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「俺は違うのに…」受け身社員から行動派へ変身のきっかけは子供のチカラ!?

世の中の99.9%は「普通の人」。スポーツやビジネスなどで活躍する著名人は、あなたにとって憧れであっても手が届かない遠い存在でもあります。

一方で身近にいそうな人のエピソードを通じて学べることもあるのではないでしょうか。あなたにとって、今後のヒントになるかもしれません。

今回は岡野バルブ製造(株)の十塚亮平さんに焦点を当てました。製造現場で働いていた時期に知った自身への思わぬ評価を機に、どんな変貌を遂げたのでしょうか。

《プロフィール》十塚亮平(とつか・りょうへい)
 小倉工業高校卒業後、2007年に岡野バルブ製造(株)入社。入社12年目まで主力製品の製造に携わり、現在は新規事業である「ものづくりサービス」の営業メンバーとして新規顧客獲得に励む。3児の父として平日夜は得意料理のパスタなどをふるまい、休日には友人とともにインテリアを制作して時に知り合いに販売するほどの腕前を持つ。1988年生まれ、福岡県出身。


違和感を覚えた「やる気ない」の評価

「ポーズお願いします」とオーダーすると即座に決めてくれた十塚さん

地元の高校卒業後、岡野バルブ製造に入社した十塚さん。モノづくりの世界に飛び込んだ当時について次のように振り返っています。

十塚
「自分で何かを発信するタイプではなく、何をするにしても付いていくタイプでした。大して働いてもいない能力のない人間が給料をもらえることに『こんなのでいいんだ』って安易に思っていた感じでしたね」

地元の会社での安定した職場環境。大きな不満もなく働く日々が続く中、ターニングポイントとして挙げたのは東日本大震災からしばらく経った時期でした。主力の発電所向けバルブを取り巻く環境が変わり、製造現場の雰囲気も変わる中で自身に対する思いがけない声を耳にしたのです。

十塚
「周りには仕事に熱が入らない人もいましたけど自分は違うと思っていました。それがある時、自分も『やる気がない』と思われていることに気付く機会があって…」

同じ職場でも仕事に対する向き合い方は人それぞれです。お金がもらえればいいと思う人がいれば、強い責任感や使命感を持って励む人もいます。
 
十塚さん自身、それまでも仕事でやるべきことはきちんとこなしていると感じていました。会社の状況が変化しても「今後をどうすればいいかを考えればいい」と前向きに捉えていたようです。それだけに「やる気がない」と思われたことに違和感を覚えました。


「名が上がらないならやってやる!」と子供の存在で変化

当時の状況について「いいこともあれば、悪いこともあるから」と冷静に捉えていた

ただ、やる気がないと思われたことに「自分は違う」と思いつつ思い当たる節もありました。

十塚
「やる気がないと思われたのは、自分から(現場の状況や物事を)発信してなかったからだったと思います。そんなことに気付いて『これは発信せざるを得ない』と思って行動に移しました」

仕事は真面目にやっているけど、周りに付いていく受け身タイプ… そんな姿が自身の仕事への思いを誤解される要因になっていたのかもしれません。そもそも、十塚さんが口にする「発信すること」とは具体的にどんなことだったのでしょうか。

十塚
「作業環境や工程などの改善に向けて会社に対して情報を発信したり、他部署と調整したりする場面に自分から関わっていくようにしました。例えば、不適合な案件が出た時には反省文を書かせるだけでしたが、上司や関係者と調整しつつ再発しない仕組みづくりもしました」

現場の声を拾い上げて調整役として行動を起こすことを始めた十塚さん。ただ、これまでの仕事のスタンスを変えようとしても実行に移すことは簡単ではありません。何が考え方や行動を変える原動力となったのでしょうか。そこには第1子の誕生でライフステージが変化し、「仕事に対して新たな気持ちが芽生えた」ことも関係していました。

十塚
「やる気がないと言われた当初は自分が我慢して子供を養えればいいと感じていました。ただ、我慢しても親として子供に何も教えることができないかなって思うようにもなって。『名が上がらないならやってやる!』と思いながらやっていましたね」

仕事に対する考え方、向き合い方は人それぞれ。十塚さんにとって子供が誕生したタイミングが考えを変える分岐点となりました。それだけにライフステージの変化と重ならなければ「変わらなかったと思う」と振り返ります。


「すげぇな」と段取りを意識した居酒屋での出来事

営業職への異動も「発信するようになったから声をかけてもらえた」と語る

製造現場での経験を重ねた入社13年目、十塚さんにもう1つの転機が訪れました。社内で新たに立ち上げたサービスの営業メンバーとして参加することになったのです。未知の領域に対する不安がある一方、「営業に行けば色んな人を巻き込める」と前向きに捉えていました。
 
そんな中、ある居酒屋に訪れた際の出来事が新たな思いを抱かせました。

十塚
「あるグループが打ち合わせしていたのですが、『すげぇな』と思ってしまって。ガンガン意見を交わして目の前で物事がどんどん決まっていくんですよ。テキパキと段取りを決めてバチっと決まる様子に驚愕しました」

製造現場に居る時には目にしなかった姿に驚いた十塚さん。偶然遭遇した光景から自身に置き換えて学んだのは「段取り」の大切さでした。

十塚
「子供が育っていくと急かされるようになるんですよね。(漫然と)残業する人も居ると思うんですけど、僕らは時間が限られているので効率を上げないといけないと感じています。集中力がないので、短期集中型で切り替えながらやってますね」

限られた時間でどう効率を上げていくかは、働く上で常に付きまとってきます。平日は帰宅後に夕飯づくりに追われるなど、仕事、プライベートともに時間勝負な十塚さんにとってはより切実です。段取りよく仕事をこなす上でも周囲に向けて自分の考えや現場の声を発信することは重要な意味を持つと考えるようになりました。

営業職として「人間味を発信できるようになりたい」と話す十塚さん。顧客との信頼関係の構築が今後の実績づくりに向けたカギを握っています。


今回のおさらい

十塚さんにとって「発信すること」の重要性は、製造現場に居た時の「受け身」な体質に気づけたことが基盤となっています。気づきをきっかけに自身でアクションを起こせたことは、その後のキャリアにおける大きな意味を果たしたと言えるでしょう。

皆さんの中でも「自分の殻を破れない」ともがき苦しむことはありませんか。十塚さんの起こしたアクションや考え方は、苦しい時を乗り越える事例として参考になるのではないでしょうか。


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