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週報。サイコ主人公(サイコではない)に共感する

テストプレイ会で刺激を受け、ゲームメーカーズスクランブルで刺激を受け、マティス展で刺激を受け、刺激だらけの一週間だった。

これだけ刺激を受けてようやくボードゲームのアイデアに繋がるか繋がらないかなのだから刺激ガチャも楽じゃない。


青春の爆発、不理解が呼ぶ崩壊、そして残る

朝、twitterを眺めていて感情がラインを超えた。上映館は…、最寄りでやってる。開始は…15分後!?ギリギリ間に合う。帰りにミスドを買って帰るモチベを持てば、もし面白くなくても慰めにはなるだろう。自転車で飛び出した。目的はそう『トラペジウム』である

曰く、アイドルもの、主人公がサイコみがある、原作者が元アイドル、舞台挨拶にアイドルが来てて声優を見に行きたかったのに落ちた。これが事前情報。

結果的には純粋にエンターテイメントをする青春を描く作品だった。アイドルへの高まった憧れを持つ主人公、東ゆうが「可愛い女の子はみんなアイドルになれば良いと思う。綺麗な衣装を着てみんなに笑顔を与えて素晴らしいに決まっている」という青春の爆発で輝く。そう言う話だ。

東西南北、それぞれの方位を名前に持つ高校から一人ずつ集めてグループを作れば話題性がある!…と計画してる点が主人公の東ゆうがサイコ呼ばわりされる所以の一つだろう。
しかし、彼女の計画性はそんな大層なものではない。幾度となく、計画からは外れる。でも東西南北が各々に「一緒に楽しくやりたい」想いがあるから上手くいく。集まった時点でルックスが良い、もともと知名度がある、財力がある、と軌道修正が起こりえる要因が自然と集まっていたからだ。
結局東の計画が上手くいったのは彼女の行動力を偶然が支援したおかげだし、挫いたのも偶然で。突飛な話では全くない。

東西南北のメンバーは「アイドルをやりたい」で集まったわけではなかった。
東は、今はそうじゃなくてもそうなるだろうと思ってたわけでここが彼女の幼さ。物語を通して成長する部分だ。
「偶発的に人の人生に影響を与える」ことに耐えられないくるみ(この子、メンタルやられながらこの言語化をできてるのすごいな…)が折れるのをピークに崩壊するがまぁ妥当。(東が事ここに至るまで、映画の終盤まで「みんながアイドルになりたいわけじゃない」ことへの気づきをおくびにも出さないのはちょっと不思議。原作要確認かも)

結果的にグループは解散し、メンバーは散り散りに。その過程は全てが否定されるものではない。東はある意味騙していたように見える、がメンバーは薄々察していて、でも楽しいこともあったから一緒にいたことを否定しない。ここが美しいし、この美しさがあるお陰で今気持ちよく感想を書けている。
東の原動力なくして、東西南北が知り合うことはなかった。出会って助け合い、苦楽を共にし、ぶつかったからこそ、互いの良し悪しを認め合える。結果的に生まれているのは青春の輝きだ。

東ゆうに、共感する。
私の話になるがモノづくりは苦しく答えがない。でもその過程は新しい出会いを与えてくれるし、成長の契機になる。
「みんながモノづくりをすればいい」と、そう思ってレールを引いたり、後押しをしたり、そんなふうにやってきてそれが人を苦しめた自覚もある。面と向かって伝えられはしないけど。
それで東に感情移入してしまうのが、この映画が深く刺さっている理由だ。

トラペジウムはオリオン座周りの大星雲のことを指すらしい。
それぞれに別の輝きを持つ、強い煌めき。
アイドルに限らない。表に立つ仕事に限らない。関わり合うことで、見ようとすることで初めてその光を垣間見ることができる。

今週のコンテンツ

マティス展

自分のボードゲーム作りはそろそろ印刷物の作成に差し掛かった。
そこでUI、デザイン周りの刺激を得るために美術館に向かうことにした。

展示はマティスの作風の変遷をテーマごとに追いながら最終的に切り絵に行き着いた流れを見せている。時系列順でない展示は展示室内を行ったり来たりすることを求めるので混雑した土曜日には少し大変だったが、デッサンと色使いの両方を活かすために切り絵に辿り着いたって流れは「へー」と学びになった。

作品を見ていると抽象絵画の方向性が、デザインに向かい、今デフォルメと呼ぶものに行きついたのが目でわかる感じ。
ウリを尖らせて、重要じゃないところは目立たせない。「アニメみたいな絵だな」という感想も同じ意味になる。

フリップフラッパーズ

名作?らしいと聞き続けたものの積み続けていた作品。
遂に全話一気見配信が行われたことで見るに至ったのだった。

13話通して圧倒的な絵力とアクション、という感想。
その一方で人間の意識と連続して存在するピュアイリュージョンという世界の興味深さで引っ張るストーリー。なるほど面白い。

前半戦は毎話毎に異なる異空間で異なる度を続ける主人公らが描かれており、「単話形式で色々なタッチの作品を描くやつ…?」と思った。後半に入ってピュアイリュージョンの核心に迫り始めると…「異空間が現実を侵食してくるやつ…?」と訝しんだ。そして圧倒的なアクションには「ああ!あのアクションが激しいやつ!」と納得した。私の視聴経験の中でそれぞれに特定の作品を思い浮かべてしまったくらいにはそれぞれの特徴がハッキリしていて情報量が多い。

というか1クールアニメにそれだけの情報がつまってたら普通にお腹いっぱいになるのだった。2周3周と回す視聴者が居るのも頷ける。

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