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少子化にまっしぐらのこれからの時代に求められる「人事」は、こういうことができる人事です!

国内の人口構成を見てみると、私(1973年生まれ、現在46歳)小林の学年は、ご存知(?)第2次ベビーブーム世代240万人くらいいます。

これに対して、今年(2020年)に生まれた子はなんとたったの100万人(!)くらいしかいません。およそ半分以下です・・・。

よって、これらを元に、「労働者人口が減っていくのに対して高齢者が増えるのでこれからは年金や医療費が問題になる!」というのは随分と前から言われてきました。

しかし、もっと身近なところに大きな影響がきます。

どの会社にも大抵「人事」という職業の方がいて、お仕事をされてると思いますが、残念ながら

「人事の能力が低い会社はこれから生き残れない」

です。

「別に私は人事じゃないし、転職もしないし、関係ないわ~」

そう思う人が多いと思いますが、実はそうでもないのです。

人事の能力の高さがその会社の生産性に高さに直結する、そんな時代にこれからはなっていきます。

その理由について、私自身も人材業界に身を置きつつ、4社で10年以上人事業務を担当した経験から、書いてみました。

これまで軽んじられてきた人事という仕事

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一般的にあまり知られていませんが、特に大手などでは人事部に担当になるのはどちらかといえば、一線を退いた社員がアサインされることが多いようです(※)。

「え?なんで?どうして?」

それは、バリバリ仕事ができる社員であればあるほど、営業職や企画職、最近ならば開発職、デザイン職などを任せた方が会社の業績向上に直接的に貢献するからです。

正確には、より直感的に貢献度が測れるからです。

例として、ある、仕事がとてもできる社員がいたとします。

あなたはにその社員の人事権があったとして、”すぐに売上を伸ばせる仕事”と、"大事だがすぐに結果が見えない仕事"があったとき、どちらを任せるでしょうか?

あなたの会社でこれまでにエース級の社員が人事に異動になったり、人事部長になったりしたケースはどれほどあったでしょうか?

COOやCMO、CTOに比べて、CHROというポジションもまだまだ少ないです。

それでは、どうしてそういう事が起こるのでしょうか?

それは、人事という仕事が、定量評価することが難しい」ということに起因しています。

※誤解のないようにお伝えしておきますと、人事の能力が低いわけではなく、全社最適の観点から人事配置の優先度が高くないケースがある、ということです。

定量評価できる仕事とできない仕事

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例えばこんな感じの業務目標を数値化するケースが身の回りにはありませんか?

・今Q(四半期)営業の受注目標金額○○円!
・今月中にAプロダクトにB機能とC機能を実装する!
・マーケ予算△△円を投下して◎◎件コンバージョン!

確かに、費用対効果(投資対効果=ROI)がわかりやすい仕事の方が、使ったリソース(お金・時間・人)に対して出した実績を評価しやすいですし、給与上昇やポジション昇格にも反映させやすいわけです。

結果的に、やりがいのある仕事をやりたい人や、高い給与がほしい人であれば、定量評価されやすいキャリアを選ぶ方が理にかなっています。

「でも、人事の仕事の中にも定量評価できるものがあるじゃないですか?」

そう「採用人数」です(※)。

※他にもKPIとして離職率などもありますが、計測に時間がかかることや人事のがんばりだけで改善できたのか評価しづらく、評価対象としている企業は皆無でしょう。
※採用以外の人事業務の多くは労務、研修、教育など、やることが当たり前となっていることが多く、それらの結果が人事の評価に大きく影響することは少なく、それよりはむしろ「何年人事を担当しているか?」といった経験年数で評価されることが多いでしょう(年功序列モデルに依存)

採用人数のみを追いかけることによる弊害

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ここで、採用人数結果を評価対象とした場合の業務イメージを1つ挙げてみます。

上司「よし、今年の採用目標人数は◎◎人ね!」
人事「わかりました!達成できるようにがんばります!」

上司「キミ、採用の調子はどうかな?」
人事「は、はい!大丈夫です(中々良い人がとれなくて、このままだと目標未達になっちゃうな・・・困ったぞ)」

候補者「御社への入社を希望します!」
人事「(うーん、、、採用するか迷うターゲットも採用してしまおう。だって、採用できた人数でしか私は評価されないんだし) 内定です!」

現場「この前入ってきた人、希望していた人材じゃないんですけど?!」
人事「それは受け入れる現場側の問題じゃなんですか?」
現場「(いっつも人事は現場のことをわからず一方的なんだよな・・・)」
人事「(入ったあとのことなんて、評価対象外だし、採用担当には関係ないよ・・・)」
研修担当人事「(どうしてこんな人取ったんだろう、、、研修でなんとかできるレベルじゃない・・・選考で落としてくれよ・・・)」

新入社員「(なんでこんな会社に採用されたんだろう・・・)私、辞めます
人事「ガーン!」
現場「人手が足りない!人事なんとかしてよ!」
人事「何人必要ですか?採用します!社長!追加予算ください!」

社長「(どうしてお金も人もかけてるのに、うちは人が定着しないんだろう・・・いい人がいればもっと事業が伸ばせるのに・・・)」

ライン業務のような定型業務を行う人間の採用であれば、画一的な採用をしても人材要件がかっちりきまっており、現場とのミスマッチは少なく、人数というヘッドカウントだけを追っていればよかったのですが。

世の中がどんどん複雑化したことと、単純作業はAIやロボットに置き換わっていくことで、「自社にあった人を採用する」ことの重要性が日々増しています。

しかし、実態としては、「採用業務を人数以外でうまく評価できない」ため、上記の例のような問題が起きているとしたら、どうしたらよいのでしょうか?

採用人数以外の目標にコミットすることができる。それがこれからの人事

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人事のゴールは明確で、所属する会社の業績を伸ばすこと。シンプルにそれだけです。

それを分解すると下記のようなミッションになります。

・業績向上に貢献できる人を採用する
・業績向上に貢献できるような人に教育する
・業績向上に貢献できる人が喜ぶような福利厚生を導入し、環境を整備する
・業績向上に貢献できる人の離職を抑える

ただ漠然とした目標人数を満たすための採用と、定番の教育と労務だけでは上記を達成できる人事とは言えません。

しかし、これからの人事はそれらができることが求められます。なぜなら、少子化による採用難度の増大転職手段の増加による離職率の増加が大きな課題となるからです。

そうです。上記ミッションを達成できれば、脚光を浴びる人事、言うならば「人事2.0」になれるわけです。あなたの会社の人事のバージョンは、どれくらいでしょうか?

人事2.0に求められること

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もう一歩踏み込んでみて、どのような人事がこれからの時代に求められる人事像でしょうか?

1.経営に対する理解力がある
⇒大企業では事業部長クラスの視点を、ベンチャーやスタートアップであれば、経営視点を持ちつつ人事業務を行う経験を積むことで、事業計画を元にした採用計画立案や、ビジョンやミッションを元にした環境整備などができる。

2.現場業務における解像度が高い
⇒人事総務業務の経験以外にも営業や開発業務を経験することで、ビジネス経験の幅も広く、フロントやクリエイティブな職種の採用や評価も柔軟に対応できる。また現場から好かれる人事としてどの社員とも良好なコミュニケーションが取れる。

3.自ら新しい取り組みを試し、アップデートできる
⇒毎年同じことの繰り返しではなく、面接のやり方や使っている採用チャネル、普段見ているサイト、など、既存業務がベストかどうかを考えられ、新しいアイデアを求めて素早くトライし、バージョンアップしていくことができる。

4.高い発信力、広報力、行動力を持っている
⇒社外に閉じた受け身の人事ではなく、自ら広報のように社外へ飛び出して行き、ブログなどを使って自社の魅力の発信できる文章力と構成力がある。facebookやtwitterなどのSNSに関する知見もある。

自分の頭で考えよう

これから少子化の時代を迎え、限られた人材をいかにして自社に活用していくか。そこに貢献できなければ、それことこれから出てくるであろう「AI面接官」に仕事を取られかねません。

CHROやHRBP、CX、EXなど、最近HR関連のキーワードが色々ありますが、つまるところ何が求められているのか良くわからないことが多かったので、自分なりの考えを経験を元に整理してみました。

いますでに人事の方にも、これから人事を目指す人にも、なにかヒントになれば幸いです。

おしまい

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