すきだった人を忘れたと思っていても、忘れるなんて無理なことだった

すきだった人と別れたあとって、基本は顔合わせたくなくなってしまう。同じ空気を吸いたくないって思うときもあるし、一生関わりたくないって思うときも、もちろんある。でもそれって別れ方によるもので、諸事情で別れざる終えなかった場合もあるから、別れた人は絶対こうだよ！！！ってのは言えないけれども。

よく言われている「男は別名保存」「女は上書き保存」も絶対的なものではなくて、多分こうですってことでしかない。性別なんて関係なく、その人それぞれどう残しているかによるとわたしはそう思う。

＊　＊　＊　＊　＊

先日、いや本当数日前に元カレと会った。

いままでは会うのがこわくて避けていた。タイミングが合わなかったってのもあるのだけれども。さよならしたときが本当に悪かったのもあり、とてつもなくこわかった。でも本当タイミングよかったのかわからないけれど、わたしが働いているお店に来てくれていてわたしは休んでいたのだけれども「あいつ呼んでや！」「え、嫌がると思うで」「ええから呼んで！」って仲良しの子から連絡もらって会いに行った。

だいすきでだいすきで仕方なく、この人と本当に結婚したいと思っていた人だった。たのしかったことよりも、かなしかったことの方が多かったのでは…と思うくらいたくさんいろいろなことがあってお別れした人。

どんなことがあってもずっと一緒にいたくて、ずっと繋がっていたかった。あなたのいちばんの理解者でいたかったってお別れしても想っていた。きれいなお付き合いをしていたわけではなかったけれども、大切な人には変わりなかった。ほかの人と付き合っても、本命と大切な人ってわけていたくらい大切だった。

4年5年ぶりくらいに会ったと思っていたら、思い返してたら3年くらいだった。まあ、そんな変わらないけれども。この年の3年ってものすごく変化の多い時期だったんだなって今更ながら実感した。わたしは未だになにもなく、この3年で変わったことって一人暮らしはじめてキャバ嬢になったことくらい。それなのに元カレは結婚して子どもが2人も産まれてしあわせになってた。

同じ職場の子に聞いて元カレの近況などは知っていたけれども、会ったときに携帯のロック画面が子どもの写真で、本当もうなにも言えなかった。「あ、そっか……」って感じで、本当に。別に彼のしあわせ潰そうなんて考えてはいないし、不倫しようだなんて思ってもいない。まったくそんなこと考えていない。あとでわたしが痛い目に合うのわかっているし、先のしあわせなんてないもの。わかっている。

ただあの頃もうすこしわたしが我慢することができていたら、いま彼の隣にいるのはわたしだったのかなって思うと、すこしだけかなしくなった。わたしの方が彼のことだいすきなのにって。わたしがずっと支えていたのにって。でも、空白の3年間はどうしても埋まらない。わたしの知らない3年間。空白の3年間、彼にとって大変なことがあったの知っているから余計にそう思う。

3年ぶりに会った彼はなにも変わっていなくて、泣きそうになったくらい安心した。「お前顔見て話せよな笑。」って何回も何回も言われるくらいには、本当に顔を直視できなかった。それくらいわたしなんか緊張しちゃって、彼の顔を直視するのがいろんな意味でしんどかった。

お店で彼とってもたのしそうにしていて、わたしなんかそれ見て安心して。3年前と変わらず接してくれたことも、すごいうれしくて。やっぱりわたし、彼のこと大切だって実感した。彼もいろいろ気になってたのか、わたしのこと聞いてくれたのはすこしびっくりした。

お店出てからもみんなで軽く遊びに行ったときも、ずっとわたしのそばにいてくれて。わたし、もうそれだけでうれしかった。苦しいくらいにうれしかった。「俺ってこれ上手いよな！昔めっちゃ一緒に行ったやん！？」って。ねえ、そんな前のこと覚えてくれていたの？わたしとの思い出覚えてくれていたの？そんな些細なことに感動してしまっていた。

帰り際に連絡先を教えられたけれども「LINE交換する？」「え？」「いらんのやったらええけどなー」って。ねえ、わたしのことすきでしょ笑。会えるのだって今日限りで、連絡先なんてそんなの思ってもみなくて…なんかもういっぱいいっぱいなのに、帰宅してお礼の連絡してすこしやり取りしたとき「久々に会ってかわいいと思ってしまったわ笑。」反則〜〜〜！！！！！！！！冗談ってわかっているけれども笑。

なんかこの一言で、この3年間引っかかっていたことが消えた気がした。ずっとすきだったし、離れたくもなくて。でも、離れないとお互いにとってもよくなくて。当時の選択が正しかったのかは、いまなら正しいって言える。

これできっとよかった、わたしもちゃんと自分で生きることができている。