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経験学習は「波乗り」に似ている

みなさま、おはようございます渡辺です。秋晴れの良い天気が続きますね。
週末、「経験学習」入門 という本を読みました。

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元々誰に紹介されたのかは、忘れてしまったのですが、同じく週末に久しぶりに読んだ「ヤフーの爆速経営」でも、ヤフー経営陣のおススメ本として紹介されていて、偶然が重なった感じです。

人は、経験を通して学ぶ

この本の著者、松尾睦さんは、神戸大学の経営学の教授で行動科学などを専攻されている方です。この本では、経営学や心理学の研究を下敷きにし、優れたマネージャーへのインタビュー調査などから導かれた経験学習モデルが以下のように紹介されています。

”適切な「思い」と「つながり」を大切にし、「挑戦し、振り返り、楽しみながら」仕事をするとき、経験から多くのことを学ぶことが出来る”

人は、経験を通して学びます。大きな成功体験もそうですし、逆に大きな失敗体験も学びの一つ一つになっていきます。これらの経験からより多くのことを吸収できるかどうかは、対象にたいする姿勢や構えによって決まって来ます。上の文章やこの本自体も「仕事」における学びが中心に据えられてはいますが、必ずしも仕事に限らなくても良いと思います。この本のはじめにでも、経験学習は「波乗り」に似ていると書かれています。

私たちは、波を作ることは出来ませんが、どの波に乗るかを決めることはできます。また、その波にどれくらい食らいついていくかも本人次第です。簡単な波ばかり乗っていても上達しませんし、いきなりビッグウェーブに挑んでも揉みくちゃにされるだけでしょう。私たちは、何とか乗り切れそうな波に挑み、失敗を繰り返しながら、徐々に成長していくのではないでしょうか。

という訳で、今週は経験学習の三要素「挑戦し、振り返り、楽しむ」について詳しく見ていきます。仕事以外でもスキルアップしたい分野など思い浮かべながら読んでいただければ幸いです。

それでは、今週もよろしくお願いいたします!

ストレッチ(挑戦する)

みなさま、おはようございます渡辺です。今日は、雨の予報となっていますね。気温も昨日に比べ、大分低そうなので併せてお気を付けください。

今週は、「経験学習」について考えています。昨日、経験学習の三要素「挑戦し、振り返り、楽しむ」が大切だということがあったかと思いますが、この本ではこの三要素を「ストレッチ、リフレクション、エンジョイメント」というキーワードで表されています。本日は、先ず一つ目の「ストレッチ」すなわち挑戦について考えていきます。

ストレッチの方略ということで、3つ紹介されています。

1.挑戦するための土台を作る
2.周囲の信頼を得て、ストレッチ経験を呼び込む
3.できることをテコにして挑戦を広げる

まず一つ目ですが、地道な下積み経験が土台となり、後から活きてくるというものです。思い返せば僕も入社当時、ひたすらシステムの仕様書を書かされたお陰で、それが後々BPOでも活きたのと、BPOでの業務設計経験が、事業戦略での業務プロセス整理に役だっています。

次に、2つ目ですが、ストレッチ経験は自分で創り出す場合と、他者から与えられるという側面があります。僕自身も入社5年目位の時に、大きなプロジェクトにアサインされた際に、あまりやる気ない先輩の下で愚直にシステム設計をしていたのをきっかけに、BPO部門に引っ張ってもらいました。

最後に3つ目ですが、出来ることをテコに出来ないことに挑戦するということです。これに関して云うと、恥ずかしながら、事業戦略に異動になった当初、PLなんか全然わからなかったのですが、それまでの職務経験の中でエクセルは得意だったので、ひたすら集計・分析を繰り返すことで少しづつ理解できるようになってきました。

当時は、何も考えていなかったし、大分なりゆきな会社人生を歩んできたのですが、こうやって振り返ると、何かしら当てはまるものですね。是非、皆さんも考えてみてください。きっと同じような経験があったんじゃないかと思います!それでは、本日もよろしくお願いします!

リフレクション(振り返る)

みなさま、おはようございます渡辺です。今日は雨も降っているのもあって結構寒いですね。体調など崩しませぬようお気を付けください。

「経験学習」の3日目は、「リフレクション」すなわち振り返りについて考えていきます。なぜ、リフレクションが成長にとって重要になるのか?この本では2つの理由があげられています。

一つ目として、振り返りにより経験からより多くの教訓を引き出すことが出来ること。二つめとして、学んだことや得た教訓を頭の中で整理し、意識づける事です。前者は、実際に行為中に行うことであり、考えながら行動すること、後者は行為を行った後に振り返るものであり、数秒から数年後など時間幅はさまざまです。

またリフレクションの方略3つを紹介します

1.行為の中で内省する
2.他者からのフィードバックを求める
3.批判にオープンになり未来につなげる

まず、1つ目ですが、もう少し砕いていくと「疑問を持つ」「自分で考える」ということになります。「何のためにやるのか」、「このアプローチが良いのか」、「もっと良い方法は無いか」について考えるということです。

次に2つ目ですが、自分のアクションについて相手がどのようにうけとめているかを聞き出すことが、適切なリフレクションを可能にし、時代にあわなくなった方法をアンラーニングする条件となります。中々自分の事は自分ではわからないので、良いフィードバックをくれる他者といい関係を構築していきたいです。

最後に3つ目ですが、たとえ耳の痛いフィードバックだとしても、その指摘が本質的なものであれば、真摯に受け止めて未来につなげていきましょうというものです。

リフレクションの方略3つ。いかがでしたでしょうか?大事なことではありますが、中々改めて時間を設定するというのは難しいもの。毎日の業務開始終了連絡を書く際にでも少し考えてみてもらえると幸いです。
それでは、本日もよろしくお願いします!

エンジョイメント(楽しむ)

みなさま、おはようございます渡辺です。東京西側すごく寒いです。久しぶりに家の中で靴下はいている感じです。

「経験学習」の4日目の今日は、「エンジョイメント」ということで、「挑戦し、振り返り、楽しむ」の3つ目楽しむについて考えていきます。

なぜ、楽しむ要素が必要かというと、敢えて説明するまでもないですが、「挑戦し、振り返る」だけですと、ストイックな修行のようになってしまい、ともすると、学習活動がつらくなってしまうからです。だからこそ、仕事に関心を持ち、やりがいや面白さを感じることで、自発的に活動できるとともに、さらなるストレッチの動機づけとなるからです。それでは、エンジョイメントの方略3つとなります。

1.集中し、面白さの兆候を見逃さない
2.仕事の背景を考え、意味を見いだす
3.達観して、後から来る喜びを待つ

まず、1つ目ですが、関心があるから没頭できる、没頭することで関心が深まるという両面があると思います。僕は昔から父親に、「石の上にも三年」とよく言われたのですが、正直これが上手くいったこともあれば、上手くいかなかったこともありますね。

エンジニアとして、実際にプログラムを書いてた時期が3年位ありますが、好きにはなれませんでした。新人でしたし、ひたすら仕事中は一生懸命やり、そこそ書けるようにもなりましたが、一歩会社を出れば1秒も考えたくない感じでしたね。

一方で、次のBPOは、異動になって、もうプログラム書かなくていいんだという解放感と、元に戻りたく無い感でひたすら没頭したら、結構好きになりました。なので、両方あるんだなと思ってもらえば良いとおもいます。

2つ目は、この場で何回かお話した、レンガ職人の話を思い出してみてください。そういう意味では、開発部署より、BPOの部署の方が周りで視野を広げてくれる人が多かったというのも影響しているかもしれないです。

最後に3つ目は、腹をくくって今の仕事に集中しろということですね。スティーブジョブスのコネクティングドッツではないですが、点と点がいずれ繋がると。僕も、あれほど厭だったエンジニア時代があるから、今の自分が成り立っている訳で、今になって思えばアレはアレでいい経験だったなと。過去に起きた事象を変えることは出来ないですが、その意味や捉え方というのは、変える事ができますね。

という訳で、経験学習の三要素について考えて来ました。もう一度、3つ振り返ってもらえればと思います。

三要素を回すための原動力、「思い」と「つながり」

みなさま、おはようございます渡辺です。曇り空の朝ですが、今日は昼間と朝晩の気温差が高く結構暖かくなるみたいですね。

今週は、「経験学習」について考えて来ました。火水木と「挑戦し、振り返り、楽しみながら」について詳しく見て来ましたが、最終日の今日はこれら三要素をぐるぐる回す為の原動力、「思い」と「つながり」について考えていきます。

ここでいう「思い」とは、信念であったり価値観であり「つながり」とは他者との関係性になります。内からのドライバーである「思い」と外からのドライバーである「つながり」の2つになります。

まず、「思い」からですが、こちらは「自分への思い」と「他者への思い」があります。前者は、認められたい、力をつけたいだったり、こうなりたいみたいな成長感だったりします。後者は、誰かの役に立ちたいとか、このような社会にしていきたいというものになります。この2つが融合することにより、大きなパワーになっていきます。

もう一つ、「つながり」について考えてみます。他者とのつながりを構築するための方略として3つ挙げられています。

1.職場外から率直な意見を聞く
2.人を選び、誠実につきあう
3.自ら発信し、相手を受け入れる

先ず、1つ目ですが、ここで職場外とかかれているのは、役職があがってくるとだんだん職場内でも率直な意見を言ってくれる人が限られてくるからという理由なので、職場外に限らず、内外で率直な意見を云ってくれる人の存在を大切にするといいですね。

2つ目の「人を選ぶ」というと少しニュアンスが難しいですが、良いフィードバックをくれそうな人を選ぶという意味になります。また、本の中で引用されている中原淳教授の言葉を引用すると、安心屋と緊張屋の2種類が大切だと書かれています。安心屋は、ほめたり励ましたりと心理的支援を与えてくれる人、緊張屋はダメ出ししてくれるなど、転機になるような率直なフィードバックをくれる人の事だそうです。緊張屋ばかりだと、へこんでしまうので、ほめたり励ましたりしてくれる安心屋という存在が併せて必要ですね。

最後は、自ら発信する積極性とそれに対するフィードバックを受け入れる受容性を持とうというものです。例えば、「この仕事はつまらない」と思っていても発信しなければ中々つたわらないですが、勇気をもって誰かに伝えてみると、何かのフィードバックが返ってきます。その意見を真摯に受け止めて考えると何かしらの気づきがあるし、それを元に再び発信することで、さらに議論が深まっていきます。

という訳で、今週は、「経験学習」について考えました。月曜日にも書きましたが、仕事に限らず「思い」と「つながり」を大切にし、うまく学習サイクルをまわして頂ければと思います!

最後に、これらの内容を1枚に図解したものを貼付しておきます。何かの際に参照したり、詳細気になった方は、ぜひ本も読んでみてください!

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それでは、今週もあと1日。本日もよろしくお願いします!
(2021.10.11-10.15)

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