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カモンカモン

今年に入ってから真面目に映画を見始めた私は、この作品で初めてホアキン・フェニックスという俳優さんを知った。
なんだこの俳優さんは。なんだこの自然すぎる感じは。只者じゃないな。と、始まってすぐに感じた。(映画ファンの方からみると多分私は今凄く恥ずかしいことを書いている)
一瞬で虜になった。

すると休みなく私を虜にしたのがジェシー役のウディ・ノーマン。
ホアキンフェニックスを上回るナチュラル感。この歳の子供がここまで出来てしまうものなのかと信じられなかった。彼もまた只者ではないと感じた。
調べてみるとやっぱり。アドリブを繰り出したり、イギリス人なのにアメリカ英語を完全にマスターしたり、ティモシーシャラメに憧れていたりと今後が本当に楽しみな俳優さんだ。

この2人の掛け合いが本当にリアルで、ナチュラルで、愛おしくて、心地よい。ずっと観ていたい。
ミルズ監督曰く「ウディとホアキンは強い絆で結ばれていた。彼ら自身の本当の関係と親密さがリアルタイムで展開されているのが分かった。それは見せかけじゃない」
やっぱりそうなんだと凄く嬉しくなった。

「"子供との仕事はどうですか?"とよく聞かれるけど、子供ってホアキンの事?って感じだね(笑)」
という記事を見た時も、監督との関係性が見えた気がしてほっこりしたなぁ。

作中のインタビューシーンは台本なしのドキュメンタリーでホアキンが実際に取材している。
そんな今の子供たちのリアルな声も、台本上の台詞も、いくつか引用されてた書物の一節も、波のように押し寄せる言葉全てが胸に刺さった。

「母親は個人や政治の失敗、あらゆる問題への究極の生贄であり、すべてを解決するという不可能な任務を負っている」
イギリスの人文科学者ジャクリーン・ローズの「Mothers: An Essay on Love and Cruelty(母たち:愛と残酷さについて)」より

特にこの一節は印象に残っていて忘れられない。


始まりからエンドロールの最後の最後まで言葉、言葉、言葉。
その全ての言葉達が、カモンカモン(先へ先へ)というタイトル通り、"今"と"その先"について語られている。


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