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クリティカルシンキング(批判的思考)

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2020年10月の記事一覧

スピリチュアルな思考に騙されず考える方法「批判的思考」+7

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4,+5,+6) 前回は原因推測の落とし穴の1つ、「相関の錯覚」について説明しました。今回は、「前-後論法」について説明していきます。 こんな前-後論法には気をつけるたとえば、2020年の東京都知事でAさんが知事に決まり、2年経ったとしましょう。そのときAさんはこう主張します。 「わたしが知事に就任したため、プラスチック袋の使用が減り、環境問題が改善しました!」 数字で確認しても、Aさんが就任してからスー

これを検討する前に原因を推測してはいけません「批判的思考」+6

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4,+5) 前回までで原因を推測するための3つの基準を説明しました。しかしこの3つ以外にもクリアしなければいけない問題があります。今回は、原因推測を間違えやすい4つの落とし穴の1つ、「相関の錯覚」についてお話していきます。 こんな共変関係には気をつける相関の錯覚とはつまり、共変関係が存在しない部分に相関関係があると錯覚したり、相関関係が過剰にあると勘違いしてしまうことです。 相関関係があると思いこんでしまう

因果関係を推測するときに見落とすと騙される大事な基準「批判的思考」+5

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4) 前回と前々回で因果関係を決定する基準である「共変関係」と「時間的順序関係」を説明しました。この2つが揃っていれば原因として使えそうな気もしますが、もう1つ考慮しなければいけない基準があります。 それが「第3変数」。これが難所なので、きっちり理解しておきたいところです。 こんなときに第3変数をチェックする共変関係もあり、時間的な順序も合理的に問題がなければ、それは原因として考えられます。しかし、共変関係

鶏が先か卵が先か問題に戸惑う諸君へのアドバイス「批判的思考」+4

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3) 前回は因果関係を決定する基準の1つ、共変関係について説明しました。今回は、2つ目の基準である時間的順序関係について説明していきます。 時間軸が論理的かを把握する前回と同様、クレヨンしんちゃんの家族を例に出してみましょう。しんちゃんが部屋を散らかすほど、みさえの怒りも増えていき、両者は共変関係にあると言いました。 では時間的な順序はどうでしょうか? みさえは、しんちゃんが部屋を散らかしたから怒っていますね。