コスト構造を理解する
みなさま、おはようございます 渡辺です。週末もいい天気でしたね。一方、さすが今週から12月という事で朝晩は大分冷え込んできました。
コストコントロール
現在、2025年の目標達成に向けて、「やはり積極的にM&Aをやっていく必要があるね。」となっておりまして、今週は、僕も鋭意勉強中でちょっと難しい経営分析の話を共有させてください。
テキストは、週末に読みました 「IGPI流経営分析のリアル・ノウハウ」です。
この本の「第3章 生き残る会社と消え去る会社」から幾つか掻い摘んで共有していきたいと思います。先ず、この本の第1章で以下のように述べられています。
多くのスタートアップ企業のように、当初数年間大きく赤字を掘ったとしても長期的に見て何かの指標が拡大するにつれて、経済的に帳尻が合うようなビジネスモデルの設計が必要になって来ます。
その中で、価格と云うのは競合や顧客に左右されるものである一方、事業のコスト構造はひとまず自分でコントロール可能なため、先ずはそれを小さくコントロール出来ている状態を持続できる商売の構造を持つことが一つの勝ちパターンとなりえます。
以前、何かの本で読んだ堀江貴文のビジネス4原則というもので、以下の4つの中で当てはまっている数が多ければ多いほど、そのビジネスはうまくいきやすいというのがありまして、その中の1番目に利益率が高いというのが挙がっています。
聞いてみれば、当たり前の話しが多いですがよく使われる用語と併せて明日からもう少し掘り下げていきたいと思います。
それでは、11月もあと2日ですね。今週もよろしくお願いいたします!
規模の経済
みなさま、おはようございます 渡辺です。一段と寒くなってきましたね。
さて、今週はコスト構造について考えて行きます。まず一つ目は、「規模の経済」となります。
取締役と話をしていると、「規模が効く、規模が効かない」みたいな会話が出てくること多いかと思います。つまり、これはどういうことかというと、
あるコスト費目について、
・売上が増えても、顧客数が増えても、品数が増えても、費用が増えない
・なおかつ、それが全体事業コストの構成比率が高い
ものを差します。売り上げが増えても費用が増えず、コスト構成比率が高いので、売れれば売れるほど、1個あたりにかかる平均の費用配分が小さくなっていき、利幅が大きくなるというモデルです。
頭では何となく理解できると思うのですが、現実的には、中々難しいところもあり、売上が増えると組織も大きくなり、社内の調整コストが発生することで、逆に「規模の不経済」が働いたりもします。その中で、またそのコスト比を押し下げてを繰り返し、如何にして規模効果(スケールメリット)を出せるかと云うのが、一つの勝ちパターンを確立する方法になって来ますね。
という訳で、今月もあと1日。本日もよろしくお願いいたします!
範囲の経済
みなさま、おはようございます 渡辺です。今朝すごい豪雨&雷でしたね。余りの音で目が覚めてしまって暫く寝れませんでした。でも、散歩に行けなかった分寝坊したので大丈夫です!
さて、今週はコスト構造について考えて行きます。2つ目は、「範囲の経済」となります。基本的な考え方は、昨日の「規模の経済」と同様になるのですが、
ことになります。事例として、業務用食材卸の高瀬物産の例が挙げられていましたが、個人経営のような外食に食材や資材の店舗配送を行っている会社になります。例えば、酒類だけを扱う業者が乾物やペーパーナプキンや箸などの取り扱いを始めても人件費を含めた配送コストは殆ど変わりませんが、取り扱い商品が増えた分だけ、売り上げが上乗せになり、儲けが増えていきます。店舗側にとっても、発注や配達対応が1度で済むのでメリットもあります。
ここ10年位で一気に増えたドラッグで食品を扱う事例は、店舗という販売の仕組みに新たな商品カテゴリを追加することで、同じモデルになりますね。
少し違ったところだと、味の素やキリンビールが医薬品事業に参入するのは、経営資源を共有コストとして捉えた範囲の経済性になります。ここで注意すべきは、事業提携等でよく語られる「シナジー効果」になります。範囲の経済性で併売したり、クロスセルが可能と捉えた発想になるのですが、実態は顧客の窓口が異なったり、微妙に期待しているものが異なったりしていて単純にはいかないことが多々ありますので、「シナジー効果」というのが出てきたら、先ずは「本当にそうか?」と疑ってみることも必要だと思います。
という訳で、12月となりました。あっという間に1年が過ぎていきますね。年の瀬ですが、今月もよろしくお願いいたします!
密度の経済
みなさま、おはようございます 渡辺です。今日も朝から良い天気で嬉しいです。今週はコスト構造について考えていますが、3日目の今日は、「密度の経済」となります。基本的な考え方は、昨日と同様「規模の経済」と同じになるのですが、
となります。実際に顧客と対面するビジネス、小売りや外食、サービス業においては、エリア集中により店舗同士が近くなると、店舗間で共有できるコスト(配送コストやエリアマネージャーのコスト)効率が良くなるというものになります。
一番わかりやすいのは、コンビニのドミナント戦略で近くに同じコンビニばっかりあるなという事は、よくあるかと思うのですが、それによって経済性が高まっているからです。
一方でその商圏内での出店が飽和してしまうと、新規出店は1店舗当たりの売上を低下させてしまいますし、商圏を広げると折角高まったコスト効率が下がってしまいます。その手前までが成長の一途をたどるので、比較的イケイケドンドンになってしまうのですが、適正規模を超えて拡大に突っ走ると自滅するというのが、チェーンビジネスの失敗例ですね。
「規模」「範囲」「密度」この3つの視点で世の中で展開しているビジネスを観てみると、新たな気づきがありそうですね。
それでは、本日もよろしくお願いいたします!
バイイングパワー(価格交渉力)
みなさま、おはようございます 渡辺です。最近、朝晩めっきり寒くなりましたね。手が冷たいです。今週はコスト構造について考えていますが、最終目の今日は、「バイイングパワー(価格交渉力)」となります。「規模が大きくなることで、得られるメリット」のひとつではありますが、前述したとおり、本来の意味での「規模の経済」には含まれません。
例としては、家電量販店などが、多店舗展開することで得られた強い販売力で、家電メーカーに対し価格交渉力を持ち、仕入れコストを下げさせるというものになります。そう、大手印刷会社も大量の紙の仕入れに量に伴うバイイングパワーにより、用紙代が一番の儲けどころという話を聞いたこともあります。
しかし、この戦い方は万国共通ではなく、例えばウォルマートは、サプライヤーを絞り込み、特定品種を大量生産させることで、サプライヤー側に「規模の経済」を効かせコストを下げさせる方法を取り入れているそうです。そのコストメリットを活用し、安値で販売した利潤をサプライヤーとウォルマートで分け合うという、正に三方よしのシステムを構築しているようです。
という訳で、今週はビジネスのコスト構造について考えました。こうやって見てみると色々おもしろいですね。それでは、今週もあと1日、本日もよろしくお願いいたします!
(2021.11.29-12.03)
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