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人間とは不合理な選択をする生き物だ

みなさまおはようございます 渡辺です。先週は暑かったかと思いきや、今日はすごく寒いですね。最近、安価なりんごが出てきたので、そのまま食べたり、煮てリンゴジャムにしたりしています。リンゴジャムにすると、少しづつでも食べれるので毎朝ヨーグルトに入れるのが楽しみです。

苦痛の総量を減らすには?

さて、最近行動経済学の本を読んでいるのですが、週末に読んだ「お金と感情と意思決定の白熱教室」- ダン・アリエリー 

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が面白かったので、今週はこの本から紹介したいと思います。

アリエリー教授は、数々のユニークな実験研究により、2008年のイグ・ノーベル賞を受賞しています。氏が行動経済学に興味を持ったきっかけは、ひどい火傷を負って3年ほど入院していたときの事だそうです。

何しろひどい火傷だった為、毎日包帯を剥がす必要があったのですが、苦痛を減らすにはどちらが良いのか?一気に剥がして激しい痛みに耐える?長い時間をかけてゆっくり剥がす。それぞれ好みに分かれそうですが、如何でしょうか?

(thinking time)

アリエリー教授は、万力で指を挟んで貰ったり、オリジナルの拷問スーツを創ったりして実験を繰り返した結果、いくつかの結果にたどりつきました。

・苦痛の総量は、痛みの継続時間には比例しない
・痛みに強弱をつけると、苦痛の総量は劇的に大きくなる
・痛みの強さの変化の仕方が重要(痛みが減っていくより、増していく方が苦痛は大)

これらの実験結果を元に考えると、ゆっくり剥がした方が苦痛の総量は少ないようです。如何でしたでしょうか?それでも、早く終わった方が良いから一気に剥がす派もいるかと思いますが、実験結果によると、ゆっくりと剥がした方が苦痛の総量は少ないみたいです。最悪は、最初ゆっくりで途中から一気に行く方法みたいです。

という訳で、このような実験結果を毎日共有していこうかと思います。
それでは、前半期もあと4日。今週もよろしくお願いします!

不合理な選択

みなさま、おはようございます 渡辺です。秋晴れのいい天気ですね。こんな日は、秋刀魚が食べたいです。かつては社員食堂に行くと、秋刀魚定食とか気軽に食べれたのですが、今は意思を持って探しに行かないと秋刀魚を食べるのも中々むずかしいですね。

さて、引き続き行動経済学について考えていきたいと思いますが、今日は、「不合理な選択」ということについて触れていきます。例えば、ダイエット中に甘いものを食べてしまったり、運転中に携帯を触ってしまったりしたことがある人も多いかもしれませんが、人間の行動が合理的と考えると、本当はダイエットなんてしたくもないし、運転中に携帯メールをしながら死んでも構わないということになってしまいます。

この本で「不合理な選択」の1例として挙がっているのは、ヨーロッパの臓器提供プログラムの関心がある人の割合を示したグラフになります。

臓器提供の意思のある人の割合(%) Johnson&Goldstein(2003)
スウェーデン  86%
ポルトガル  100%
ポーランド  100%
ハンガリー  100%
フランス   100%
ベルギー   100%
オーストリア 100%
ドイツ     12%
イギリス    17%
オランダ    28%
デンマーク   4%

これらの違いは何だと思いますでしょうか?

(thinking time)

第1に考えられるのは、文化の違いかと思いますが、その場合オーストリアとドイツ、スウェーデンとデンマークといった似た国なのに違うということもわかります。またベルギーのお隣オランダでは、臓器提供プログラム増やす為、DM送付からテレビ番組や報道とあらゆる努力をしたにも関わらず28%どまりだったとのことです。

正解は、初期設定(defaults)が決定的な役割を果たしているというものでした。具体的には、以下のような差がこの結果を生んだということです。

□ 臓器提供プログラムに参加したい人はチェックしてください
□ 臓器提供プログラムに参加したくない人はチェックしてください

人は、難題に直面するとどうするか?何もしないとのことです。つまり、低割合の国では、上のオプトイン方式、高割合の国では下のオプトアウト方式が取られていたという訳です。

如何でしたでしょうか?中々おもしろいですね。
それでは、本日もよろしくお願いします!

ソーシャル・プルーフ

みなさま、おはようございます 渡辺です。今日は本当にいい天気ですね。青空が広がっています。

引き続き行動経済学について考えていきたいと思います。本日は、あなたが”人”に流される理由 ということで、「ソーシャル・プルーフ」について考えてみようかと思います。

人は、自分の意見の妥当性を証明するべく、人がやっていることを真似したり、他人に同調してしまう性質があります。例えば、「行列が出来ているお店は美味しいに違いない。自分も行ってみようかな」と思ったりすることもそうですね。

同調に関する最も有名な実験は、ソロモン・アッシュの実験というもので、ある問いに対し、選択肢がA,B,Cとあります。普通に質問するとほぼ全員が「A」と答えたとします。しかし別の部屋でこちらは、1人を除く全員が仕掛け人となっており、「B」と答えるように指示されている。被験者は、最初は「B」という答えを聞きビックリした顔をするのだが、他の人の「B」というと、最後には被験者も「B」と回答してしまうというものです。

少し、種類が違うかもしれないですが、国内の実験でも事前アンケートで普段新聞を全く読まないという人だけを集めて、グループインタビューを行った際に、普段どのような媒体から情報を得ていますか?という質問に対し、1人が日経新聞と回答すると、他の参加者も日経位は読んでると回答したという結果もあるそうです。こちらは、グループインタビューのメリット、デメリットということで以前何かの本で学びました。

また、同調化の1例「群衆行動(mob behavior)」の悪い結果の例としては、イギリスのフーリガンやスタンフォード監獄実験(es という映画にもなりました)などもあるので、興味がありましたら是非調べてみてください。

如何でしたでしょうか?中々おもしろいですね。
それでは、本日もよろしくお願いします!

感情と決断(emotions and decisions)

みなさま、おはようございます 渡辺です。今日は曇り空ですね。いよいよ台風の影響でしょうか?今日は夕方から雨になるようなので、お気を付けください。

行動経済学について考える4日目。本日は、「感情と決断(emotions and decisions)」について考えていこうかと思います。
感情が人間の意思決定を左右する事例が幾つか紹介されています。例えば、アリエリー教授が作った便器型の水飲み機がある。いくら便器として清潔で便器として一度も使われていないことがわかっても、やっぱりこれで水を飲むのは少し嫌ですね。

他にも、アメリカでは9.11以降しばらくの間、交通事故の件数が増えたのですが、それは、人が飛行機に乗らなくなり、車に乗るようになったからです。統計的に見れば、飛行機事故に合う確率は、交通事故よりはるかに低いはずですが、感情的に飛行機を避けた結果、交通事故が増えたというものになります。

そこで問題です。ここに、つり橋があります。とても揺れるつり橋です。男性がつり橋を渡っていると向こうから女性がやってくる。男性が女性と会う場所は、橋の真ん中か渡りきった場所だとして、女性が男性にあった際にどうでもいい話を始め、最後に「続きに興味があったら、ご連絡ください。」と電話番号を渡される。女性に電話する可能性が高いのは、橋の真ん中か渡りきった場所どちらでしょうか?

 (thinking time)

正解は真ん中です。映画スピードでも有名になった、つり橋効果の事例ですね。橋が揺れてドキドキしているのを相手に対して、ドキドキしていると思い込んでしまう。「感情の発端の読み違え」というものになります。ほかにも、階段を駆け上がった直後に出会った男女は恋に落ちやすいというのもあるそうです。

如何でしたでしょうか?中々おもしろいですね。
それでは、今月&前半期も今日でさいごとなりますが、本日もよろしくお願いします!

自己コントロール(Self Control)

みなさま、おはようございます 渡辺です。前半期お疲れさまでした。昨年に引き続き、コロナ禍での半年ということで、色々苦しい局面もありましたが、ご対応ありがとうございました。どうぞ、この週末はゆっくりお休み頂ければと思います。

さて、行動経済学について考える最終日。本日は、「自己コントロール(Self Control)」ということについて考えていきましょう。

例えば、最高級のチョコレート(バターどら焼きでもいいです)が目の前にあったとします。今すぐ食べるなら半分、一週間待つなら倍の量をあげよう。と言われたときに今すぐと1週間待つ人は、半々位に分かれるかもしれません。でも1年後に半分。1年と1週間後に倍といわれたら、待つのは同じ1週間なのに多くの人が後者を選びます。これは、「双曲割引」と呼ばれ、遠い将来の「1週間」は短く感じられるのに、今からの「1週間」は、とても長く感じられるというものです。

さて、この「双極割引」に対抗し習慣化させる手段として「代替報酬(reward substitution)」というものがあります。アリエリー教授が大火傷を負った話は初日にしたかと思いますが、その時の輸血が原因で肝炎にかかってしまったそうです。肝炎はすぐに影響が出るものでは無いが、30年後に肝硬変で苦しむ可能性が高いと。その治療には強烈な副作用が伴う注射を週3回、1年半打つ必要がありました。副作用とは、嘔吐、頭痛、震えが一晩中というものです。「双極割引」を考えると、そんな治療したくないし、実際に多くの患者が途中で挫折したそうですが、アリエリー教授は1年半後、病気を克服することができました。ではどうやったか。

(thinking time)

治療を魅力的なものに変えるよう環境を整備した。ということになります

僕みたいに映画が大好きなアリエリー教授は、週3日、朝一で観たい映画を借りてきて、一日ワクワクして過ごす。帰宅後、バケツと毛布を用意し注射を打ったら、映画を観てよいとすることで、週3日、1年半の治療期間を魅力的なものに変えることが出来たそうです。

余談ですが、僕は割と本を読んでいるイメージがあるかと思いますが、週末1冊本を読んだら、1本映画を観れると決めていたりします。2冊読んだら2本ですね。なので、早起きして、昼間本を読んで、夕方までに読み終える事が出来たら、ビールを呑みながら映画を観れるという生活を何年も続けています。

また、習慣化の例で良く出てくるのは、歯磨きですが、ほとんど多くの人が歯磨きをしているでしょう。もちろん歯を大切にしなくちゃ。長く自分の歯で。と思っている人も多いかと思いますが、大半の人は何故歯磨きをするのか?歯磨きをした後のスッキリ感が欲しいんですね。

僕はそうなのですが、歯科検診に行くたびにフロスも使いましょうねと言われるのですが、どうも歯磨きに比べて習慣化しづらい。それは、やったあとのスッキリ感「代替報酬」が足りないのでは?ということに気づきました。

という訳で、今週は行動経済学について考えて来ました。もし興味を持っていただけたら、本も読んでみてください!

それでは、今月&後半期もよろしくお願いします!
(2021.09.27-10.01)

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