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【つの版】逆噴射小説大賞2019応募作品・ライナーノーツ

おれだ。そういうわけで、五発撃ち終えたのでライナーノーツだ。試し撃ちを合わせると六発あるのでちょうどいい。試し撃ちをやりすぎると本番で撃つ銃弾が足りなくなって困るので一発だけだ。準備した銃弾は忘れて、数日ごとに脳みそをひねって出してみた。おれのすきなものをかけ合わせたり、おれの過去の作品をかけ合わせたり、左右や男女のバランスをとったりしてできている。続くかどうかはわからない。撃ってないやつは撃て。

◆天◆

試し撃ち:空を行くもの

歴史幻想ものだ。TLに/航空力士が飛んでいた……ので、パルプエネルギーが漲ってきてたまらず撃った。蒼天航路とヒストリエとアフガン航空相撲を混ぜたらばくはつしてこれが生まれた。アフガニスタンは文明の十字路で長い歴史があり、交易路はインド・イラン・中央アジア・チベット・チャイナに通じ、特にラピスラズリ(瑠璃)の道はイラン高原を抜けて遥かエジプトまでも続いている。そこに航空力士の群れが昔から棲んでいるとしたら、アレクサンドロス大王も遭遇したに違いない。蒼天航路の蹋頓みたいな鳥人間たちかも知れない。登場人物の中で名があるのはアレクサンドロスだけだが、やつは蒼天曹操のように蒼天を見上げ、瑠璃を天に透かして見るだろう。このへんの描写は我ながら航空力士を絡めて試し撃ちにするのが勿体なく感じたが、やっちまったものは仕方ない。つきあわされる兵士たちは大変だ。

関連作品:胡漢英雄記

◆刃◆

一発目:クローム・ヘルブレード

コテコテのサイバーパンク・ノワールだ。初日の夕方に撃った。日付変更と同時に撃ってもよかったが、激戦で埋もれそうではあるし余裕を持ってだ。皆々様へのごアイサツとして入室するところから始めた。原料は銃夢とジョジョとスズメバチの黄色だ。去年のアニー・ドギーバッグもちょい混ぜた。ブレード使いのサイバネ女戦士がズバズバ標的を切り刻み、銃弾をDIOめいて弾いて逸らし、首を巡って謎の死神と争う。またぞろバロン・サムディが出て来たがったのだろうかな。画像は結構気に入っている。

関連作品:アニー・ドギーバッグ

◆対◆

二発目:悪党の対歌

悪漢小説だ。note海出現一周年記念に撃った。古代、近未来と来たので中世か古代末期ぐらいまで時間を戻した。地球ではない異世界かも知れない。主役は男、女と来たので男にし、タイトルは日本語、英語と来たので日本語にし、前が入室して殺し戦う話なので逆に牢屋から殺して出ていく話にした。原料はファファードやコナンというよりヒストリエのトラクスだ。男たちの名前は聖書から適当につけた。そんな感じで転がしていくとこうなっただけだが、結構反応があり、スキの数40超と過去最多だ。おれもなんかテンポがよくて気に入っている。明るくノーフューチャーな悪党どもなので、そのうち笑いながら野垂れ死ぬだろう。

関連作品:ゼロの蛮人

◆軽◆

三発目:ブルネット・ヴァーサス・エイリアン

ピュア・パルプだ。右が続いたので、ブーブスを原料にして思いっきり左に振った。近未来、女が主役、英語タイトルで、狭い場所で戦う話が続いたため広い場所で戦わせることにし、武器は刀が続いたので銃にした。古代アフガン、近未来日本、欧州っぽい牢獄と来たので今度はアメリカだ。航空力士はチラ出ししたが、空中戦をしてなかったのでそれにし、パルプな感じを出すため死に役としてプテラノドンとケツァルコアトルスを出した。ランフォリンクスとかもそのうち死ぬだろう。タイトルからしてパルプだが、何が起きるかはおれも全く考えていない。たぶん遺跡にUFOとかあって、エイリアンが蘇ったり、モヒカンが死んだり生き返ったりするだろう。

関連作品:荒野のタグ・スリンガー

◆泥◆

四発目:穢土堅洲泥府(エド・カタストロフ)

伝奇ものだ。左に振ったので再び右だ。近未来アメリカで女が空中で銃撃戦を繰り広げたから、今度は近世日本で男が地上で白兵戦だ。あとハロウィンネタ、妖怪ものもやってなかったのでやろう。ハロウィンにオヒガンからヒャッキ・ヤギョが現れる。妖怪、異界と言えば水木しげると諸星大二郎だ。乾燥に対して湿地、泥土、と来て江戸を穢土とするお決まりのアレが浮かんだ。こないだから関東は大雨が降り注いで大変だ。淤能碁呂島めいて修理固成せねば日本が危ない。天の沼矛の使い手としてエピロワから服部半蔵を引っ張ってきた。慶長元年はちょうど彼が死ぬ年だが、根の堅洲国、異界からの妖怪どもと戦って死ぬのかも知れないし、異界に引きずり込まれて戻れなくなったのかも知れない。最初に泣きいさちしてるのは鬼太郎6期の赤子名無しめいているが、子泣きじじいの同類のごぎゃ泣きだ。青森の児泣き婆は鍋で煮るとカボチャになったという。あと縞瑪瑙の城は、クトゥルフ神話の幻夢郷カダスの城だ。堅洲国から音霊が通じたので引っ張ってきた。

関連作品:ユカタンのランサー

◆己◆

五発目:P.S.エイミー

右から左、男から女へ戻す。変身魔法少女ものをやってなかったのでそれにした。魔法とはエゴでありカラテだ。主な原料はGS美神と覚悟のススメだ。ニンジャスレイヤーでのコトダマ空間の描写も多少入っている。たぶん現代か近未来の日本が舞台だが、戦場は精神空間だ。前回は泥の雨が降っていたので水気を増して海底にしたところタコが出現した。クトゥルフ神話及びオリジナル鯖のブリアレオスの影響だろう。犀玄佛(サイ・クロプス)江湖衛己(エゴ・エイミー)。漢字に無理やりルビを振って多重の意味を与えるのは厨二感があってつよい。それすなわちカラテでありエゴだ。犀の角の如く独り歩めとブッダは言ったし、何事も暴力で解決するのが一番だと悟ったサイクロプス=サンは迷いが消えた。江湖(武侠世界)はエゴとカラテの海であり、己(エゴ/ミー)を衛れば己は存在する(エイミー)。プシュキンはプシュケー(魂)のもじりだ。そんな感じでコトダマを組み合わせた。蒼天から深淵まで、エゴとカラテで戦い抜け。サイ・キック!

関連作品:ワン・オブ・ザ・コープス

◆I only had a Corona◆

◆Five cent deposit◆

以上だ。ピックアップまとめは明日やる。健闘を祈る。

【ひとまずおわり】

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