指先》は再利用可能な素材を自動的に選っていく。洗浄された神経網はおにぎり...