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業界No.1のタレント数でIP活用をもっと身近に。注目のタレント宣伝素材提供サービス「Skettt」誕生秘話

アニメなどIPコンテンツ市場の拡大や、個人クリエイターの台頭により、注目度が高まるIP(知的財産)ビジネス。

「IPの可能性を広げ、世界に衝撃と感動を」というビジョンを掲げる株式会社Wunderbar(ヴンダーバー)では、有名タレントや著名人の肖像画像を月額でライセンス利用できるサブスク型オンラインキャスティングサービス「Skettt(スケット)を通じて、IPの価値を最大化することを目指しています。

今回の記事では、2022年1月のリリース後、Wunderbarのビジネスの中核を担うまでに成長したIPマーケティングサービス「Skettt」の誕生秘話に迫ります。今やWunderbarを語る上で、Sketttは重要な存在となっていますが、誕生までの道のりは平坦なものではありませんでした。

Sketttが生まれるまでの苦悩やエンタメ業界にかける思い、そしてこれからの展望について、CEOの長尾慶人に話を聞きました!

IP・エンタメビジネスに興味がある方、新規サービスの立ち上げの裏側を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

長尾 慶人 (代表取締役CEO)
15歳の頃にジュノンボーイコンテストにて上位入賞後、某大手芸能事務所に所属するも挫折。その後、家庭の事情で16歳の頃に高校を一年で中退し、札幌&福岡で光通信系会社の立ち上げ→上京し色々ありカプセルホテル生活→GMOインターネット→ディーエヌエー→Recustomer(旧ANVIE共同創業)→Wunderbar立ち上げと波瀾万丈な経歴。「自らを超越し、世界を沸かせ」という強いミッションを掲げ、「IPの可能性を広げ、人々に衝撃と感動を」という中期ビジョンに向かってIP×テクノロジーという文脈で挑戦。
Wunderbar HP:https://wunderbar.co.jp/
Twitter:https://twitter.com/keitonagao

瀕死状態のWunderbarを救った「Skettt」

ー Wunderbarのメイン事業を担う「Skettt」とはどのようなサービスですか?

有名タレントの宣材素材とデータを活用することで、地方・中小企業のIPマーケティングを支援するサービスです。

https://skettt.com/

これまでは、業界の構造が複雑なことから、芸能人の宣材素材使用は手間と多額のコストがかかるため、大企業の広告でしか使うことができなかったんです。しかし、Sketttを利用すれば、有名タレントの宣材データを1ヶ月から使用できます。

タレント選定からブランディングまでもWunderbarが一貫して行うので、媒体費・制作費のコスト削減にも繋がります。また登録タレント数も800名以上と豊富なため、企業は自社の商品やサービスに合ったブランディング施策ができるようになります。

ー Sketttはどのような背景から生まれたのですか?

実は、Sketttは「VOM(ヴォム)」の大苦戦から生まれたんですよね……。

VOMとは、私たちが2021年7月にリリースした「動画プラットフォームサービス」です。コロナ禍で仕事が減ってしまった有名人と、コンサートやライブの中止などエンタメを思うように楽しめなくなったユーザーを繋ぐ方法を考え、有名人から動画メッセージが届くプロダクトを開発しました。

ただ、販路拡大には大苦戦。VC(ベンチャーキャピタル)から、半年生き延びるための資金を調達して、気合いを入れて売り出したものの、鳴かず飛ばずのまま半年が経過。その後、会社を継続するための頼みの綱だった、資金調達のためのプレゼンも落ちてしまいました。

絶望の中、まさに背水の陣で臨んで生み出したのが「Skettt」です。

VOMでぶち当たったIP提携の壁。タレント集めに奔走した激動の6ヶ月

ー VOMの苦戦を受け、Sketttはどのような点で改善を図ったのでしょうか?

新たなプロダクト開発のためには、とにかく業界事情を深く理解し、「事務所が本当に欲しいもの」を突き詰める必要がありました。幸いにも、いろいろな芸能事務所との繋がりはあったので、事務所の課題を解決できれば、挽回のチャンスはあると考えてたんですよね。

そこで、これまでの人脈や伝手を頼りに、もう一度芸能事務所やキャスティング会社を周って、VOMが採用されなかった理由を徹底的にヒアリングしました。そうしたら、たくさんの課題が見えてきたんです。

1つ目は、VOMが「to C向けのサービス」だったということ。使用用途の予測が難しいこと、タレントのブランディングに影響があること、マネタイズの難しさが主な課題でした。

そこでSketttでは、サービスを「to B」に変え、タレントと事務所への利益がより多く残るように設定し直すことに。「リスク・価格・見え方」の面で改善を図りました。

そして、事務所により安心感を抱いてもらうために、東京都が支援する「事業可能性評価事業」の審査を受けることにしたんです。「事業の可能性あり」と東京都からお墨付きをもらった上で、再度タレント事務所へSketttを提案することにしました。

ータレントのスカウト方法にも工夫をしたとのことですが、具体的にどのようにアプローチしたのでしょうか。

Sketttは有名人起点のサービスのため、「タレント登録数」が鍵であると考えます。そこで、「誰から声をかけるべきか」を考え、まず始めに某人気タレントの交渉を行い、幸いにも契約まで結びつけることができました。

そうした「順番」を意識しながら1ヶ月に30〜40の事務所にアプローチしたことで、所属タレント数は一気に増加。最初の1ヶ月間で、奇跡的に数千万円の売上高を達成しました。その後、VCからの追加調達、金融機関からの融資も実現し、起業家からの引き合いもいただけるようになりました。

あの時、一瞬の休みもなく死ぬ気で頑張ったおかげで、今があるんだと思います。

「レガシーな業界」が、前に進む第一歩になるために

ー Sketttのどのような点が、エンタメ業界で評価されていると思いますか?

芸能事務所との距離感が近く、安心して登録してもらえるのは、我々の強みの1つですよね。

Wunderbarの事業の中でも、Sketttが担うのは「IPの流通」の部分です。IPの流通とは、タレントの肖像素材データなどのIPを世の中に出して「ビジネス化」するということ。ビジネス化=「広告の獲得」は、常にタレントや芸能事務所の課題となっています。

これまでは、広告はテレビが主流でしたが、YouTubeなどテレビ以外のメディアが台頭する中で、事務所は新たな広告手段の獲得が必要となっています。けれど、日本の芸能事務所は意外とレガシーな体質で、その多くが新しい事に挑戦できない。広告は欲しいし、IPを流通させたいけど、新しいことに手を出すのは不安というジレンマが常にあるんです。

そのジレンマを解決するのが「Skettt」です。現在Sketttはタレント肖像提供領域において、最も多い65社の事務所と契約しています。なので、「あそこの事務所がやっているなら、うちも安心してできるよね」という具合に波及して、ようやく各事務所が新たな領域に一歩踏み出せるようになってきました

複数の事務所を巻き込む事で、Sketttの登録タレント数は日々増えています。結果的に、IPを利用してもらう企業側にも多様な選択肢を提供することができて、いい循環が生まれていると感じます。

IPといえばWunderarを目指して

ー売上高は前期比300%を見込むなど成長を続けるSketttですが、今後の展望を教えてください。

Sketttは、Wunderbarの中で「キャッシュエンジン」の位置づけで取り組んでいる事業です。5年後に一定規模の売上も見込んでおり、「Sketttだけで十分戦えそう」という声もいただきますが、私たちは現状に満足していません。

IPが持つドメインは流通以外にもたくさんあります。私たちが本当にやりたいのは、グローバルでIPの可能性をより大きく広げるようなプロダクトの開発

「IP領域だったらWunderbar」と言われる存在を目指して、世界で戦えるプロダクトをこれからもどんどん作っていきたいです。

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今回は「Skettt」の誕生の裏側についてWunderbar代表の長尾に話を聞きました。

Sketttが業界が注目するサービスになってもなお、さらに新たなIP活用プロダクトを作ることが楽しみだと語る長尾。それだけ、IPの可能性は無限大だということです。

Wunderbarでは、「自らを超越し、世界を沸かせ(Going beyond yourself)」というミッションを軸に、IPの力で多くの人に笑ってもらえる、驚いてもらえる世界を一緒に作りたい人を募集しています!

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