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デザイン思考の1st Step: 共感(Empathy)

デザイン思考のプロセスについて解説していますが、まずはデザイン思考の1st Stepである共感についてです。

デザイン思考は人間中心の考え方ですので、課題/テーマがあれば、まずはその課題やテーマに該当する人への共感から始めます。
例えば、「新たな動画SNSの創出」がテーマであれば、
・TikTokを使っているような若い世代の既存の動画SNSユーザー
や、反対に
・Twitterなどは利用するものの動画SNSを使っていないようなユーザー
が共感対象になります。
できる限りユーザーに入り込んで、表に出ていないような行動原理、欲求のようなユーザーインサイトを見出すのがこの共感フェーズです。

共感の方法

共感の方法は主に以下の3つがあります。

■Observe
ユーザーの言動を「観察」し、そこからインサイトを見出す作業です。
エスノグラフィーという言葉でよく語られます。本気でやるものですと、数日間ユーザーに張り付いたりします。軽いものですとユーザーのビデオなどを見てやることもあります。
例えば先ほどのTikTokのユーザーであれば、「TikTokの撮影講座」みたいなYoutubeがたくさんアップされていますので、そういったものから始めてみても良いかもしれません。(文末にリンクしておきました)
基本的にはユーザーの言動を観察して得られた「事実」から、なぜそういう動作をしたのか、どういう考えからこういうことをしているのか、などの背景を洞察することにより、インサイトを見出します。

■Engage
インタビューなどで直接ユーザーと関わることで、そこからインサイトを見出す作業です。
インタビューでは、上辺のインタビューではなく、デプスインタビューと言われるようなユーザーに深く入り込むことが重要です。
どんな回答をしても良い「オープンクエスション」
なぜ?を繰り返す「5 Whys」
により感情面まで深く入り込むことで、本当にしたかったこと、本来の目的などに辿り着けます。回答内容の事実を収集し、その背景を洞察することも重要です。
基本的にはインタビューなどで直接関わる方が良いですが、SNSやブログなどに上がっているようなソーシャルな言葉を拾い上げるソーシャルリスニングもライトな手段としては良いです。ただ、対象のユーザーはぶれないようにしないといけません。

■Immerse
こちらは、ユーザーになりきって、共感する作業です。
例えばTikTokであれば実際にTikTokを使ってみることです。なりきるので、共感力が高められる一方で、入り込みすぎてしまうと、自分の中のインサイトが見えなくなってしまいますので、鳥の目を持って、自分の行動を客観視する必要があります。

以上、デザイン思考において非常に重要な「共感」について、大枠の紹介をしました。文章だけですと、なかなか伝わりづらいと思いますので、やってみることが重要です。一番簡単なのは、観察における事実の収集と洞察です。日々の生活の中で気づいた人々の言動に注目し、その背景に潜むインサイトを洞察してみてください。

とっかかりとして、動画SNSを例に出しましたので、1つTikTokのYoutube動画をリンクしておきます。

手順としては、
1. この動画を見て気づいた事実をとにかく書き出す
2. 特に面白いと感じた、気になった事実を選ぶ
3. 選んだ事実から「なぜそうしているのか?」を考える(インサイトの洞察)
という感じです。是非、とっかかりに挑戦してみてください。
コメントなどでやってみた内容、共有いただけると嬉しいです!

次の投稿にて、私の方での実践例を投稿させていただきます。

※ちなみにこの方は、失礼ながら全然知らず、ただただ例を出すために「TikTok 撮り方」で検索したのですが、110万回も再生されており、驚きました。「110万回再生されている」というのも1つの事実ですし、youtubeの場合は、そもそもが「youtube越しである」点も注意する必要がありそうです。

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