「人を動かす」言語化スキルとは①

ビジネスではこれまでの教育現場と違って、「伝える」ことを目的にして言語化してもうまくいきません。「言ったつもりだった」とか「そんなことを言った覚えはない」とか、そもそも「伝わっている」と思い込んでしまえば、言語化すらしなくなることもあります。日本では、空気を読む文化が発達していることもあり、「言わなくても分かる/分かってほしい」という思いを強く持つ人がビジネス場面でも多くいます。
 しかし、それぞれが異なる文化背景、学んできた環境の違い等々を考えると、ビジネス場面で「言わなくても分かる/分かってほしい」はあり得ないことです。期待すら持ってはいけません。
 ましてやこれから日本語を母語としない人と一緒に働くことも普通になるかもしれません(同じ日本語でも困難なケースがほとんど)。
 繰り返しますが、ビジネスでは「伝わる/伝わっている」かどうかではなく、「人を動かせるかどうか」が重要です。
 人を動かせるかどうかは、いかに「共鳴できるか」ということでもあります。
 つまり、それまで異なる世界にいた、話し手と聴き手が言語化を通して「共鳴する」ということです。「共鳴」とは、ある振動に触れると、もう一方も振動を始めることです。
 ある振動とは、分かってもらいたい/理解してもらいたいというエネルギーです。「情熱や熱意」といってもかまいません。どのように振動するかが分かってもらいたい/理解してもらいたい内容です。
 これを言語化を通して行うことが、人を動かすと言うことができます。
ということは、人が動くまでには、次の①②をクリアする必要があります。
①話し手と聴き手が「分かってもらいたい/理解してもらいたいという」という意図(何をしようとしているのか、それはなぜか)を「同じように」理解する。
②①でその意図を分かち合ったとして、相手にも動いてもらいたいというエネルギーまで分かち合う(エネルギーを共有しないと振動はしない)。

①②を踏まえて、私はビジネス場面(就活・転職活動含む)で今以上の成果や出会いをもたらすために必要なスキルを「言語化スキル」と考えます。
 さらに、ビジネスに特化すると、数ある「言語化スキル」から7つのスキルが必要だと考えます。その7つの言語化スキルをブラッシュアップして駆使できるようにお手伝いをすることを「言語化支援」と定義しました。
 次回、その7つのスキルを一つずつご紹介します。
 
 
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?