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 ともぐい 著:河﨑 秋子

 話の筋書きが面白いんじゃない。自然の描写が凄かった。描写力が特筆すべく高い作品だった。そしてラストはネタバレになるから言えない。

 熊爪と言う主人公が鹿を狩るシーンから物語は始まる。すぐに捌いて食べれる所を食べ、犬にも食わせる。あとは毛皮を売るか干し肉にするかと白糠と言う町に降りてお金に換える。それで銃弾を買い、米を買いして暮らしていた。熊爪の山での生活と熊との戦いが延々描写されている。

 白糠で繁盛してる良輔の所にお世話になってそこで猟をした物を現金化していたのだが、山の生活に興味を持って良輔は熊爪に温かい。風呂に入れさせて貰ってご馳走を振る舞われる。良輔のまわりには女中や若い衆が居て、いつも賑やかだった。盲目の陽子(はるこ)が突然出て来るが、この女がともぐいの相手となる。

 今回の芥川賞直木賞は好感を持てなかった。一通り目にしたけど、長さも筋書きも、納得行くものではなかった。普通の選考会だったのかな。ノミネートされた作品を全部読んではいないからなんとも言えないけど、あまり楽しくなかった不作の年となった。

 河﨑さんの自然の描写にも心情の描写にも唸らせられる所はあったし、難読で読み飛ばしてしまった漢字も多かった。でも、話の筋書きがラストありきで熊爪の一生を描いたと言うだけでそれもそんなに練られた物ではなかった。山小屋で生活する猟師の一生を描いているだけだ。タイトルもおどろおどろしくて読んでる間、何と何がともぐいになるのかと思っていたがバッドエンディングで終わった。

 私は楽しめなかった。今回の芥川直木賞は不作だった。

 以上

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