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はじめての心療内科

娘の初めての心療内科は、奇しくもクラス替えのことを知った直後だった。
初診は平日しかダメだというので、たまたま、1年生と2年生の間の春休みに予約を入れていた。

毎日電車通学をしていた娘から、どうも電車が怖いんだと告げられたのが1年生の秋頃。電車に乗るとドキドキして息がしにくいと言うので、最初はカウンセリングでも受けてみようかと軽い気持ちで訪れた。

そこで初めて「パニック発作」という病気と出会う。
聞けば聞くほど、娘の状態と合致していた。

その病院は小児専門の児童精神というものを扱う病院で、まずは予約の取りづらさに驚いたものの、常にいっぱいの待合室から精神疾患を患う子供の多さにもっと驚いた。

娘だけじゃないんだと思う反面、この子達がおかれている社会は、なんと生きづらいことかと思うと、先が見えなさ過ぎて途方に暮れた。

投薬とカウンセリングと診察を併用し、娘の治療が始まったものの、私の頭は追いついていなかった。

その頃から娘は「自分は癌かもしれない」とかよく言うようになり、今思えばそれが強迫観念からくる強迫行動だったわけだが、当時の私は娘の様子は怠惰にしか映らず、何でこんなに弱い子に育ってしまったのだろうと、少なからず思っていた気がする。そしてそれはきっと、本人にも伝わってしまっていたのだろうと思う。

精神疾患というのは本当に厄介なもので、周囲から見ると理解が得できなかったり理不尽だったりすることが多い。本人の「マイルール」がそうさせているんだろうけれど、そのルールは本人以外には全くわからない世界だ。

中学入学を機に約束していたスマホを与えたものの、何でも”ググって”は不安になり、を繰り返していたことに気づいたのは、随分経ってからだった。

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