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週報。集中力の残り粕で

仕事が佳境で、ボドゲ作りも天王山(11月のイベントに出店しようとすると最初の印刷締め切りは7月に来るのだ)。すると週報のタネが減っていく。
哲学や思索はそれをやろうとすること自体が心の余裕なのだなぁ、と身をもって感じる。体重を減らすための最初にすることが体重計に乗るのと似てるかも。


青春アニメの大豊作

月曜日、『泊まれる演劇』を終えて帰ってきた身体は思いの外、疲れていた。望むらくはボードゲーム作りを進めたいところだったがガス欠。そうなると映像を見るくらいの負荷しかかけられないので、アニメの機運が訪れるのであった。

ガールズバンドクライは思ってもないところから現れた伏兵だった。正直放送開始前はガールズバンドものでフル3DCGって特定の他コンテンツを想起させるものでしかなかったので。

始まって観るとあら不思議。異様に鬱屈としたものを抱えていた主人公がバンドを通して外界と関わり、”上手に折り合いを付けようとする嘘”に容赦なく小指を立てていく作品だった。

井芹は中学や高校、あるいは大学時代の視聴者が持っていた折り合いを付けられない、付けたくないものを肯定する存在だ。というか折り合いをつけようとするとキレてくる厄介な奴。それがどうしようもなく気持ちが良い。

その一方で、約束された優良作と言うべきがユーフォニアムの3期。
待ち続けただけのことはある。単純な絵の美しさや細かい仕草の活き活きとした感じ、純粋に映像の、音響の、演技の基本的な構成要素のクオリティが高い。

吹奏楽部の、合奏の話を1年生から3年生まで続けてきただけあって常に画面には映らないキャラクターのそれぞれに厚みが生まれている。
そんな生を持った人々の間を取り持ち、己の演奏を高め、進路も考える黄前久美子には恐れ入る。

また、個人的には定期的にこすられる「去年のリズと青い鳥」がどうしようもなくときめくものがある。『リズと青い鳥』は特別なので。

これらに加えてトラペジウムもある。トラペジウムが描く青春は、先日書いた通り。

青春アニメの大攻勢としか言うほかない。
痛みがある、派手に転んだ主人公たちが傷つきながらも立ち上がるこの手のアニメは堪らない。かなり遅れて観始めることにはなったが、あと1か月程度、精一杯リアルタイムに楽しませて頂く。

今週のコンテンツ

漫画『Artiste』10巻

Artisteという作品はずっと見守りたくなる、続いていく人と人の関わり合いがある。元々は主人公のジルベールが料理人だから、創作あるあるネタのようなものを、創作のエネルギーを求めて読み始めたのだが、いつしか興味は作品が伝えてくるテーマのような、空気感そのものに移った。

大きな起伏や転機は無い。現実の人生と同じで、急に成長したり変化することもない。出来事の積み重ねの結果としてそうなる、ということが地道に描かれている。

アニメ映画『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』

これもスポーツもので爽やかだし、ウマ娘同士の切磋琢磨があるが青春アニメとはカウントしなかった。

王道な展開で終始気持ちの良いエンタメ映画だったからだろう。

ウマ娘は実在の競走馬の物語をモチーフにした総合コンテンツだ。わざわざ言うのは私が競馬には明るくないから。今までのアニメ作品では、必ずと言って良いほど"故障"が物語の起伏を作るポイントに使われてきた。
ハッキリ言うと食傷気味であった。史実とのリンクを楽しめばそんなことは無いのだろうけど。「ここらで故障するんすかね〜」という気持ちを抱く様になっていた。ゲームでは"故障"しても騙し騙しして上手いこと育成を続けられるんだけど。

今回の映画は故障に依存しない、アスリートとしての壁、己との戦いがフィーチャーされたことに胸が熱くなった。主人公のポッケ(ジャングルポケットの愛称)は溌剌としていて、終始前に向かう。このエネルギーがウマ娘というコンテンツのエネルギッシュな部分そのものに思えて観るものに活力を与える。もちろん、私にも。
脇を固めるライバルや先輩も明確に切磋琢磨する相手であり、気持ちの良い関係。

来場者特典はダンツだった。大きな活躍は無い、がブレずに勝つ為に前に進み続ける芯の強さに胸を打たれる

また、作中での出馬の仕方、レース場の表現、取り巻く環境の進み方、それら全てにゲーム版ウマ娘との繋がりを感じたのも印象的。年末のホープフルステークスに始まり、三冠を経て、夏合宿でパワーアップしてジャパンカップに至る流れはまさにゲームで辿る流れそのもので、ゲームの思い出を追体験した。

おそらく映画版ウマ娘はザ・ウマ娘と言うに相応しい、コンテンツの核となるエネルギーを真っ正面からぶつけてくる作品だったと言えるだろう。



やはり思うのは…2件〆切を抱えてなお別のモノ作りを稼働できる余白が欲しい。その余白を増やしていくことが能力の拡張、あるいは脳のマルチスレッド化だろう。
それができるエネルギーを与えてくれ、ウマ娘。

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