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33/100 『あおい』西加奈子



以前 西さんの『まにまに』の感想を
書いたときに 「『あおい』が好き」
というコメントをもらったので
ポチってみた。

調べたら『あおい』は西さんのデビュー作らしいので教えてもらって良かったと思った。

女の友情は脆く薄いと私は思っている。
まぁ それは単純に自分がそういう人間関係しか気付けなかったというのが大きいと思うけど私だけじゃなくそう感じる人もいるんじゃないかな。
だけど すべての女性がそうだということではないし
私自身同性同士の強い絆みたいなものを
感じたことがある。

それは だいぶ昔の話なんだけど
当時働いていた会社の忘年会に出席し
気付けば終電。
忘年会シーズンの金曜の終電は
いつもの終電より超絶に満員で
それは朝の満員電車よりもスゴかった。
私は運良く始発駅から電車に乗れたため
座ることができたのはいいけど
前につり革を持って立ってる人は押すに押されて 座ってる私と顔がかなり近づいてしまうほどに仰け反っていて
かろうじて立っているというか
もうもはや立てていないレベルで
それはもう恐怖さえ感じるほどの光景だった。

そしていざ私が降りる駅に着いた時
立つのもやっと。 サラリーマンたちは
「降ります!」と何度声をあげても
なかなか場所をあけてくれなかった。
みんな自分で必死だった。
「これ もう降りるの無理かも」
と諦めかけたその時
キャリアウーマンって感じのかっこいい女性が
「降りる人がいます!開けてあげてください!」
と声をあげてくれた。
そして私に
「負けないで!頑張って降りて!」
と声をかけてくれた。
それをキッカケに他の女性たちも
「降りる人います!」
と声をあげてくれて一生懸命
道をあけてくれた。
彼女たちのおかげで無事に降りることができた。

女性同士の絆というか連帯感というのは
時にすごい力を発揮するのだ。
私は あの出来事を一生忘れない。

『あおい』の主人公は同じトラウマを共有するみいちゃんという友達がいるのだけど
私もみいちゃんのような友達が欲しいなと思った。
みいちゃんは 小説家を目指しているのだけど小説を書いていない。
バンドでメジャーデビューするのが
夢と言いつつ バンドさえ組んでおらず
特に音楽活動も何もしていないという
知り合いの友達の話を思い出した。

そして この本の最後の「解説」が
昨日読んだ 山崎ナオコーラさんだったことに興奮した。






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