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【ワイン】この6種類さえ知っていればワインに詳しい人です

...

『私は重めの赤で、君はどうする?』

客の男性がドヤ顔で、意気揚々とソムリエにオーダーしている。
一方、同伴している女性は、ワインには余り詳しくないようで、リードして欲しそうに困っている。

まぁ、何というか。ワインバーでよくみる光景だ。

ソムリエ「普段、どのようなワインを飲まれますか?」

この返しの質問も、何回耳にしたか分からない。

男『いや、う~ん、...』
ソ「本日、赤で重めのものをご希望でしたら、こちらの●種類をお勧めしております」

それぞれのワインについて、味わいを懸命に説明しているが、伝わっているかは微妙な反応だ。とはいえ、候補を見せられれば適当に直観で選ぶだろう。

男『じゃあ、私はコレで。』
女性の方も、同じのでいいです、といった感じで、とりあえずオーダーは決まったようだ。

カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨン。
確かに重い赤ワインの部類だろう。やったね!

ワインがグラスに注がれ、男性が口をつける。ソムリエも緊張の瞬間だ。

ソ「お好みにあいましたでしょうか?」
男『美味しいね!そう、こういうしっかり重くて、甘くない赤が好きなんだよ~。どう?ここ来てみて良かったでしょ!!』

(…んんん?)

二人も退店し、また静かになったので、ソムリエと話し出す。

私『さっき、あちらにいた二人が飲んでいたカリフォルニアを』
ソ「カリフォルニアを飲まれるの、珍しいですね。どうぞ」

(そりゃそうだよな、やっぱ甘いじゃん...)

私『このワイン、重いは重いですけど、果実味が前面に出ていて、分かり易く甘い部類じゃないですか?』
ソ「そうですね笑。まぁ、お客さんによって、同じ表現でも意味が違ってしまうのが、難しいところです。ワインに慣れている方だと、そんな事ないんですけどね。」


男性は、いいお店に連れていって女性にドヤ顔できて、気持ちよく飲んで帰ったのかも知れないけれど、私はこう思うんです。


女性にドヤ顔したいなら、オーダーとか含めて、
ちゃんとエスコートしてあげなさいよ!!!!!!!!


余計なお世話と叱られそうである。

でも、同じ金額を出してワインを飲むのなら、一人でも二人でも、最大限楽しんだ方が得じゃないですか。
特にワインは、ほんの少しの知識があるだけで、飛躍的に楽しめるようになるんですよ。

当然、ウンチクを語るのはNGですが、楽しく飲めた方が、相手も気持ちよく酔ってくれて、いい時間を過ごせると思いますよ。


という事で、長くなりましたが...

今回は、好みのワインを見つけ楽しむ為に、ソムリエと円滑にコミュニケーションを取れるようになる事をゴールとして、どんなワインの経験を積めばいいか?というテーマです。

ワインに関しては、どうしても経験がモノを言う側面が強いお酒です。ただその中でも、

『これさえ飲んでおけば、ソムリエとのコミュニケーションがスムーズに行える』という水準に達するまでの、最短ルートをご紹介します。

最低限これを抑えて貰えれば、相手が性格の悪いワインオタクでもない限り、

絶対に!!!!
恥をかく事はありません!!!!!!!

そこで今回は特に、レストランやワインバーで、ソムリエに相談する際に具体例として伝わり易いワイン赤から6種ピックアップしました。

※ 生産者によって例外があるものの、一般的な傾向として大事なポイントを記載します。


◆ I. ボルドー左岸
[カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、他]

格付けシャトーなどを擁する有名ワイン群がこれです。(格付けと味わいが、ややアテにならないので注意。)

お正月の某番組によく登場します。
ただ、100万円は大袈裟じゃないですかね...?

熟成年数が若めだと、渋くて酸っぱい、赤ワインが苦手な人のイメージのそれに近い。けれども、熟成を経て真価を発揮した時の感動もまた凄いなんとも気難しいワインです。

ちゃんとしたワインバーで、飲むに適したタイミングで提供して貰いましょう。


◆ II. ボルドー右岸
[メルロー、カベルネ・フラン、他]

同じボルドー地方のワインでも、ドルドーニュ川からジロンド川が流れる東側の地域で作られたワイン(逆に、左岸はガロンヌ川からジロンド川が流れる西側の地域になります)。

メインで使われる葡萄の品種の違いもあり、ボルドー左岸のワインよりも、酸味は穏やかでタンニンも滑らかな事から親しみやすく、比較的若いうちからでも美味しく飲めるケースが多いです。

余談ですが、ボルドーの左岸と右岸の違いを知っているだけで、結構ワインを勉強している・知っている人になります。

ここまで読んでくれた貴方です、おめでとうございます!!!


◆ III. ブルゴーニュ
[ピノ・ノワール]

ピノ・ノワールという同じ品種のワインなのに、生産者や場所によって、こんなにも味わいが変わるものかと、ワインの芸術性や哲学に嵌ってしまう人が続出する、そんなワインです。

ボルドーの両ワインと比較して、酸味はあるものの渋味は弱く、スミレの花に例えられる香りなど、繊細さが特徴的なワインです。

畑に格付けがされており、ワイン名に、「より地域が限定された固有名詞」がついている程、価値が高くなります。

もしかしたら聞いた事があるかも知れません、本当に1本100万円を超えるワインの≪ロマネ・コンティ≫、あれもブルゴーニュの畑の名前なんですよ。

Grand Cru(特級畑)
> 村名+1er Cru(1級畑)
> 村名
> 広域ブルゴーニュ

同じ畑でも、様々な生産者がワインを作っていて、覚えるとキリがないです。私個人としては、格付けよりも生産者が大事だと考えています。


◆ IV. ローヌ
[グルナッシュ、シラー、他]

ボルドーとブルゴーニュの2大フランスワインの影に隠れがちですが、スパイスに例えられる特徴的な香りがあり、好きな人は本当に好きなワインです。

特にグルナッシュは、糖度が高くなり易い品種であるため、アルコール度数が高くなり、その甘みを感じさせる事が多いです。

メイン料理が、鹿肉など癖のあるジビエだった場合、メインにあわせてローヌを下さい、といえばカッコつくので覚えておきましょう。


◆ V. カリフォルニア その1
[カベルネ・ソーヴィニヨン、他]

オーパスワンが超有名です(シャトー・ムートン・ロートシルトといい、販売戦略に頼りs......)。

私は、カリフォルニアワインを余り好んでは飲まないのですが、ボルドー左岸との比較対象として大事なワインです。

同じような葡萄品種を使っていながら、生産された国・地域によって、こんなにも違うものかと実感できると思います。

果実味がかなり強くリッチな味わいであり、タンニンもしっかりしていて、≪分かり易く≫美味しい事が多いです。酸味も穏やかで、甘味を感じ易いワインの部類です。

ボルドーと比較して気候が温暖なため、葡萄が熟し易い=糖度が高くなるというのが、この甘味が出易い傾向になる理由になります。

ブルゴーニュワインがモデル系の美人なら、カリフォルニアワインはグラビア系の美人といった感じです。どちらの良さもあるって事ですね。教科書的なテイスティングコメントではありませんが、割とよく通じる表現です。


◆ VI. カリフォルニア その2
[ピノ・ノワール]

所謂、カリピノという独自のジャンルを築いているワインです。

カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンと同様の理屈で、ブルゴーニュと比較して果実味がかなり強く、甘くなる傾向にあります。

赤ワインに対して、酸っぱいor渋いから好きじゃない、という印象を持っている人は、カリピノから入るのも一つアリかな?と思います。


ところで先程、≪分かり易く≫と書きましたが、ワイン界隈ではネガティブな表現になってしまいます。ワインは、複雑な味わいこそ上質なワインの証になるので、≪分かり易い=単調≫という意味になるというのが理屈です。

同様に、初心者が言ってしまいがちなのが、≪飲み易い≫です。ゴクゴク飲める=味わう価値がない、という意味になってしまうので、少しだけ気を付けましょう。

ですが、初心者の方は、まずはシンプルに、美味しい!美味しくない!!で楽しむ事の方が重要だと思います。興味ある話ならともかく、ワインオタクが何かぶつぶつ言ってきたら、適当に無視しましょう。


最後に...

以上、赤ワインの代表選手を紹介しました。

イタリアや、他のニューワールドはどうなんだよ!といったお叱りを受けそうですが、そういった知識がある人は、この記事の対象からやや外れるので、添削をお願いします笑。

例えば、イタリアワインしかオンリストしていないお店だったとして(イタリアンのレストランではよくあります。仮に他国のワインがあったとしても、イタリア同士で合わせた方がスマートだと思います)、上記6種類の内のどれが好みかを伝えれば、あわせてサービスして貰えるはずです。

いかがでしたでしょうか?
この知識を生かして、女性を口説けた方がいたら、ご報告お待ちしております。

ここまで読んで下さって、ありがとうございまいた。


...白ワイン?

シャルドネって言っておけばいいと思うよ!!


(シャルドネはともかく、他の品種は品種特性の羅列になりそう......^^;)

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