「インポスター」Inner MBA 体験記 #24

インポスター症候群。日本語にすると詐欺師症候群。Inner MBAで初めて聞いたこの言葉が印象に残ったので、今回はこのユニークな事象について記してみたい。

今週のQ&Aセッションの中で、とある女性生徒が「私はインポスター症候群を抱えている」と告白した。

彼女はプロのマインドフルネストレーナーとしてスタートアップで研修プログラムを立ち上げており、NPOでも働いており、自分にとっては夢の仕事だと言っている。そして最近も別の大きな仕事を受けた。ところが、自身は「インポスター症候群」に陥り、そのプレッシャーに押しつぶされそうになっているという。

私はその言葉が初耳だったので、すぐにググってこの記事を読んでみた。

インポスター(imposter)とは詐欺師という意味で、インポスター症候群とは「名声や成功を手に入れた人が、自分の能力はさほど高くないのに過大評価されている、周囲をだましている詐欺師のような気分になる」という心理状態である

一見すると贅沢な悩みのようにも思えるが...。皆さんの中にも少しは思い当たる節はあるのではないだろうか。

なお、具体的なケースや専門家の意見は上記の記事に詳しいので、ここでは割愛する。

この相談に対して、今回の講師Karen May(元Googleの人材開発VP)とSoren Gordhamer(ウェルビーイングの世界的イベントWisdom2.0の創始者)からの回答は以下だった。

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Karen:まず、インポスターは自意識過剰よりはいいと思う(笑)。

それが「特別な仕事、有意義な仕事、インパクトのある仕事」であることと、あなたがその能力があるということはイコールではない。だから自分に期待をかけ過ぎなくていい。

そして、他人ではなく自分がそのチャンスを受けたということは、これまでの失敗を含む自分の通った道が正しかった、ということ。

自信のレベルと、能力のレベルが同程度に一致することは通常ない。今のあなたには不安のシグナルが強めに点滅しているが、「自分に能力がある」というシグナルも信じてみよう。

どっちに転んでも、その経験はギフトなのだから。

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Soren:すでに準備ができている人が不安を覚えるものだ。

自分が有能か無能かで白黒をつけないこと。自分の「できない」という思い込みを疑い、少なくとも、他の人から期待されたという事実を素直に受け入れる。

また、何かをリードするときに、人の上に立ち、教えなければという考えではなく、自分のアイデアや自分の弱さ、傷つきやすさも含めてシェアするチャンスを得たと捉える。自分がより経験から学ぶチャンスを得たと。

そして、いま自分が不安を覚えている、インポスターだと自覚できたことこそが君のスーパーパワーだ。その時点で、やはり君は準備ができている人だ。

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以上、今回はインポスター症候群についてだった。

よく考えたら、大きな仕事をするときに100%の自信を持っている人はいないだろう。もしそうだとしたら、Karenの言うようにそれは自意識過剰で、むしろ正しく自己認識できていない証拠なのかもしれない。

まばゆい成功と隣り合わせに訪れるインポスター症候群。

過度に恐れず、内なる不安から学び、与えられた経験からレッスンを受けよう。

次回、Inner MBA 体験記 #25 に続く!





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