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絹ちゃんは教えてくれなかったけど

あの花言葉はきっと「秘めた愛」だ。

付き合って2年の記念に、初めて彼に花束をもらった。
受け取ってから、すぐに枯らした。
何の花だったかは覚えていない。
それから1ヶ月経たずに別れた。
それからもうすぐ1年。

よくある普通の恋愛を終えて、1人でこの映画を観た。
この恋があった理由はこの映画を楽しむためだったのかとさえ思う。
そう思えば、だいぶ報われる。

これはきっと1人のレイトショーが一番似合う映画だ。
二番目にはカップルの最後のデート。
観終わって「てことで、ね。」と映画館の前で別れを交わすことができれば
間違いなくそれは花束みたいな恋だと思う。

よくある普通の恋愛だったから、共通点が多かった。
麦くんと絹ちゃんとは同い年。
そして同い年社会人同士の恋。
出会った日に話が尽きなかったこと。
多摩川を歩いたこと。
イヤホンを分け合っていたけど、いつのまにかBluetoothのものになったこと。
3回目のデートで付き合い始め、
結婚やその先をほのめかして別れを引き止めるところ。

余韻が消えなかったから、
映画館を出た後にラーメン(替え玉無料)を食べてから
京王線に揺られて明大前を通って帰った。


別れた次の日には、卒業祝いと称して友人からガーベラをもらった。
泣きながら受け取って、大事に育てた。
ガーベラの花言葉は、希望と前進だった。

この映画でやっと良き思い出として成仏できた気がする。
最後に勿忘草でもあげれば良かった。

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