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喜怒哀楽

生きるとは

己(おのれ)にとって戦いである

法と秩序(ちつじょ)ある世で

歳を重ねると

高き理性を求められ 

闘争(とうそう)痛み

死に近き緊張感

命を

爆炎(ばくえん)の如(ごと)く

燃やさなければ

生への渇望(かつぼう)を

満たせぬ者は

労働という檻(おり)の中で 

抗い続け  力尽き  膝を折り

前のめりに倒れ

手を付いて

己(おの)が心体(しんたい)を

支えも出来ず

倒れ込む先に叩きつけられ

絶望という名の奥底へ

沈(しず)み逝(ゆ)く

感情の喜(き)怒(ど)楽(らく)

忘却(ぼうきゃく)し感じず

哀(あい)だけが鮮明に刻まれ

涙止め処(ど)も無く流れる

その涙は

折れた諸刃(もろは)の刃(やいば)を

錆びつかせ鎮(しず)め癒す為と知る

流れ続けた涙は 

ゆっくり時間を掛け

怒(ど)の根源(こんげん)を断(た)ち

徐々に喜(き)と楽(らく)を呼び覚ます

あたかも防衛本能だったと

知らしめるように 

これ以上 

傷つかぬようにと 

だが 

生への希薄(きはく)さ

生への渇望(かつぼう)

生きている実感が戦いであり

怒りこそが行動原理

己(おの)が魂の本質であり 

錆(さ)びつき折れてなお

その芯にある鋼(はがね)は

錆(さ)びず

打ち直し 

研(と)ぎ澄(す)まされる

その時を願い 

一振りの刃に戻る日を望む

その末路が破滅(はめつ)であると

知りながら

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