見出し画像

自己批判を賢く使うためのコツ「批判的思考」+27

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+20,+21,+22,+23,+24,+25,+26

前回は、自分に都合のよい言い訳を作る「自己ハンディキャッピング」について解説しました。

今回は、自己効力感を高めつつ、言い訳をしない考え方について説明します。

自己欺瞞の有用性と危険性

事実を自分の都合よく解釈する行為は、自分の身を守りも攻撃もします。時と場合によって、プラスにもマイナスにも働くのです。

たとえばぼくたちは、物事を成し遂げたときの有用感、つまり「自分はできるんだ!」という感情を感じるのが好きですよね。勉強や仕事でがんばるのも、この感覚が得やすいからでしょう。

この有用感が持続する自信は、言い換えると「自己効力感」と呼ばれています。ぼくたちはこの自己効力感があるから、新しいチャレンジがしやすくなるのです。

画像1

しかし大きな失敗をしてしまうと、この自己効力感は低下してしまいます。そして失敗すると次の2パターンの原因推測を行います。

画像2

1つ目は今まで話してきたとおり、認知的不協和や自己ハンディキャッピング。気分は紛れるでしょうが、自己効力感は得られずじまいです。「これがわたしの性格だし」と結論づけるタイプですね。

2つ目は、自分の行動を振り返り、責任を追求する思考。どこに責任があったかをしっかり確認するタイプですね。

どちらた原因推測に適しているかは言わずもがな。

自己批判の2ケースについて

自己を批判する行為には、原意帰属のパターンにある内的⇔外的のような区別があります。それは、内的と行動的です。

画像3

内的とは言葉の通り、自分の内面を批判する行為。行動的とは、自分が行った行動を批判する行為です。

自己批判でNGなのは、内的批判をして落ち込むこと。大事なのは、行動的批判に重きを置くことです。なぜなら行動を直せばいいだけ(コントロール可)なので、自己効力感が減少しづらいからです。

行動批判を増やすと、自己効力感を失わずに自分を客観的に考えやすく、問題解決も進みますよね。

まとめ

上手に自己批判できる能力は、批判的思考をする上で必須になるでしょう。自分を甘やかさず、しかし責めすぎない適度な批判が大事ですね。

【考えてみよう】
コミュニケーションは技術である!という主張を聞いたとき、この言葉を聞いて信じる人と信じない人がいるはずです。両者の違いについて、自己批判の2パターンの観点から考えてみよう。


読んでいただきありがとうございます。これからも読んでもらえるとうれしいです。