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発達障害・精神障害当事者の住みやすいお家とは?

9月になり、今年もあと4か月。
年が明けたら不動産屋さんは繁忙期ラッシュ!

新生活に向けて、新しい物件を探される人も多いでしょう。

しかし、実際に引っ越してみて「何か違う」「住みにくさを感じる」人も多いのではないでしょうか。

今日は、そんなミスマッチを少しでも防ぐために、我々発達障害およびうつ病当事者にとって「住みやすい環境」とは何なのか、考えてみました。

先ずは自分の特性を知ることが大前提

発達障害やうつ病の特徴って、100人当事者がいたら100とおりの特性がありますが、大体共通して言えることといえば、

◇感覚過敏がある
◇疲れやすい

この2つが、うつと発達に共通する代表的な特徴かと思われます。
この2つの特徴にフォーカスして「どんな物件が住みやすいか?」といったことをお話します。

ワンルームか1Kかは、自分の特性に合わせて!

※単身者向けのセクションです。

感覚過敏の影響で「匂い」に敏感な方もいらっしゃると思います。

キッチンも1部屋の面積に含まれる「ワンルーム」は、安いし掃除が楽というメリットもありますが、料理した後の匂いが残ってしまったり、部屋でくつろぎたいときに「家事」に追われて疲れてしまうのではないでしょうか。

更に、キッチンと部屋が分かれていることでオンオフが付きやすいのも特徴的。

ただ、上述した通り、面積が狭い分掃除は楽なので、発達障害の特徴で「片付けが苦手」な人はあえてワンルームの物件にするのも手だと思います。

片付けられるか否かで、選ぶ基準が異なる!?

上述しましたが、発達障害の特性で「片付けが苦手」な人は特に押さえておきたいポイント。

「バストイレ別」か否かか。

ワンルームキッチン同様、掃除が楽ということがメリット。
ただし、匂いが気になったり湿気がこもりやすかったり、お風呂に入るのに生きづらさを感じてしまうことも。

もし片付けが苦手であれば、あえて3点ユニットバスの物件を選び、片付けを楽にする手段もあります。

北向きだけは避けて!

うつ病の原因の一つとして、脳内の神経伝達物質の「セロトニン」が不足していると言われています。

その「セロトニン」の分泌を促す1つの方法が「太陽光に浴びる」ということ。

したがって、南向きの部屋を選ぶことによって、太陽光が部屋に入ってくるので、部屋から出られない時でも光に当たれるし、ベランダに一歩出るだけでも気分転換になります。

尚、東向きと西向きでもOK。
ただし、北向きは、太陽光が室内に入りにくいので、あまりお勧めしません、、、
(北西、北東とかなら少しは入る)

北<北東・北西<東・西<南東・南西<南

といった順番に日当たりは良くなるかと思います。

宅配ボックスがある物件は尚可

正直、賃貸物件や戸建てだと少ないと思いますが、それを覚悟のうえで書きます。

うつ病の体調の波って、動きたくなくなる状態にまでなってしまいますよね。
いくら配送日・時間を指定しても、うつ状態の時にインターホンが鳴って、出れなくなってしまうと「ピンポン出れなかった・・・」と自分を否定してしまうことにもつながります。

配送業者はボックスの中に荷物を入れて、タッチパネルで部屋番号を登録。
そして入居者側は、事前に鍵をタッチパネルで登録し、鍵をかざしたり、専用のカードキーで操作することで荷物を受け取れます(物件によって操作方法は異なります)。

事前に登録だけしておけば、うつ状態の悪い時に荷物が来ても、宅配ボックスを介して体調がよくなった時に荷物が受け取れる。再配達の日時をスマホで指定したり、その調整をしなくてよくなります。

荷物って1回受け取れないと、再配達の調整先延ばししがちだから、発達障害当事者にとっても有り難いですね!

ロフトはなくてもいいと思う。

たまに見受けられるのが「ロフトあり」の物件。
正直、おすすめできません。

ロフトにお布団を敷いて寝たり、物置場所として利用する等、使い方は様々ですが、ロフトの中は夏は暑く空調も効きづらく、ハシゴを上るのも大変。不注意でハシゴから落ちてしまうリスクも。

また、ほこりがたまりやすい場所でもあるので、その分掃除が大変になるというのも、あまりお勧めできない理由です。

都市ガス◎プロパンガス×

意外と見落としやすいのが、都市ガスなのかプロパンガスなのかってところ。
うつ病の治療のために医療費が人一倍かかってしまう私たち。なので、固定費を少しでも抑えたいところ。

そこで盲点になりやすいのが光熱費。
プロパンガスの物件の場合、都市ガスの物件の何倍もガス代がかかってしまいますので、注意です。

また、私の実体験ですが、プロパンガスの物件で、ガス代10,000円超えした経験があります。

障害者福祉が手厚い地域を選ぶ

精神障害者福祉手帳2級以上を保持していたり、自立支援受給者証を発行していることで、医療費の助成金を受け取れたりする地域もあるようです。

昔住んでいた埼玉県新座市は、書面での申請および領収書の添付により、自立支援で賄えない残り1割の医療費が返ってきます(当時2級、本制度は等級によるかもしれません)。更に、所定の期間に然るべき手続きを行うことで、交通費の支給もあります。

住みたい場所を決めるときに、その場所に住む理由があるなら別ですが、ない場合「○○市 障害者 医療費 助成金」でググって調べてみるのも良いでしょう。

周辺環境も重要!?

発達障害の特性の1つ「不注意」。
その特性がゆえに、室内の段差や外の坂道や階段、狭すぎる道で疲労を感じてしまったり、気付かず転びそうになる人もいます。

物件の中の専有部分・共用部分は勿論そうですが、周辺の道路についても同じことが言えるのではないかと思います。

内覧し、いいなと思った物件は、不動産屋さんとその場で解散し、物件の周辺(最寄りの駅やスーパーまで)を実際に歩いてチェックすることをお勧めします。良い散歩にもなると思います。

・坂道の有無、ある場合傾斜はどのくらいか
・道路の幅、歩行者として余裕をもって歩ける道か?
・道路のアスファルトに段差はあるか?
・夜道は明るいか?

自分の疲れやすさや気分の変化と向き合う

うつ病や発達障害の人にとって疲れやすいという特性を持つ人も多いですよね。

疲れやすさを軽減するために駅近の物件を選ぶか、運動も兼ねて&家賃を抑えるという意味で、駅から若干遠めの物件を選ぶかはあなた次第。

また、バスに乗って行き帰りする物件もあるりますが、バスに乗って、電車に乗って・・・と、いくら最寄り駅から学校や職場まで1本で行けても、バスに乗らなくてはいけません。人混みから来る疲労を、より一層味わうことになってしまいます。

実際に内見してみよう!

一人暮らししよう、引っ越そう、と思ったら、不動産屋さんへ連絡しましょう。
SUUMO等からお問い合わせするもよし、不動産屋さんにアポなし訪問するもよし。ご自身のやりやすい方法で行いましょう。

まとめ

いかがでしたか?

◇匂いに敏感な人1K推奨
◇片付けが苦手な人は1Rでも◎
◇北向きはお勧めしない
◇宅配ボックスがあれば良い
◇都市ガス
◇障害者福祉に手厚い地域を選ぶ

ということが、発達・精神障害を持っている人にとって暮らしやすい物件なのではないでしょうか。

更に、ワンポイントアドバイスですが、、、
障害に対する偏見もゼロではないのが現実。不動産屋さんに障害のことはクローズにすることをおすすめします。

障害を持つ人にも平等に、素敵なお部屋と出会えますように。

サポートありがとうございます。今は医療の最前線で働く母にマスク買おうと思います!