『人の名前が覚えられない妹』
※発達障害は人それぞれの特徴、症状や対策が違います。
あくまで妹の特徴であり、発達障害の特徴の一部に過ぎません。
こういう人もいるんだと理解が広がる事や興味を持ち自分で調べたり、本を買って学んだり、そんな事のきっかけになればいいなと思います。
名前が覚えられない妹
妹は小さい頃から人の名前が覚えられなかった。
現在も父と母の名前はわかるものの名前の漢字をどう書くのか覚えられない。
私は最初なぜ名前を覚えられないんだ?
努力不足ではないのかと思ってしまっていた。
妹は、クラスの友達の名前が覚えられずいつも悩んでいた。
クラスのノートを配れない妹
先生が回収したノートをみんなの席の机の上に置くという日直の仕事があった。
妹は人の名前と顔が一致していないために、ノートを配って机に置くことができなかった。
妹は結局配る事を諦め、もう一人の日直の友達に頼んだらしい。
当たり前の事ができない妹。
もう一人の日直の子は、仕事を押し付けられたそういう風に感じ取ってしまうかもしれない。
だが、妹は覚えたくても覚えられないのだ。
友達をあだ名で呼ぶ妹
妹は家族に友達の話をする時によくあだ名を使って話す。
そのあだ名がまた独特だ。
トトロのメイちゃんと呼んでいる友達はトトロのメイちゃんに顔が似ているらしい。
けつ痙攣と呼んでいる友達は授業中にお尻の筋肉が痙攣してしまいいつも揺れているらしい。
妹は友達にもこの呼び名を使っているらしいが友達はこの独特なあだ名を気に入ってくれているのだろうか。
仲は良さそうなのできっと大丈夫だろう。
人がマッチ棒のような存在に見える
妹は人はマッチ棒のような存在だと言っていた事がある。
それは、マッチ棒のような見た目に見えるという事ではない。
マッチ棒のように人にまったく興味が持てない、人の違いがわからないという意味だ。
家族を含めそう見えるらしい。
妹は小さい頃、父と母にも特別な感情は薄く、
家でも笑ったり、感情を出す事はなかった。
私には姉妹という繋がりがあるからという理由で認識ができていたらしい。
家でも常に無表情で家族はみんな心配していた。
最近はやっと自分から話してくれる事や感情を伝えてくれる事が増え、父と母の事も家族として認識してくれているようだ。
友達にも同じく興味を持てずに友達と遊びに行くという事は少ない。
誘われたら行くが自分から友達になにかアクションを起こしている所を見たことがない。
妹はLINEは一切返さない。
一度その事で友達と揉めたようだった。
現在も何故か新しく買ったスマホを使わず、古いスマホを使っている。
古いスマホはLINEや電話などの機能は使えないが家でならWiFiを使ってYouTubeを見れる。
理由を聞くと人との繋がりを切りたいからと言っていた。
どうして名前を覚えられないのか?
自閉症の方の場合、人の顔と名前を覚えない、思い出せないのは、コミュニケーションと社会性の困難に由来するという記事を見た事がある。
興味が非常に限られているため、自分の好きな事に詳しい反面、興味が持てないものは覚える事が難しいという特徴がある。
妹にとって興味を抱けない対象には、他者の存在も含まれるのかもしれない。
妹が家族や友達、他者の存在に興味を持てない事が名前を覚える事ができない要因ではないかと考える。
最近の研究では、発達障害者には脳機能の一部の働きが弱いことが知られている。
特に人の顔を認識する、他者に興味を抱く部位が活性しにくいようだ。
あだ名という覚え方はとてもいい
相手の顔だけを覚えようとせず、声や話し方、しぐさ、全身の特徴、持ちものなどとあわせて覚える事は大切だ。
妹のように自分で相手の印象に残る特徴をユーモアのあるあだ名をつける事で記憶に残すという方法はいいのかもしれない。
妹は必死に覚えようとしているが、努力不足やわざとではないか?と疑われてしまう事も多い。
そのため理解してもらうという事も大切なことだと思う。
仲のいい友達やクラスメイトには、
「自分は顔や名前を覚えるのが苦手なので、何度か聞いてしまうことがあると思うが許してほしい。」
などとあらかじめ伝えておくことで、自分へのプレッシャーや相手の期待が軽減して楽になる場合もあるのかなと思う。
名前が覚えられない人がいても、
「なぜ当たり前の事ができないのか?」
「覚えようとしないのが悪いのでは?」
と思わずそういう人もいると理解してあげて欲しいなと思う。
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