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デザイン思考 観察の事例

先日の共感の投稿の中で、TikTok講座の動画で「観察」をやってみようという話をしました。

今回はこの観察の事例です。まずは「新たな動画SNSの創出」がテーマだったとして、その観察対象として以下のYoutubeをご覧ください。

ちなみに、TikTok、自分では未知の世界だったので、例として出してみただけですので、深い意味はありません。

手順は以下でした。
1. この動画を見て気づいた事実をとにかく書き出す
2. 特に面白いと感じた、気になった事実を選ぶ
3. 選んだ事実から「なぜそうしているのか?」を考える(インサイトの洞察)

①事実の収集

まず、この動画を観察することで得られる事実を集めます。
・「あざとい」というTikTok講座に100万回以上の再生数がある
・一人で撮影している
・セルフィーカメラで、自分で画面を操作しながら撮影をする
・揺らす、回すなどの動作を加えた動画を作っている
・撮影時、自分の顔は加工(目を大きく、顎を細く)されている
・加工しすぎると宇宙人みたいになると言っている

など、出せばキリがないですが、この中で気になる事実を選んで、その行動の根源、心理を洞察するのが、観察の一般的な作業です。

②気になった事実を選択

上記から、気になった事実を選択してみます。
例えば、
・一人で撮影している
という事実を選んでみます。(当たり前ながらも意外に面白いかもということでこれにしました。)

③洞察

次が、非常に重要ですが、この事実から、その心理を洞察します。

「一人で撮影している」行動の理由を考えてみます。

1. 撮影しているところを見られるのが恥ずかしい
2. 撮影、投稿は一人の隙間時間を利用したい
3. 投稿動画にはこだわりたいので、そのこだわりに誰かを付き合わせるのは悪い

など、こちらも考えればキリがないです。
さらに、もう一段、その理由を深ぼってみると、

1. 自分でありながらも、SNS上の違う/理想の自分を演出したい
2. 撮影にできる限り時間をかけたく無い
3. 一つの作品を作っている感覚で、その制作過程がとても楽しい

など、考えることができます。

さらに深ぼっていくと、より感情的な要素になり、最終的にはマズローの5大欲求みたいになっていきます。(この深掘りの塩梅も非常に難しいポイントです。)
このような内容を「インサイト」と捉えて、次の問題定義のフェーズへ移ることとなります。

このインサイトの捉え方によっても、今後のアイデアは大きく変わるのは想像できるかと思います。
例えば、2と3は真逆のインサイトで、2であれば、できる限り時間をかけずにTikTokのような動画を撮りたいので、自動編集、自動加工などにフォーカスされていきますし、3ならば、制作過程を楽しめるように、様々なフィルタなどを用意して時間をかけて作品作りができる方向になるかもしれません。

また、もちろんですが、直接本人にインタビューしたり、事前に本人について詳しく調べたりすれば、より本人への理解も深まりますし、インサイトの確度は高まっていきます。また、他の事実と照らし合わせて検証するのも良いです。

以上、簡単にですが、「観察」を実践してみました。

今回は、動画を例に書いてみましたが、個人的に気になるテーマや、悩んでいる問題などがあれば、その対象となる人を観察してみて、インサイトを探ってみると、新たな思いつきが生まれるかもしれません。

日々、考えてみることでデザイン思考力が高まっていきますので、是非やってみていただけたら幸いです。

ご質問等ありましたら、自由にコメントいただければ幸いです。

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