当たり前の生活が出来るようになった
2月に入り、コロナに罹って調子を崩しては、メンタルももれなく、更に崩壊した。
私の鬱の最大の症状は、過眠だ。
過眠と言うか、正確には、ベッドから起き上がる気力を吸い取られる。
眠りにつくまでに4時間くらい平気で掛かってしまうこともあるくせに、一回寝たら、夕方まで起き上がれない。
夕飯前になると、ようやくベッドの中でスマホをいじれるようになる。
大のスキンケアオタクで、肌のため美容のためならどんな大金も惜しまないのに、そういう日は朝の洗顔すら出来ない。
トイレに這って行くのが精一杯。
風呂は2日に1回。
そんな感じ。
最近、そんなあまりの不調が続き。
2週間ほど前だっただろうか。
「これ、薬足りてんのかな?」
と、唐突に思った。
そして「足りてないに違いない」と勝手に決めつけては、独断且つ医師に無断で、抗うつ剤と精神安定剤、毎晩1錠ずつ服用していたのを、倍に増やした。
抗うつ剤ミルタザピン15mg→30mg、精神安定剤メイラックスが1mg→2mgといった具合。
増量すると、身体が慣れるまでは、副作用がつらい。
私の副作用は、過眠。
またしても過眠。
症状と同様の副作用(お前の身体紛らわしいな)
14~15時間寝ている、なんてことが普通に起こる。
今回は、増量2日目に副作用が無くなった。
そして、朝、身体が起こせる。
顔が洗える。
コーヒーが飲める。
部屋の掃除が出来る。
自分なりのモーニングルーティンを、一通りこなせる。
散歩程度なら、外にも出られるようになった。
ようやく、当たり前の生活を取り戻した。
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数日前、新しい病院にかかった。
勝手に薬を増量したことを、間違いなく注意されると思っていた。
増量した旨を伝えると、新しい私の担当医になった先生は、
「いいと思いますよ」
と、あっさりと認めてくれた。
効いていない量を飲み続けても意味はない、ということ。
増量や違う薬を試すというリスクを犯しながらの治療が、時には大切になる、ということ。
意外な治療の方向性が、ひとまず私に、普通の最低限の生活をもたらした。
久しぶりに出た外は、春の香りがした。
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