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大分県豊後高田市|育児女性の働く場を創出、会員数35万人のメディアの成長へ貢献

大分県豊後高田市は、大分県北部に位置する、人口約2万人の街です。商店街が活発だった昭和30年代の活気を蘇らせるために「昭和の町」という観光スポットもある、素敵な街です。

前回に引き続き、働き方(ワークスタイル)に関するICT活用事例です。


育児女性が働ける場がない

大分県豊後高田市が抱える課題は大きく2つありました。

1つ目は少子高齢化です。これは全国各地で起きている課題ですね。
要因の一つとして考えられるのは、世帯収入の低さです。経済的な余裕がないと、子育てをすることが困難になることもあるからです。

2つ目は幼い子供の育児をする母親が、働きたくても働けないという課題です。赤ん坊を長時間放っておくことができませんし、赤ちゃんは急に体調を崩してしまうこともあるため、毎日会社へ出社をして働きながら育児をするというのが難しいのです。

今回の事例は数年前のものなのですが、上記の課題は今なお多くの地域が直面しているのではないかと思います。

妊娠・出産・育児コミュニティサイトの運営に携わることで新しい働き方を実現する

特に育児女性が働ける場を増やし、世帯収入も上げるために、「働きたいけど働けない多くの理由をゼロにする」というコンセプトで、WorkSmartというプロジェクトが立ち上がりました。

この取り組みは大分県豊後高田市の自治体と、妊娠・出産・育児コミュニティサイトを運営している「ベビカム株式会社」が共同で行われました。

具体的には、自らの子育て経験が活かせるように、子育て関係のキュレーションメディア(グノシーやスマートニュースのように情報がまとめられたサイト)でコンテンツ制作の仕事に従事しました。

働く場所としては豊後高田市の健康交流センターにWorkSmartオフィスも用意し、企業バックアップのもと仕事をできる環境が整備されました。また、遠隔地でもストレスなくコミュニケーションできて、円滑に業務を進めることができるようにオンラインのグループウェアやWeb会議ツールを活用しました。

■実際の取り組みの様子

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※画像は上記HPからお借りました。


会員数は約35万人、総アクセス数月間600万PV以上のメディアサイトの成長へ貢献

WorkSmartの効果として、地方に住みながら首都圏同等の時給を継続的に得られるようになりました。これだけ聞くと大したことないのではないか、と思われるかもしれませんが、働く時間の自由度を保ちながら、子育てをしながら、首都圏と同等の時給を継続的に得られていますので、取り組みの成果としては非常に大きいと思います。

また、働きたくても働けなかった人が仕事をするため、高い意欲をもちながら仕事をすることができます。そういった向上心の高い人材が運営するメディアサイトは、質も良くなりやすく、高い共感を生むことができて、大きなメディアとして成長しました。

実際に「ベビカム」は会員数は約35万人、総アクセス数月間600万PV以上、ユニークユーザ数月間約200万人という日本最大級の妊娠・出産・育児情報サイトとなりました。その一端を担っているのは、コンテンツ制作にも従事した育児女性たちです。


ポイント

こういった新しい働き方への取り組みは一人だけでは続けることが難しいため、宮崎県日南市の取り組みでもそうでしたが、しっかりとコミュニケーションを取れるようにすることが重要です。そのために、手段としてオンラインのグループウェアやWeb会議ツール等のICTを活用した点は一つのポイントだと思います。

もう1つ大きなポイントとしては、育児女性ならではの強みを活かした、という点です。Webメディアのコンテンツ制作やライティングの仕事は、コンテンツ(内容)の質が非常に重要です。例えば、ネットで調べながら複数のサイトに掲載されている記事から情報を集めて書いたとしても、中身のない薄っぺらい情報しか書くことができないためです。

ベビカムという妊娠・出産・育児コミュニティサイトの運営に携わることで、自分たちが経験したリアルな情報を活かすことができます。実際に経験した人がコンテンツを作り、運営していくというのは、サイトを利用する方にとっても有益なことですので、育児女性ならでは強みを活かして仕事をすることができた、という点は上手いやり方だと思います。

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