見出し画像

SS 毒吐く南瓜 #毎週ショートショートnoteの応募用

「ハロウィンの日に人が居なくなるんだって」
「一家全員が消えるの?」
「怖いよね」

よくある怪談。僕は怖くない。お化けなんて存在しない。夜になるとみんなで近所を回る。

「トリックオアトリート」

親切なおばさんがお菓子をくれる。お菓子を鞄に入れる。次の家に行く。しばらく繰り返すと、近所の偏屈じいさんの家だ。家族がみんな出て行ったと噂がある。一人で住んでいる。

「やめようよ」
「こわいよね」

年長者が鼻で笑うと玄関先で叫ぶ。みんなついていく。玄関からかぼちゃが出てきた。

「うるさいぞ、これやるから帰れ」
毒吐く南瓜がしゃべる。怖がりながらお菓子を貰った。その中に小さな南瓜がある。小さな南瓜が動いたのは誰も知らない。

朝になると、父も母も南瓜をかぶってた。ハロウィンの続き?僕は椅子に座る。僕の頭を触ると南瓜だ。南瓜は足を出して頭から外れた。歩き回ると僕の体を食べ始めた。南瓜に見えるが大きな蜘蛛だ。

「あの子の家は全員が消えたって…」

画像1



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?