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【展覧会レポ】ピーター・シスの闇と夢

こんにちは、whipです。

本日は練馬区立美術館で開催中の『ピーター・シスの闇と夢』展に行ってきました。


ピーター・シスとは?


ピーター・シスはチェコ出身でアメリカの絵本作家です。

ソ連支配下の時代に幼少期を過ごした彼は、学校や社会生活の中で創作や自由の制限されたモノクロの世界を経験してきました。しかし、芸術一家でもある家族、とりわけご両親の影響から「外の世界にはもっと自由がたくさんある」と教えられてきたのです。

プラハ工芸美術大学でアニメーション制作をしていた彼はロサンゼルス・オリンピックの映像制作のために念願でもあった自由の国アメリカに渡米します。しかし、祖国がオリンピック出場をボイコットし強制帰国を命ぜられます。掴んだ自由を手放すことができず、彼はアメリカに留まります。そして、知り合いのツテを頼りニューヨークで絵本作家としての人生がスタートしたのです。後に彼は祖国の家族とも再開、アメリカの永住権も手に入れます。

未来に生きる子どもたちに自身が幼少期に経験したこと、影響を受けた偉人たちの伝記を絵本を通じて伝えています。今年で72歳をむかえます。

日本では初めてとなる彼の展覧会。貴重な絵本原画やスケッチなどが数多く公開されています。


絵本以上の絵本

彼の絵本をきっとどこかでみかけたことがある人も多いのではないでしょうか。

様々なタッチで、様々な作品を手掛けているピーター・シス。だからこそ、人々とのタッチポイントも多いように感じます。

チェコのプラハと言えば芸術の都、幻想的な都市のイメージがとても強いですが、彼が過ごした日々はそれとは真逆の世界だったようです。

作品のバックボーンには、常に自らが体験した出来事や思い出、誰かへのメッセージが込められています。それらは、彼が幼い頃に経験したこと、家族から教えられたことがモチーフとなっています。そして、少なからずそれらのメッセージは今日を生きる我々にも深く突き刺さるものだと感じました。

彼がニューヨークのメトロに掲出されるために描いたこのクジラは、マンハッタン島をイメージしています。(見えづらくてすみません、、、)この絵はニューヨークの人々に気に入られ何年も掲出されていたとのことです。

それは彼が故郷チェコからアメリカに旅立ち、そしてニューヨークに辿り着いた物語がなかったら成立しなかったことです。そして、彼の描く作品にメッセージがなければそれほど人々に共感を生まなかったかもしれません。

ぜひ本展を通じて、ピーター・シスの世界観を感じるとともに、彼が各作品で伝えようとした想いに触れてみてください。絵本を越えたメッセージを。



個人的には、展示冒頭の『三つの金の鍵 魔法のプラハ』の世界観がとても好きでした。絵本読んでみたくなります。
ピーター・シスとは何者なのか、下知識などなくても丁寧な解説でどっぷり世界観に入り込めますのでご安心ください(笑)!

展示会は11/14まで練馬区立美術館で開催してます!

↓公式サイト↓


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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