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なぜ、水引なのか

ものづくりをする人の中でも、『割となんでも作れる』という人は少なくないと思うのだが、私も例に漏れずそんな人種。

幼少期から一人でフェルトで縫い物をしたり、これまで手芸と言われるほとんどのものを趣味にして過ごしてきました。中でも難解な編み物に至っては、酔いそうになる複雑な編み図すら独学で難なく読めたりします。※頭は良い方ではない

そんな私ですが、残念なことに趣味は多くても、飽きっぽいのが欠点。これまでの趣味に長く続けてきたものは一つとしてないのです。

おそらくそこそこの器用さがあるが故に、数年ぶりに突如思い立って作り始めても、それなりのものが出来るというのがあります。特別続けてきた訳でなくても。これは、器用貧乏あるある話。

ところが、昔から飽きっぽいこの私が、5年間1度も飽きることなく唯一関わり続けているのがある。
それが "水引" なのです。

"なぜ、水引だけは一度も飽きたことがないのか?"

実はハンドメイド市場では、毎年のようにあたらしいハンドメイドが出現しているのだそうです。そして一度流行したものは、だんだんと淘汰されていく。水引も、TIERの長浦ちえさんの起こした水引ブームが落ち着いて自然淘汰されてもおかしくないはずでした。ですが、不思議とブームの終わった感が「少なくとも私の中では」あまりない気がするのはなぜなのだろうか・・・

まず、水引は他のハンドメイドとは確実に違う質をもっている。

水引には水引にしかない、独特の伝統文化があります。手芸や工芸として発展する前に、暮らしに密接に関わる、「国の伝統としての文化」がある。

私が初めて水引に魅了されたのは、和紙の美しい折形に慎ましく添えられた姿でした。その佇まいの奥に、日本人の奥ゆかしさを見たからです。

また、水引と切っても切れない関係にあるのが「陰陽五行」という古代中国の自然哲学です。水引は、この陰陽五行の考えをもとにした様々な作法を持ち合わせています。

一番わかりやすいところで言うと、赤白の水引を使うときは左側に白を置き右側に赤がくるようにする、というようなものです。陰陽では、南を向いた時に日の出の方角・東にあたるのが左手側となり、陽の色として左手側に白(昔は太陽を表す色は白だったそう)を置くのです。
それから、吉事(や弔事)など人生の特別な節目に使うときは奇数の本数で結ぶというのも陰陽からなる心遣いです。
これらは、作法やしきたりというより、相手への心遣いそのものに感じます。想いを伝える手段として使われてきたからです。

このような背景も、水引に特別な魅力を感じる要素。

それから、金銀・紅白・原色イメージの強い水引ですが、意外と可愛い色が豊富なのも、興味を引く大きな理由です。水引は今も、古い色は廃盤になりそして新色が追加され続けています。

飛鳥時代から始まったともいわれている素材がいまも更新されているんですよ? ※諸説あり。また飛鳥時代は麻紐だったといわれています。

ちょっと信じられませんよね!洋裁・和裁と歴史はそう変わらないのでは?とすら思ったりします。


"水引にしかないストーリーがある"

人は背景のあるものに惹かれる。
この長い歴史の中で、用途を変え少しずつ進化しながら、水引と日本人の関係は続いてきました。
この歴史と背景が、他の素材にはない、日本人の心を捉える魅力を放っているような気がしてなりません。

"そして、これからも一緒に寄り添うべき文化であり、必要な存在"

XYZ. では、主に扱う素材に
水引、木、麻(おおあさ、リネン)
があります。

これらは全て、私たちの暮らしの営みに密接に関わってきたもの。
物質的にも精神的にも私たち人間を支えてきてくれた存在です。

自然が生む美しさをより身近に感じながら、日々のインテリアや暮らしをもっと楽しくするようなアイテムをご紹介していきたい、というのがXYZ.の想いです✧

ご興味のある方はまずはInstagramをご覧くださいね。
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