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”インタビューの名手“宮本恵理子さんに、インタビューをお願いしちゃった件

先日、無謀にもなんと、「THE INTERVIEW」という記者の皆さんが集う講座を受講しました。講師の宮本恵理子さんは、個人の物語に寄り添って語りを引き出す名手。無謀ついでに「私にインタビューしていただけませんか」とご相談したところ、なんとOKに。以下、宮本さんにインタビューしていただいた記事です。いわば、私の他己紹介です。

◆インタビュイー(語り手)◆
近長由紀子
児童学修士(心理学専攻/フロー理論)
1級キャリアコンサルティング技能士/国家資格キャリアコンサルタント

住友商事でシステム開発や導入研修に関わった後、立上げ間もないグロービスで、広報宣伝、スクール運営、受講生へのカウンセリング、新拠点の立ち上げ等を担当。そして、創業直後のKCJ GROUPに移り、「キッザニア東京」と「キッザニア甲子園」の開園、スポンサー開発、営業推進等を担う。同社の人材開発分野では階層別評価研修制度の構築、キャリアパスの制度化、初の新卒採用、インターンシップの導入などを実現。サービス業等での人材開発の経験を経て、人材開発や組織開発の支援、企業・個人向けのセミナー等を行っている。
また、「キャリアック(キャリア・アクティベーション・ドック)」というコミュニティを主宰し、キャリアコンサルタントに対しスキルアップのための学び合いの場を提供している。

宮本さん

◆インタビュアー(聞き手)◆
宮本恵理子/フリーランスライター・THE INTERVIEW講師

1978年福岡県生まれ。筑波大学国際総合学類卒業後、日経ホーム出版社(現・日経BP)に入社し、「日経WOMAN」や新雑誌開発などを担当。2009年末にフリーランスとして独立。
主に「働き方」「生き方」「夫婦・家族関係」のテーマで人物インタビューを中心に執筆。一般のビジネスパーソン、文化人、経営者、アーティストなど、18年間で1万人超を取材。ブックライティング実績は年間10冊以上。経営者の社内外向け執筆のサポートも行う。
主な著書に『大人はどうして働くの?』『子育て経営学』『新しい子育て』など。担当するインタビューシリーズに、「僕らの子育て」(日経ビジネス)、「夫婦ふたり道」(日経ARIA)、「ミライノツクリテ」(Business insider)、「シゴテツ(仕事の哲人)」(NewsPicks)など。家族のための本づくりプロジェクト「家族製本」主宰。

◆ちかさんは、こんな人!◆

――ちかさん(※)は、仕事をしながら大学院で修士号を取得し、難関の1級キャリアコンサルティング技能士にも一発合格。常に何か学び続けSNSでも発信されていますよね。まさに“学び続ける達人”という印象です。
(※近長さんは宮本が講師を務める講座「THE INTERVIEW」の3期生でもいらっしゃいます。「ちかさん」は講座コミュニティでの呼称です)

 ありがとうございます。宮本さんとの出会いも学びの人脈がきっかけでしたよね。そして、宮本さんの「THE INTERVIEW」が開講されると知り、プロからインタビューについて学ぶのは、研修プログラムの設計やキャリアコンサルティングにも役立つと思い受講させていただきました。受講したら、「その人ならではの物語を引き出すプロ」である宮本さんのインタビューを、もし実際に受けることができたら、さらに実践的に学べることがあるのではないかという想いが湧いてきてしまって。丁度、自分自身についてのブランディングや情報発信に悩んでいたこともあって、思い切って宮本さんにインタビューをお願いしました。内心ドキドキだったのですが、ご快諾いただけて、本当に嬉しいです。

■「スピアヘッド(槍頭)」としてビジョンを実現する型をつくる

――私も楽しみにしていました。今後はどのような分野で力を発揮していきたいと考えているのですか?

 やはり引き続き「人材開発」のテーマで貢献していきたいですね。激動の時代の変化を乗り越えていけるような、しなやかで強い人を育てるお手伝いができるとうれしいです。私はこれまでベンチャー組織の創業期に働いた経験が長かったので、「すでに完成された組織を整える」よりも「試行錯誤しながらモデルの原型をつくる」のが得意なんです。
 「こんな仕組みをつくってほしい」と大枠のビジョンを経営者から預かって、なんとか形にしていく。自分としてはコツコツ事務処理も得意だと自負してはいるんですが、その段階になるとしっかりした担当者に渡し、次の課題に取り組む。そんな役割を担うことが多かったです。上司には「スピアヘッド(槍頭)」って呼ばれたりして。無茶振りされると、かえって燃えちゃうタイプかもしれません(笑)。

■人の成長は関わり方次第

――ビジョンを実現する型をつくる。組織には必要な役割ですね。「人材開発」というテーマに関心を持ったきっかけは? 

 子どもの頃まで遡ると、もともと私、小学校の先生になりたかったんです。小学5年生の時に受け持ってもらった担任の先生の影響ですね。

――どんな先生だったんですか?

 先生なのに算数が苦手で、「近長、ちょっと前に出て解いて」と児童に授業させちゃう(笑)。ごまかしが苦手で、笑ったり泣いたり、感情表現がとても素直で、ちょっとおちゃめな先生でした。その先生が、ある事件があって、クラスの不良グループをひどく叱ったことがありました。ボロボロ泣きながら心から怒っていてすごい迫力でした。驚いたのは、叱られた子たちが先生に懐いちゃった、というその後の変化です。きっと大人が真剣に対等に向き合ってくれたことが嬉しかったんだと思います。うち1人は、翌年には皆の投票で学級委員にまでなっちゃったんです。皆に怖がられ避けられていたのに。
 「関わり次第で人ってこんなに変われるんだ」と目の当たりにした原体験となり、私もそんなきっかけをつくれる大人になりたいと思うようになりました。

■寿退社のつもりが仕事に没入

――ところが、先生にはならなかったんですね。

 はい、中高では勉強に熱心になれなくて、こんな勉強嫌いじゃ先生は無理だと(笑)。大学でも講義やゼミに身が入らず、部活に没頭したりして過ごし、卒業後は住友商事に入社しました。

――時代はバブル期。どんな社会人スタートを切ったのでしょうか。

 事務職入社でしたし、当時の総合商社の”常識“どおり「半径3メートル以内の恋をして、3~5年くらいで寿退社」のつもりでした。
 ところが、実際にはそうはなりませんでした。配属されたシステム開発部の上司が目をかけてくれて、システム開発の一部を担当させてくれたり、システム導入のために支店を回らせてもらったりして、仕事がとても面白くなりました。総合職男性に混じって情報処理技術者試験も自費で受けたんですが、事務職女性は普通は受験しないので担当者が私の申し込み手続きを忘れ、1年遅れで受験したというのも、今となっては笑い話。勢いに乗って平日はバリバリ働き、金曜日夜から週末は遊ぶという、まさに「24時間戦えますか」と「私をスキーに連れてって」の世界にはまってしまって(笑)。住友商事には6年ほど在籍していました。

■縁と直感でベンチャー企業に

――その後は、ビジネススクールを運営するグロービスへ。大手総合商社から創業間もないベンチャーへの転職が今ほど当たり前でない時代には、珍しいキャリアチェンジだったのではないでしょうか。

 同期や後輩も退職していきますし、上司が変わって「事務職はお茶汲みしていればいい」と言われ、引き際かな、と。
 グロービスには、住商時代に私が幹事をしていた勉強会に参加していた人から誘われました。「なんだか面白そう!」と直観して入社したのですが、私が9番目の社員で会社もカオス状態。広告宣伝、教材作成、営業、受講生カウンセリングなど、なんでもやっていました。年子で2人出産したんですが、出産した社員も産育休とった社員も私が初。全て手探りでした。育休から復帰した後は総務業務へ移りましたが、業務改善やオフィスの環境整備が面白くなって社長賞までいただけました。
 11年ほど勤めた後、また知人づてで声がかかって、キッザニアを日本で立ち上げるために創業したKCJ GROUPへ。ここでも創業期の10番目の社員で、事業をゼロから立ち上げるという経験に加え、立ち上げた後は今度は「人材育成の仕組みをゼロからつくる」という貴重な経験に恵まれました。

――ちかさんのコアとなっている人材開発を深く掘り下げた経験ですね。どのような経験だったか、詳しく教えていただけますか。

 はじめは、「キッザニア東京」と「キッザニア甲子園」を立ち上げるために、スポンサー候補企業にプログラムを提案したり。大変でしたが、やりがいがありました。グロービス時代、子育てしながら、上智大学でモンテッソーリ教育の授業を聴講し発達心理学を学んだことが、専門的な知見から子どもにもスポンサー企業にもプラスになるプログラムを検討するのに役に立ちました。
 東京と甲子園に施設を立ち上げた後は、落ち込みつつあった集客を回復するプロジェクトをやらせてほしいと志願しました。社内の平均年齢が若く、子育て経験のないスタッフが多いなか、子どもを持つ親の心理や、子育てで培った社内外のママネットワークを活かして貢献できるのではないかと思って。実際、園や学校の年間行事を考慮することで年間の集客予想の精度を高め、適切なタイミングでの集客策の実施や人員配置計画に反映することができるようになりました。
 ある日突然、役員から「今までの販促の戦略的フレームワークを夕方までに出してよ」と頼まれ、内心「そんなものあったっけ?」と思いながらも、今までの戦略の整合性が取れる枠組みを数時間でゼロから作ったこともありました(笑)。人って”フロー”(チクセントミハイ博士によって提唱された「時を忘れるほど集中している幸福な精神状態」)に入ると力を発揮できたりするんですが、この時に作った枠組みは、我ながら突貫で作ったとは思えないほどよくできていて、今でも人の成長や学びについて考える時に、自分で使っています。

■パーフェクトでできる自信がなくても、まずチャレンジしてみる

――「できる?」と頼まれると、つい手を挙げちゃう。私もちかさんの普段のアクションを見ていて、「フットワークが軽いなぁ」と感心することが多いです。

 そう思っていただけるなんて嬉しいです。パーフェクトでできる自信がなくても、まずチャレンジしてみる。動きながら、ブラッシュアップしていけばいい。そんなテンポで行動を決めることが多いです。
 キッザニアでのチャレンジの中でも、最も私の身になったと思うのは、人材育成の仕組みを構築した経験です。会社から「広告塔になるようなスタッフを育ててほしい」と言われたのがきっかけです。
 1人だけ目立つ人をつくることに最初は抵抗があったのですが、視点を変えれば、人材育成とキャリアパスの総合的な仕組みを作れるチャンスではないかと意義を見出し、引き受けました。

■現場の「ナマ声」から辿り着いた“学び合い”の場

――具体的にどう取り組んでいったのですか?

 重視したのは「現場の声を聞くこと」です。施設内を回って、スタッフのもとに行き、「何か課題として感じていることはあるか?」と率直な意見を聞いて回ったんです。会社や業務体制への不満や批判を言われることもありましたが、まずは話を聞くことから始めようと考えました。

――不満を聞くというのは、嫌な役回りではありませんでしたか?

 たしかに、中には尖った意見をぶつけてくる人もいました。でも、不満の裏には、その人が「本当はこうしたい」という理想が隠れているもの。丁寧に時間をかけて聞き取っていくように心がけました。
 私としても、「この先に、もっと会社がよくなる未来がある」という目標を明確に持てていたので、つらい仕事とは感じませんでした。むしろ、「ネガティブな意見には、ポジティブなヒントが詰まっている」と前向きでした。
 そうやってヒアリングを続けていると、発見したんです。この人たちはすでにプロとして現場で体得した知見を持っている。“教える”必要はない。現場に立つスタッフ同士がお互いの知見を共有して磨いていく“学び合い”の場さえ用意すればいいんだって。いわゆるアクティブ・ラーニングですね。
 それから一気に「ユニバーシティ」というコンセプトで制度を整え、実現していきました。発達心理などの専門知識や、保護者心理は、個々人の現場経験からだけでは勘違いがあったり、人により解釈がずれたりするので、それらをブレなく理解するためのプログラムも盛り込みました。

■「人が変わる瞬間」に立ち会えた喜び

――一方的に教えるのではなく、フラットに学び合う。ちかさんが小学5年生の時に感動したという「人が変わる瞬間」にも立ち会えたのでは?

 はい。うれしかったのは、直属の上司から問題児扱いされていたり、会社に批判的だったスタッフが、研修を通じて非常に能力を発揮できるようにマインドチェンジできたこと。例えば、「保護者は子どもの活動に口出しするじゃまな存在」というような考え方だったスタッフが、研修を通じてさまざまな価値観に触れるうちに「保護者も子どもに良い体験を提供するために一緒に協力し合える仲間だ」という発想へ転換することができたんですね。
 その後の行動がまるで変わり、どんどん活躍していく姿を見守れたことがうれしかったですし、職場を離れた今でも時々「最近はこんなことに気づけました」と報告が来るんですよ。大人になって社会経験を積んでからでも、これほど人は変わることができるんだって、感動しました。
 社内研修の仕組みの大枠を構築した後に、この会社からは離れることになりましたが、「人の能力や可能性を開発する面白さ」を実感できる貴重な経験ができました。

■学びで広がった人の縁が最大の財産

――その後はどんな経験を?

 ベンチャー企業3社で総務・人事に携わった後は、実母の急死など身辺の事情で、無職になった期間が1年半ほどありました。けれどその間も、知的好奇心のままに様々な“学び”に没頭していました。
 特に深めたのは、心理学。子どもへの理解を深めるために本腰を入れて発達心理学を学んでみようと進んだ大学院では、フロー理論を基に小学校の授業における状況的意欲について研究し、いくつかの学会でも発表しました。学会で発表すると様々な視点からコメントをいただけ、意欲に繋がります。自分自身が得た学びを社会に向けて発信することで、さらに学びが得られることを実感できました。発達心理学は主に子どもの発達を対象にした学問ですが、加えて、ポジティブ心理学の1つであるフロー理論という枠組みに出会えたことで、大人の学びや成長についても考えを拡げられる機会になり、大変でしたが良い経験でした。
 学び続けることの重要性や面白さは、2015年に慶應丸の内シティキャンパスのプログラム「ラーニングイノベーション論」で人材開発や組織開発について学んだ時にも強く感じました。

――学びに没頭した時期を経たことは、その後のキャリアにも生きたと思いますか?

 とても生きたと思います。「心理学のテストを応用した組織開発をやっていきたいので手伝ってほしい。学術的な知識とビジネスの経験の両方がある人を探していた」と声がかかって、その後知人の起業を2年ほど手伝いました。
 ちなみにこの会社の代表との縁も、やはり学びがきっかけ。住商時代に幹事をしていた勉強会でお世話になっていた人が講師をするというので参加した日経新聞主催のセミナーでの出会いでした。
 学びを通じて、広がった人の縁。これが今の私の最大の財産だと思っています。

――キャリアコンサルタントの国家資格を取得したことから広がったご縁も?

 ありますね。人の成長によりしっかりと関わるためには、キャリア理論やコンサルティング技法を学ぶ必要があると思い、3年前にキャリアコンサルタントの国家資格を取ったのですが、国家資格だけじゃ実際には全然通用しないんです。そこで「キャリアック」という学び合いのコミュニティを立ち上げました。今ではキャリアコンサルタントとそれを目指す400人以上が集う場になり、また、ここでの活動から企業人事の方などとも繋がっています。
 そして、キャリア理論の中で強く惹かれたのが、ダグラス・ホール博士の「プロティアン」理論でした。「これからの時代を生き抜くために必要なのは、変幻自在なキャリアを創る思考である」という提唱に共感した私は、この理論を広く発信しようとされていた法政大学の田中研之輔先生をゲストに呼んでセミナーを企画。そのご縁で、さらに多くの人と知り合う機会をいただくことができました。

■チャンスの神様には前髪しかない

――チャンスをつかみ、逃さない行動力が、ちかさんの強みなのでしょうね。

 チャンスの神様には前髪しかない、といつも胸に刻んでいます。でも、日常的に巡ってくる出来事の中でどれが“神様の前髪”かは一見分からない。だから、興味が向いたものには、とにかくトライしてみよう!と意識しています。
 そして、前例にとらわれず、「こうしてみたら、もっとよくなるんじゃないか」と素直に動いてみる。すると、思いがけないほどの発展になることはよくあります。
 記者経験もないのに、宮本さんの「THE INTERVIEW」を受講しようと飛び込んだのも、なんだか、チャンスの神様の前髪が見えた気がしたんですよね。そのおかげで、素敵な人たちと繋がり、良い学びを得られ、その経験は、キャリアコンサルタント向けのセミナーや企業研修をする時に役立っています。そのうえ、こうしてインタビューまで叶って。わらしべ長者のような気分です(笑)。

■学びを得られるかは、目的と場づくり次第

――一連の経験は、ちかさんの「コミュニティづくり」の源流にもなっているのではないでしょうか?

 確かにそう思います。人は集うことで、磨き合えて、成長できる。さらに遡れば、グロービス時代に、ビジネスパーソンが集まって刺激を交換しながら学び合うシーンに立ち会えたことの影響も大きいですね。学びの場を通じて出会う人たちがいきいきと輝く姿に、「こういう場づくりっていいな」と自然と思うようになりました。

――そのグロービスでは、自社のプログラムを受講する社員第1号でもあったとか。

 そうなんです。やっぱり、お客様に価値を提供する以上は、その内容を理解していないといけないと思いましたし、何より「今の私にはこれが必要だ」と思う技能や知識を学ぶのが大好きなんです。「社員受講制度ないんですか?」って相談したら、「そうだね、どんな制度が良い?」とすぐに作ってくれました。
 学生時代に勉強に没頭できなかったのは、きっと学ぶ目的を見出せていなかったからでしょうね。目的さえ明確に持てたら、いくつになっても意欲的に学べることを日々実感しています。

――かつ、1人ではなくコミュニティで学ぶことにこだわっていらっしゃる。

 やりたいことをやる気持ちに素直に従って、「この指とまれ!」と旗を立てるのが好きなんです。まず旗を立てることで人が集まって、お互いに力を持ち寄れる「場」が生まれる。
 ポイントは、上手に周りを頼ること。カッコつけず、汗をかく姿を見せて、「できない」「分からない」と発信する方が仲間が増えますよね。

■ベテランになっても、ありのままでいられる勇気

――ベテランと呼ばれる年齢になってからこそ、大事な姿勢ですね。

 はい。背伸びせず、ありのままでいられる勇気、わからないことは「わからない」と言える勇気はいつまでも持っていたいと思います。
 前述のキャリアックでは、資格取得後の学びだけでなく、資格取得者がクライエント役になって資格志望者の実践練習を支援するプログラムなども提供しているのですが、学べるのはむしろ資格取得者のほうです。アウトプットは最大の学びと言われますが、キャリアックで色々な学びの場を提供することで私自身の学びが深まり、今年、最難関と言われる1級キャリアコンサルティング技能士に一発合格することができました。

■自分を殺さず、でも社会や組織と繋がり、試行錯誤していけるマインド磨きを

――ご自身の活躍を通じて、どんな社会をつくっていきたいですか?

 誰もがやりたいことを素直にチャレンジできる社会にしたいです。私は堪え性がないタイプなので好きなように生きてきましたけれど、本来やりたいと思っていることを抑えながら生きている人は少なくないのではないでしょうか。新型コロナウイルスの影響で、一度立てた目標が計画通りに進まなくなった人もいるはずです。
 一方で、これからはAIなどテクノロジーの発達によって労働の自動化が進んで、人間がやらなければいけない仕事は減ると言われています。そんな時代においては、自分がやりたいことにすぐ踏み出せる行動力が問われます。今までは、やりたいことを考えるって、ワガママというか、自分を殺して組織に合わせなければならないような空気もあったと思うのですが、これからは、自分を殺さずに、でも自分の意思で社会や組織と繋がって、自律した同士で試行錯誤していくことが必要になるのではないかと思います。
 社会も変わらないといけませんが、それ以上に、個人のマインドも磨いていかないといけない。その変化を後押しできる支援をしていけるような役目を担っていきたいと思います。

(取材・文/宮本恵理子 撮影/稲垣純也)


◆インタビュー後記◆

ちかさんと初めてお会いしたのは、文中にも出てくる法政大学の田中研之輔先生のオープンゼミに取材で伺った時でした。以来、SNSで知るちかさんのご活動はとてもアクティブで「学びの意欲に燃える女性」という印象。私のインタビュー講座に参加してくださった時にも、いつも熱心にメモを取り、講座のスピンアウト企画の勉強会の記事執筆の機会にも「ハイ!」と即座に手を挙げ、素晴らしいアウトプットを共有してくださいました。(インタビューは、自分だけでは到達できない世界を見せてくれる最高の仕事/THE INTERVIEW公開トーク Vol.3 北野唯我さんhttps://note.com/y_chikanaga/n/n06c9ddde67df

そのご経歴や保有資格を知るほど、非常に専門的な知識と経験を備えた方であることが分かるのですが、ちかさんはそれを決してひけらかすことなく、誰に対してもオープンな空気を放っています。今回のインタビューはオンラインで実施しましたが、画面を通じてもその眼はまるで20代のようにキラキラと輝き、好奇心に満ち溢れているのでした。お話の中では、キッザニア時代の人材教育改革の際に「現場に立つ一人ひとりに話を聞く姿勢を大切にした」というエピソードが特に印象的でした。今度はぜひ、ちかさんがナチュラルに備えていらっしゃる「聞く力」の秘密について、インタビューしてみたいです。ちかさん、素敵なお話を聞かせていただき、ありがとうございました^^!


*宮本さんのインタビュー特化型ライター養成講座「THE INTERVIEW」
https://the-interview.jp/
*アクティウム・ラーニングラボ…セミナー/ワークショップの実施、キャリアコンサルティングなど(副業)
https://actiium.jimdofree.com/
*キャリアック…キャリアコンサルタントやキャリアに関心がある人の学び合いのコミュニティ
https://www.facebook.com/groups/969364549865209/


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