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非現実的な目標がもたらす悪い効用「批判的思考」+29

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+20,+21,+22,+23,+24,+25,+26,+27,+28

前回は、帰属を再考することで、自己効力感を高める方法について説明しました。今回は、帰属をするうえで無力感を感じやすくなってしまう非現実的な目標について説明します。

非現実的な目標は無意味

これは実話なんですけど、会社の社長が来年の売上目標を社員に発表するとき、「実現可能だと面白くないから売上50%伸ばすのが目標で!」と言ったんですよ。

その目標を聞いて社員のテンションはどうなったでしょうか。盛り上がった社員はほとんどいませんでした。なぜなら必然的に失敗することは明らかだからです。みんな無力感を覚えているように見えました。

ここでの無力感とは、自分では何もできないと思い込んでしまう感情のこと。

たとえば学校での成績が最下位の子が、3ヶ月で最上位に上がれるのは漫画の世界だけ。現実はステップバイステップでの成長が適切であり、非現実的な目標は無力感を生んでしまうのです。

もちろん達成不可能に見えて達成が可能な目標もあります。「10年以内に人間を月に着陸させ安全に帰還させる」というアポロ計画のような成功例もあるでしょう。

無力感を減らす方法

非現実的な目標が無力感を生む危険があるのなら、現実的な目標を立てれば危険を回避できる可能性が高まります。会社の例で言えば、現実的に手が届きそうな目標に向かって階段を登るイメージで目標を小さく分ければいいでしょう。

1ヶ月でのゴール、2ヶ月でのゴールというように、節目を作って前進感を作るのです。そうすることで挫折を味わいづらくなり、目標達成への意欲も高まります。

実現可能性がわかっているので失敗を恐れない行動も増え、なんでもやってみようとする姿勢も育まれてまさに一石二鳥。

大事なのは、合理的な目標を立ててその目標をスモールゴールに分解し、1つ1つクリアしていくことなのです。

まとめ

非現実的な目標とストレッチゴールは紙一重なのかもしれませんが、無力感に包まれたら本末転倒なので、基本は少しずつ上に上がれるような仕組みを作れるといいですね。バーンアウトも防げそうですし。

【考えてみよう】
非現実的な目標を追いかけて無力感に押し潰されそうになったとき、自己肯定感を高めるためにどんな施策を試せばいいだろう。すぐにできることを3つ考えてみよう。



読んでいただきありがとうございます。これからも読んでもらえるとうれしいです。