南池袋公園は、豊島区の再開発で生まれた街の中の公園で、池袋駅東口から徒歩5分ほどの場所にある。敷地面接は決して広くはないが、美しく設備された芝生を中心に、他ではあまり見かけない子供の遊具や、階段状のウッドデッキ、卓球台、オープンテラスを備えたカフェレストランなどが配置されている。
この公園の特徴は、運営を行政だけで行うのではなく、地元商店会、隣接地権者、カフェレストラン運営者、学識者などからなる「南池袋公園をよくする会」が行ったり、公園内に民間事業者が運営するカフェレストランがあるなど、民間連携で行っている点だ。また、子供の遊び場としてだけでなく、大人が楽しめる場所として考えられている点(マーケティング視点)と、公園内の遊具やウッドデッキなどの設備が利用者によって様々な使い方ができる余地を残している点(UX視点)がすばらしい。
例えば、子供の遊び場には湾曲したコンクリートの坂があり、ダンボールを使って滑り降りることもできそうだし、ボールを投げて転がして遊ぶことができそう。ウッドデッキもシートを広げて座れる広い面、2人で腰掛けられるベンチ面、寝そべられる長さのある面、日光浴ができる日向面、涼しい木陰面など、使い手が選択することができる。
豊島区はファミリー層の受け入れに積極的だと聞くが、子供のためだけでなく、近隣の会社や店舗で働く人、大学や専門学校の学生など、様々な人がそれぞれの目的で過ごせるできるように作られている。本当に都会の中のオアシスのようだ。また、公園の向かいにはブルーボトルコーヒーが店を構えるなど、近隣の発展にも寄与しているみたいだ。
現在はコロナで積極的にイベント等を行っていないようだが、様々な人が集う場所を超えて、顔馴染みではない人同士がここで交流できる都会のクロスロードになれる可能性を秘めた場所だと思う。