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2021年3月24日 00:15
地表に光をおろさない月の夜空気を入れる硬い音が聞こえる長い付き合いだった鏡と訣別したあたりからわたしは次に姿をあらわした水を含ませた扉と向き合い草を抜く作業に勤しんでいた抜いた傍から後悔が植わってしまうのはどうしてだろうそよいでいる手溢れる紙を掴もうとする希求のリズム電線にかかるオリオン座も一緒に踊る
2021年2月19日 19:25
柔らかな葉をつける木と話をするように移民は崩れた水に口づけて言語を失って水は生きられないと、叫ぶ地面について書き始めるぶらぶらと足を揺らして身近なものへ熱を預けるアルミの机が体温を下げるあいだにも魚は前に進んでいることそっと開いた瞳の中に収まるつむじ風に僕の所在を問いかけたこと蒸発する前に降り注ぐのを待つそのために傘を置く手を広げた
2020年12月7日 23:31
濡れ始めた森から鳴らされた音楽を蚕の糸のように身体に巻きつけながら眠る伝言を残した紙は製氷皿の中に沈められて読まれる時を待つ凍結までの気負いない道穴の向こう側から逆さに手を振って、あるいは振り抜いたりしてあなたの独歩を招いているニ歩で消える一文字カチッと照らした
2020年11月9日 00:42
ささやかにずっとうめられていたは の しぶきつかむ おう ゆうきのなかで よびかけるこえをきいたねこのしっぽをまいておなじあなに はいってみたけれどつちのあたたかさにとまどうばかりこのやわらかさは しっていますこのはだざわりはみちのものでしたようやくわかってくれた? というめといまからでも おそくないでしょ というめがむかいあってちちゅうのなかで たねをまく
2020年9月26日 22:02
立っているふりのバス停の標識が長い朝の長い眠りから起こさないように首をもたれかけていた私の知らない色が午後2時の中に塗られている微笑みにならない手を開きながら草に覆われていく様子を見るともなく見る頭上を通る飛行機の腹を魚のように見ながらわたしたちも魚になって水位を上げて口を閉じる 空港の擦りガラスが透明な夏を連れてくる早朝のまどろみの中でコーヒーカップを包む手が