grey

突然世界が色褪せて
海の中に投げ込まれるように
突然息苦しくなる
突然世界が遠くなる


まるで発作のようにやってくるそれは
世界にグレーのフィルターをかけたように
繰り返し繰り返し感じるこの世界は
冷たくて暗くて息苦しい

全てがうまくいかない苛立ちからなのか
わけのわからない焦燥感に
涙とともに溢れる怒りを
家族にぶつける

暗い部屋に戻って自己嫌悪して
死にたいなあ、と呟く
もちろん死にたいわけではないのだ
消えてしまいたい、逃げたい
その言葉に近いような
まだこれだという言葉は見つかってはいない

ぼーっとただ一点を見つめているだけでも
酷く疲れる

自分の感情に追いついていけず
周りも巻き込むことが分かっている
独りにならなければと部屋に篭れば
悪化するだけなのだろう

それでも今日は終わり明日がやってくる
鬱とはいつまでも私の中に潜んでいて
そしてそれを呼び出すトリガーは
意外なところにある
自分でも自分がわからない
自分でも自分が怖い
自分に疲れる

それでも生きている
何かに呼ばれるように音楽で耳栓をして
外に出るのはあの頃からの癖のようなもので
暗くて怖い夜道を
ひたすら歩く抜け殻みたいな自分が
なんのために歩くのか

外に出て帰ってくるまでのことは覚えていない
それでもまた暗い部屋に戻ってくる
あの頃と変わらない

世界の色がつくのも簡単で
世界の色が褪せるのも一瞬だ

繰り返しトンネルに入るような景色は
目に焼き付けておくべきなのだろう

今は出口のないトンネルに入ってしまったんだろう、そういうことにして
またそのトンネルから抜ける日も来るだろう

もういいんだ何をするにも疲れる日
そう思うことにしよう

病院に行くことはきっと必要になるだろう
無ければ生きられないのが嫌だと思うけれど
実際そうなのだ
なくても生きられる日はやってくる
度々限界がやってくるだけのことだ
それでも今はただ生きるだけ

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