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【隙間怪談-2-】

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#守護霊

護るために

護るために

辺見くんは、子供の頃に自分の名前を漢字で書く事が出来なかった。

「へんみ、って小学校2年生までは平仮名でなんとかなってたんですけどねえ」

どうしても「辺見」という字が書けない。
漢字練習をどれだけしても、どうしても「辺見」を書く事が出来ない。

どのように書けないか、というと辺見の「辺」の“しんにゅう”から書けない。

点を打った後、ふにゃふにゃと曲げようとするとそのまま手がぐるんと円を描くよ

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仲人のような守護霊のような

仲人のような守護霊のような

「もう20年位前の話……中学生の頃、枕元に男が立ったのよね」

そう話してくれたのは先原(さきはら)さん。
美容師である彼女はさっぱりとした口調で先にそう言った。

「枕元に、こう……」

深夜、パッと目が覚めるとその男がベッド側に立っていたのだという。
真っ黒なシルエットだが、どうにも身長が高そうに見えたので男性だと直感でそう感じた。

――――不審者だ!

先原さんは咄嗟に家族に助けを求めよう

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